高病原性鳥インフルエンザ対策を求める意見書案ならびに決議案についての討論    松尾 孝

 

                         

日本共産党の松尾孝でございます。

ただいま議題となっております鳥インフルエンザ対策を求める決議案ならびに意見書案について賛成の討論を行います。

去る26日夜発覚した、丹波町浅田農産船井農場における鳥インフルエンザの発生は、京都府民はもちろん全国に大きな衝撃を与えました。いま、地元丹波町をはじめ府の総力を挙げて対策に取り組んでいるところですが、昼夜を分かたず頑張って頂いております知事をはじめ職員、関係者の皆さんに心から敬意を表する次第であります。また、議会としても全会派一致して事にあたろうとの議長の労を多とするものであります。

さて、今回の事案の最大の問題は、浅田農産から報告がなかったため、初動防疫対策に1週間という空白期間を生み、重大な遅れをきたしたこと、そして、その中で感染した鳥が生きたまま出荷、移動され、加工処理されて一部が市場に流通、消費されるという、防疫上からも、食の安全上もあってはならない事態が起こっていることであります。また、府の事前調査のあり方等についても問題を残しました。これらにつきましては、後日、徹底した解明、検討が行なわれるべきであります。

当面の対策として、主要には次の3点が重要であると考えます。

第1に、いま最も急がれるのは防疫措置の徹底であります。知事は昨日午前10時、殺処分命令を出されましたが、対象が19万羽という大規模でありますだけに、労力の面で、また、埋設処理についても大変な困難が予想されます。とくに埋設場所については、地域住民の皆さんから強い要望がだされていますが、町当局の協力のもと、十分な理解が得られるよう努め、一日も速く完了させていただきたいと思います。報道によりますと大量の鶏糞と堆肥が残っているとのことですが、この処理についても慎重を期し適切な処分をしていただきたい。これらの作業に従事する職員の安全確保についても万全を期していただくよう合わせて要望しておきます。

2に、30キロ圏内にあって卵などの移動制限を受ける養鶏農家の問題ですが、期間の長期化も予想され深刻です。私も一昨日現地へ入り農家の皆さんの声を聴いてまいりましたが、「いつまで続くのか、餌さ代はどうなるのか」など大変な不安を語っておられました。これら農家に対し、当面のつなぎ融資をはじめ、事態終息後も引き続き養鶏が続けられるよう損失補償など全面的な支援を講じていただく必要があります。少なくとも山口県と同じ対応ができるよう、国にも強く要請し、府としても頑張っていただきたいと思います。

3に、食の安全の問題です。感染した鳥が加工処理され一部消費に回っていた問題は、消費者の間に大きな不安を巻き起こしています。食の安全にたいする不信、不安をこれ以上広げないためにも、十分な情報の提供、風評被害の防止など適切な対応に努めることは当然であります。また、流通業者、小売販売店への支援対策にも努めていただきたいと思います。

今後の対策についてでありますが、感染ルートの解明、進入防止対策の強化に全力を挙げることが必要であります。また、全養鶏業者等の協力を求め、モニタリング調査をはじめ、必要な調査、監視体制を確立していく必要があります。そのための法整備と財源措置をふくめた抜本的対策を国に強く求めていただきたいと考えます。

以上、決議案の速やかな実施、国の対策強化を強く求めて討論を終わります。