松尾 孝(日本共産党、京都市伏見区)2005年2月24日

異常な経過で進められたJA京都とJA京都丹後の合併

営農指導等、農協本来の役割放棄許さぬ指導を

【松尾】

日本共産党の松尾です。通告に基づき知事並びに関係理事者に質問します。

先ず農協合併問題についてうかがいます。1月24日JA京都とJA京都丹後の合併が夫々の総代会で決定され、4月1日、新しい合併農協が発足することとなりました。名称はJA京都です。JA京都丹後は解散となる事実上の吸収合併であります。農協合併は今日まで府下全域で進められ、JA南丹、JA京都などその都度、多くの問題がありましたが、今回の合併ほどひどいやりかたはありません。

 JA京都丹後の16年度総代会は昨年6月25日に開かれましたが、合併問題など全くなかったのであります。ところがその後、京都府の監査をへて、さらに9月に入り、16年度決決算見込みについての中央会の厳しいチェックの中で急浮上したのです。そして10月末の丹後農協第7回理事会で事実上JA京都との統合が承認され、11月12日の臨時理事会で正式に決定されました。この間、職員をはじめ農家組合員には全く何の説明もありませんでした。職員への説明は12月4日、初めて行われました。農家組合員には12月8日から地区別総代懇談会が順次開かれ、説明が始まりましたが、その2日後の10日には合併予備契約が調印され、年明け1月24日の総代会での正式決定、4月1日発足のスケジュールが決まりました。翌日の新聞は大々的にこれを報じましたが、殆どの農家には全く、寝耳に水の出来事でした。

 総代会の議案は正月三が日が終わって7日、8日頃に配られましたが、9、10の連休明け、11日から早速に書面議決書の回収が始まりました。議案書、事業計画書を読んでもいない総代から書面議決書をとる、つまり白紙委任状集めが行なわれ、全総代の62・3%、370通がかき集められました。

 以上、JA京都、 JA京都丹後、の合併決定の経過について述べましたが、なぜ合併か、合併してどうなるのか、職員、組合員の声も聴かず、何の説明もないまま一方的に理事会で決め、上から押し付けるやり方が強行されたのです。これは全く異常であります。そもそも農協は農家組合員の協同の組織であり、農家を無視したこのようなやり方は到底認められるもではありません。農協に対する指導・監督責任を持つ京都府としてこの事態をどう認識しているのか、また、どう指導してきたのかを答えいただきたい。

 なぜこのような強引な吸収合併が強行されるのか。経過から見て明らかなように、また、合併を決定した理事会の議事録から窺える事は、今回の合併がJA京都中央会の主導で、しかも、相当な圧力のもとで行なわれたことは明らかであります。その背景にはこの十数年来JA京都中央会が強引に進めてきた「府内単一JA構想」があります。そしてその中心が、JA京都中央会会長であり、JA京都の会長でもある中川氏であります。平成12年の南丹合併以来、福知山市農協を吸収してJA京都を作り、これを皮切りに、亀岡市、篠、岩滝町、綾部酪農などの各農協を次々吸収してきましたが、今回のJA京都丹後の吸収がこの一環であることは明らかです。中川会長は合併予備契約調印後「府内単一農協はあと数年で必ず実現できる」と述べていますが、昨年11月には、信用事業・共済事業を中心に、府内全農協の一町一支店を目標とする「支店体制再構築指針」を決定し、「単一JA構想」を着々と進めています。

農協の大規模合併が何をもたらすのか、この10年の実態を見ればおのずから明らかではないでしょうか。合併によるリストラ合理化で農協がますます遠のいていく、これが農家の実感です。合併JAではどこでも支店、支所の統合、廃止が進められました。JA京都では特にひどく、美山町には2支店を置く確認が1年でくずされ、2年目から1支店になりました。3年前のJA福知山の吸収合併の際、6支店を残すことになっていましたが、いま1支店です。亀岡でも支店整理が進められています。また、職員の大幅削減も大変で、JA京都では合併前の職員総数約1000名が半分になりました。これは、府下最大のリストラであり、雇用問題としても大問題であります。今回の合併に際しても、丹後農協労組の雇用と労働条件の継続を求める当然の要求を拒否し、職員に大きな不安を与えています。このように大規模合併は、何より農家の営農と暮らしを守るという農協本来の役割を果たせなくするものであります。

そこで伺いますが、府として農協のこの状況をどう考えていますか。農家離れが進み、農協が農協でなくなる事態を招いてはなりません。大規模合併、単一JA構想について、指導、監督権限を持つ京都府として、適切な指導を行なうべきと考えますがいかがですか。お答えください。

さらに振興局の広域化とJA合併に伴うギャップについてです。京都府の農業振興にとって市町村、JAとの一体的な取り組みが不可欠ですが、いまこれが崩れているのではないかと懸念されます。JA京都のエリアは口丹地域の全域と福知山市、宮津以北の全域です。広域振興局は南丹、中丹、丹後にまたがります。水稲など共通性の高い作目でも地域性は無視できません。まして特産物については地域にあったきめ細かな対策が欠かせません。JA京都の営農指導体制も問題で、担当者は頭を抱えているとのことですが、農林部としてどう対処しているのか、お答え下さい

【農林水産部長】 農協の合併問題についてでありますが、農協系統組織では、本年4月のペイオフ解禁をはじめとする厳しい経営環境に対応するため、健全で安定した財務基盤の確立が緊急の課題となっており、今回の合併もこうした状況に対応するための方策として、JAが自ら判断され、総代会での議決、組合員への周知など農協法に基づく手続きが進められているものであります。

また、府内単一JAへの合併につきましては、JAグループの中で基本的な方向が確認され、現在、基本構想策定に向けて協議がすすめられていくと考えておりますが、いずれにいたしましても、合併など経営基盤強化の方法は各JAの自主的な判断で行われるものであり、支店や施設の統廃合などの合併の諸条件につきましても、合併農協相互間で協議・決定されるものであります。

京都府といたしましては、将来にわたり経営基盤の確立がはかられ、営農指導をはじめとするJAの本来的機能が一層強化されるよう指導してまいりたいと考えております。

また、市町村や広域振興局との関係につきましては、今後とも相互に十分連絡調整をはかり、連携して地域農業の振興に取り組んでいけるよう努めてまいりたいと考えています。

【松尾】 

農協合併問題は、経営基盤強化のためにそれぞれ自主的に判断をしてやっていることだとの農林水産部長の答弁だが、若干経過は申しましたけれど、あきらかに何が何でもJA単一農協にするのだというレールの上を走っているのは否定できないわけです。その結果、先ほど申したとおり、大型化が進む中で農協が農家からどんどん離れていくという事態になっているのですから、やはり、これは全体として京都府農業にとってゆゆしき問題だと言うことを申しているわけです。府として十分監督権限を発揮してチェックをして頂きたいと強く要望しておきます。

 

圧倒的多数の農家を切り捨て、日本農業の崩壊招く新基本計画

京都の農業守る京都府独自の対策の実施を

【松尾】

つぎに新しい食料・農業・農村基本計画についてお尋ねします。小泉内閣はいま、今後の農政の基本となる「基本計画」の見直しを進めており、この3月末には策定される見通しです。

 去る2月8日、農水省が明らかにした骨子案によれば、その主な内容は、第1に、基本的な方針として「構造改革」を加速し「効率的かつ安定的経営」が生産の相当部分を担う農業構造の確立をめざす。そのために、育成する「担い手」を明確にし、そこへの施策の重点化、集中化をはかる。第2に経営安定対策の対象となる担い手は、認定農業者のほか、集落営農のうち一元的経理を行い、法人化計画を持ち、将来、効果的かつ安定的経営に発展すると見込まれるものを加える、第3に、食料自給率の目標については、2010年の45パーセント目標を15年に先送りし、生産面だけでなく、消費のあり方についても検討して、カロリーと生産額ベース双方の目標を設定する。などですが、中心問題は構造政策とそのための施策の集中の問題であります。

これらの施策が本格的に実施されればどうなるのか。先ず担い手問題です。これまでも「構造改革」すなわち規模拡大政策が農政の中心に据えられてきました。しかし、小規模農家を全面的に排除するということはありませんでした。ところが今度こそ、大多数の家族経営、小規模農家を施策の対象から全面的にはずそうというのであります。当面、2007年度から新たな経営安定対策が実施されますが、その対象となる「担い手」は、他産業並の年間所得530万円を上げられる経営としています。そして、これを都府県の水田農業で上げるには10〜14ヘクタール以上が必要との試算を示しています。現在、この基準に達する都府県の水田農家は戸数で0・2パーセント、面積でも3・3パーセントに過ぎません。集落営農も対象にするとしていますが、40ヘクタール規模で一元的経理を行い、法人化することが条件とされ、該当組織はごく少数、200ぐらいと言われています。これでどうして日本の水田農業全体を維持することができるでしょうか。

また、新たな経営安定対策は、個々の作目別対策ではなく、担い手農家、法人を対象に、外国産との生産条件の格差に対する一定割合の助成と、価格の下落で収入・所得が下がった場合に一定割合の補填をする、この2本立てになるとのことです。しかし、価格の下支え機能は全くなく、米価などの暴落が起これば、たとえ大規模農家といえども経営安定を図ることはできないでしょう。

 そこで知事に伺います。以上述べたとおり新「基本計画」案は今までの政策と質的に異なり、圧倒的多数の農家を切り捨てるものであります。施策の対象から外れた農家の離農が一挙に進み、日本農業が崩壊の危機にさらされることは明らかであり、京都にとっても大問題であります。このような新「基本計画」に強く反対すべきと考えますが、知事はどう認識しておられるか、先ずお伺いします。

 さて、京都府は今日まで、担い手対策として、「多様な担い手の確保・育成」を掲げ、中核的担い手や集落営農などの組織を中心に据えながら、退職専従者、Uターンや新規就農者など、担い手のすそ野を広げるとの方針のもと、取り組みを進めてきました。しかし、まだまだ展望の見える状況ではありません。専業農家の高齢化が進み、地域農場作りもその多くが崩れていくという残念な状況です。Uターンや新規就農者もわずかながら増えてはいますが圧倒的に少数です。この状況をどう変えていくのか、府農政の最大の課題です。

そこで伺います。知事は中期ビジョンについて語られている中で、「わが国の農業政策は大規模農家を奨励する動きをしようとしているが、新しい農家の未来像として、二種兼農家やウイークエンド農家のように多様な担い手を考えないと京都の農業も林業も、もたない。」と述べておられますが、全くその通りであります。規模の大小を問わず専業農家を中心に、二種兼農家なども含め、意欲的な農家をしっかり支え、地域農業を全体として守っていかねばなりません。国はそれを切ると言うのですから、どうしても京都府独自の対策、切るのではなく守る対策が必要です。具体的にどのように取り組むのか、お答えいただきたい。

 

【知事】 新しい食料・農業・農村基本計画だが、国においては育成支援の対象となる担い手を認定農業者や法人化を目指す集落営農組織に限定し新たな経営安定対策の柱となる直接支払いを含めた施策もこれらの農業者に集中させることとしています。しかしながら、京都府農業が全体として経営規模が零細で集落規模も小さく、また、兼業農家を中心に女性や高齢者の方にもがんばって支えていただいていることや、農村地域の環境を守る上でも農業が重要な役割を果たしている実態を考えたとき、これまでからお答えしている通り、全国一律に大規模経営を前提とし農業構造の転換を進める国の施策をそのまま導入することは、少なくとも、京都府の農業の振興発展につながるものとは考えられない。そのため、京都府では多様な担い手が連携して地域農業全体を支える地域農場づくり事業や、収益性の向上を目指した「ブランド京野菜等倍増戦略事業」等を積極的に展開すると共に、地産地消の推進等、地域に密着し一体となった農場づくりや担い手の育成に取り組んできたところであり、策定中の中期ビジョンにおきましても、重点目標の一つとして、女性や高齢者、農作業受託組織等を含めた多様な担い手の確保、育成を位置づけているところであります。

さらに、国に対しましても、こうした観点から、地域それぞれの特性を踏まえ、担い手対策と地域振興対策と一体的な推進をはかるよう強く要請しているところであります。

今後とも、新規就農者の確保育成をはじめ、農産加工や即売所の設置等、農業経営の多角化、生産から加工流通までの一貫的な整備を進め、京都の特色を生かすと共に、さらには、新たに策定した「農のあるライフスタイル実現プロジェクト」により都市住民も含め、多くの方々に地域農業と農村環境の保全に携わって頂けるよう、地域の実情に応じた幅広い担い手づくりや農村づくりの推進に努めてまいりたいと思います

 

「国の考え方では京都はやっていけない」と言うなら、

知事は国に強力な要求を!

【松尾】 

食糧農業農村基本計画の国の見直しについて、国の考え方では京都はやっていけないと知事も明確にお答えになったで、やはり、「こういうやり方はやるな」ということを是非おっしゃっていただきたい。3月末に決めて、この秋には具体的な担い手要件、経営安定対策の中身なども制度化をしていくわけでございまして、これが、軌道に乗せられていくと、先ほど申しあげたように、また、知事もおっしゃっておられるように、京都府の農業が持たないということは明白です。ですから、今までと違って、この際思い切ってやるというのが国の意向なわけですから、京都府としても今までと違う要求を国にしていただきたい。今、転作対応等の中で京野菜等その他、かなり農業振興地域ががんばってやっておられることは承知しておりますが、その中に、国の施策の援助が入っていないわけではない。京都府もがんばっているが、入っている。国がこれは、今度はやらないと言うことになれば、全部府でやらないと行けないことになるわけですから、この点からも、国にしっかり要求をしていただきたい。

 

 

薬害C型肝炎 経済的理由で治療が遅れないよう公的支援を

フィブリノゲン納入医療機関の「医療記録」保存状況を調べよ

【松尾】

次にC型肝炎の対策について伺います。C型肝炎患者は全国で200万人位といわれますが、多くの人が自覚症状がないため、治療を受けないでいると言われています。そのまま放置すると、肝硬変から肝ガンに進み、死にも至ることが懸念されます。主な感染経路は輸血や予防接種、血液製剤などによるもの、つまり、医療行為による感染です。特に、アメリカでは1977年に承認取り消しとなっていた止血剤・フィブリノゲン製剤が、日本国内では10年1987年まで広く使い続けられ、多くの人が罹患したことは大問題です。C型肝炎も、薬害エイズ同様、国に責任がある薬害であり、早急な対処が強く求められています。

 ご承知の通り昨年末、12月9日、厚生労働省がフィブリノゲン納入医療機関を公表しました。これは患者のみなさんが、薬害肝炎訴訟など国の責任を追及するとりくみの中で強く要求してきたものですが、遅きに失したとは言え、これを機にC型肝炎対策を積極的に進める必要があります。

 そこでお尋ねします。第1に、納入医療機関が公表されて以来、2600件を超える問い合わせが府に殺到しているとのことですが、どう対応しているのか。市町村にはどう指導しているのかお答えください。「どこで検査を受けられるのか」など、ウイルス検査の問い合わせが多いとお聞きしますが、今、府内の保健所では血液検査は週1回、2時間程度の検査受付となっています。仕事をされている方への対応として、検査実施日の拡大、土曜日、日曜日の検査実施など検査体制の拡大が必要と思われますが、お答えいただきたい。同時に、今はエイズなどと一緒に検査をする場合のみ検査費用が無料化されていますが、C型肝炎の検査だけの場合でも無料とすべきではありませんか。いかがでしょうか。

第2に、フィブリノゲン納入医療機関のカルテ開示問題です。厚労省の発表では、納入医療機関は全国6611機関、京都では168機関です。これと同時に発表されたアンケート調査結果の資料の中に、「1980年代以前のカルテの存在の有無」との項目がありますが、有りと回答した医療機関は、わずか5・8%、残りの医療機関には、カルテがないとなっています。しかし、厚労省の調査直後に、「薬害肝炎訴訟大阪弁護団」が行った、近畿、中国、四国の2府12県の当該医療機関へのアンケート調査の中間集約によれば、厚労省の調査では「カルテが無い」としていたところが、「マイクロフィルム化されたカルテがある」、「カルテはないが、手術記録、分娩記録などの記録が保管されていると」と回答しています。昨年末までに回答のあった395医療機関の内、27・1%、107機間もあることが明らかになりました。厚労省が発表した数倍の医療機関に、フィブリノゲン投与を立証する記録が存在しているのです。京都でも、すでに保存期間を過ぎ、カルテを廃棄したとしていた医療機関に、手術記録が残っていたという事例も出ています。厚生労働省も平成15年9月の「診療情報等の提供に関する指針」で、「診療記録の開示を求められた場合には、原則としてこれに応じなければならない」とし、昨年10月の「フィブリノゲン製剤納入先公表に係る厚生労働省の考え方について」においても、同様の指導を行なっています。京都府として、厚労省に対し、カルテだけでなく、関連する「記録」についても、再調査し公表するよう求めるべきではありませんか。また、府としても、府立医大病院や与謝の海病院など府立病院はもちろん、国公立病院、民間医療機関がカルテ開示を積極的に行なうこと、また、保管期限の切れたカルテについてもすぐに破棄しないよう協力を求めるべきと考えますが、お答え下さい。

さらに、この間、C型肝炎治療は大きく前進し、専門的な治療を行えば、かなりの確率で治癒、あるいは、肝ガンへの進行を食い止めることができるようになってきています。しかし、保険給付が拡大されてきているとはいえ、長期にわたる治療にかかる医療費は、患者の大きな負担となります。財政的な負担が原因で、治療が受けられないという事態は、何としても無くしなければなりません。C型肝炎の治療について、医原性疾病であること、及びその経過からして、医療費助成を国に強く要求して頂きたいと考えます。また、府としても独自の支援を行っていただきたいと考えますが、あわせてお答えください。

以上で質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

【保健福祉部長】 京都府におきましては、厚労省の医療機関公表と同時に報道資料の提供、ホームページの立ち上げなどにより府民への啓発に努める一方、保健所、本庁に相談窓口を設置し、これまで約2700件の相談に対応してきた。相談にあたっては、疾病情報や医療機関情報の提供、保健所での検査の受診勧奨等、相談者の立場に立った対応をはかってまいりました。

検査につきましては、従前から市町村に対しまして、老人保健事業の中での積極的対応について指導助言を行うと共に、京都府といたしましてもエイズ検査に合わせて無料で実施しているところであります。今回の医療機関公表後、検査件数が急激に増加いたしましたけれども、ご希望のあった方すべてに対応してきており、今後もこの体制を継続してまいりたい。今後とも市町村と連携し、検査機会の確保に努めて参りたい。

一方、関係医療機関に対しましては、カルテをはじめとする各種の資料に基づき当時の状況を確認して対応することやカルテの開示や保存等について国からも要請されているところであります。京都府といたしましても、患者さんに対し可能な限り情報提供や相談に応じるよう要請を行うとともに、対応が不十分と患者さんから申し出のあった医療機関に対しましては、個別の案件ごとに必要な指導を行ってきているところであります。

また、府立の病院におきましては、現存するカルテにより調査を実施し、フィブリノゲン製剤の投与が判明した患者さんやご家族の方々に個別の連絡、ご説明をするなど、丁寧な対応をはかってきた。

C型肝炎の治療については、治療方法が確立された中、原因が不明で治療方法が確立していない疾病を対象とする特定疾患治療研究事業にはなじみにくいとされているところでありますが、近年、リハビリンとインターフェロンの併用療法など新たな治療法や治療期間の延長など、保険適用の範囲が順次拡大される中で患者負担の軽減が図られて来ているところであります。

なお、フィブリノゲン製剤投与により感染された方に対する医療費の公費負担につきましては、責任の所在を明らかにしながら、別個の問題として負担の問題を考えるべきと考えておりますが、昨年4月に血液製剤等による感染者の仲裁をはかるため、「生物由来製品による感染被害の仲裁制度」も創設されたところであり、国に対しC型肝炎患者に対する救済措置の充実について要請しているところであります。

【松尾】 

C型肝炎の検査は、エイズと一緒の場合は無料だけれども、C型肝炎だけでは有料です。エイズと同じ薬害な訳ですから、当然無料にすべきだ。エイズと一緒にやれば良いではという声もありますが、C型肝炎検査だけをしてほしという声も現にあるわけですから、そういう方向で改善していただきたいと要望しておきます。

公費負担の問題ですが、保険適用の拡大はしておりますが、申しましたとおり、エイズはエイズ訴訟以降抜本的な改善が行われた訳ですから、同じC型肝炎がなぜ対象にならないのかと言うのは、罹患された患者さんの切実な思いなのですから、これも拡充を強く要求していただきたい。