久守一敏 (日本共産党 京都市伏見区)   2005年9月29日

 

アスベスト問題について

【久守】

日本共産党の久守一敏です。通告に基づき知事ならびに関係理事者にお伺いいたします。

はじめに、府民の命・健康にとって緊急の課題であるアスベスト問題についてお聞きします。

今、アスベスト(石綿)健康被害について、様々な不安が広がっています。府の窓口には、9月16日までに568件の相談が寄せられ、中には水道工事に従事されていた方がじん肺で死亡したとの相談もあるとお聞きしました。民間窓口にも、「アスベストの詰め込みや吹き付けをやって来たが、肺に跡が有ると言われ心配だ」「当時の事業所、発注会社が廃業し、連絡先不明で困っている」などの相談や公共施設や住宅など、日常生活でのアスベスト使用状況に対する不安が、多数寄せられています。また、近隣建物の補強工事や解体工事にともなう、アスベストの飛散に対する不安も広がっています。

 わが党議員団にも、30年間ダクト設置工事に従事されていた方からの相談があり、専門医を紹介したところ、「中皮腫」であると診断が下されたとお聞きし、アスベスト対策の緊急性と重大性を痛感しているものです。

アスベストは、90年代まで盛んに使用されており、健康被害は拡大すると考えられます。今後の3〜40年くらいで、中皮腫患者が新たに10万人発生するという予測も報道されています。さらに、建築労働者の石綿被害者に関する専門医の試算によると、現在実態がつかめていない石綿肺がんの死亡者は、少なくとも年間八千人と推定され、判明している中皮腫死亡者の十倍にもなる数です。見落とされている多数の肺がん被害者の救済に迅速で誠実な対応も求められています。

わが党国会議員団は、アスベストの健康被害について、70年代から一貫して国政の重要問題として取り上げ、健康被害や環境対策を国会で追及してきました。

 京都府議会でも、85年2月議会で、国に対してアスベストの使用禁止を求めること、府として建築労働者などの検診を実施することを求めましたが、当時の衛生部長は、環境庁が「一般の人々へのリスクは少ない」とした点だけを強調し、積極的な対応を行いませんでした。

この時期、全京都建築労働組合などが研究者とアスベスト製品の切断実験を行い、NHKがこれを放送する中でマスコミがとりあげはじめ、さらに87年、わが党の質問で、庁内に「アスベスト問題連絡会」がつくられましたが、96年以降は、会議も開かれないまま、今日の事態に至るまで放置されて来ました。

再度、03年2月議会でアスベスト問題を追及したときに、府は「国民の安全や社会経済にとって、アスベスト製品の使用がやむを得ないもの」とし、アスベスト使用者に対して、飛散防止措置の周知・啓発を図るというだけの対応でした。

わが党のこれまでの指摘が真摯に受け止められなかったことは、非常に残念と言わざるをえません。

アスベスト問題が長期化し深刻化してきた責任は、利益優先のために製造と使用を進めてきた企業と、危険性が明確になっても使用や輸入を規制せず放置してきた国にあることは明確です。しかし、今日まで放置してきた京都府の責任も、重大といわざるをえません。

 さる7月15日、わが党議員団は、京都府に対して「アスベスト(石綿)対策に関する緊急申入れ」を行い、「対策の抜本的強化」「緊急実態調査と全面禁止等の被害防止対策の実施」、「健康被害調査・救済のための情報公開と相談窓口の設置」「業者に飛散防止と従業者の健康管理、安全対策の周知徹底」をはかること、「作業者や周辺住民などの被害発生防止に万全の対策」をとること、「公共施設・学校等の再調査を実施し、完全撤去の徹底」などを求めました。

さらに7月27日の各常任委員会で、いっせいにアスベスト問題を取り上げ、対策のための補正予算の編成を求めました。

今議会には、いくつかの補正予算とアスベスト関連の条例が提案をされており、評価しますが、私は府民の安全・安心の確保のため、アスベスト被害をこれ以上広げないように、府の実効的で緊急な対応を求めて、いくつかの質問をおこないます。

アスベストによる健康被害対策について

まず、アスベストによる健康被害に対する対策についてです。

府は、特別健診の実施と情報提供・相談体制を掲げておられますが、アスベスト暴露を受けている人の多くは、建設従事者です。当時は、危険性も一般的に知らされることもなく、簡単なマスクや手ぬぐいを着用するだけで、アスベストによる耐火被覆の吹付けもおこなわれ、改装工事では、アスベストをヘラでそぎ落とす作業さえおこなわれていました。狭い天井裏に入り配線や配管、雨漏りの確認や対策もアスベストまみれです。屋根や外壁材、各種の内装材なども電動工具による加工で粉じんを巻き上げていました。数万人と思われる現場の建設従事者に対して、検診の徹底をどうはかられますか。お答えください。

【保健福祉部長】 アスベスト特別健診は、過去にアスベスト関連事業所に就労していた方、アスベスト関連事業所の周辺に居住、又は居住暦のある方などが対象である。建設事業に従事されている方のうち、非雇用者については、労働安全衛生関係法令により、雇用主に定期健診など、健康管理を行う義務があるため、労働局にこの周知を要請していきたい。一方、個人で建設業に従事している方については、今回の特別健診の対象としたい。健診については、希望される方が、もれなく受診されるよう府や市町村の広報を通じて周知をはかる。

 

【久守】

今回の補正予算案のアスベスト無料健診では、問診とエックス線検診・読影だけですから、確度の高いCTスキャン等の二次検診は、本人に大きな負担となります。希望するすべての人にCTスキャン等の二次検診も特別健診の対象にすべきと考えますがいかがですか。

【保健福祉部長】 特別健診の範囲ですが、今回の健診は、アスベストの被害が心配な方々に、健診をまず受けていただくことが必要だろうという考え方から、緊急に行うスクリーニング検診として、問診、レントゲン検査を受けていただけるようにしたもの。精密検査が必要な方は、医療機関を紹介するともに、健康保険を利用して、CT検査等必要な検査を受けていただきたい。

 

【久守】

また、健康保険組合や事業所検診でCTスキャン等の二次検診の保障と中小企業の検診負担への支援を行うべきと思いますがいかがですか。

【保健福祉部長】 事業所における二次検診については、医師が必要と認めた場合は、労働安全衛生関係法令により、特殊なX線撮影による検査を受診させることが、法的に義務づけられており、従業員の健康を確保する立場から、検査費用は事業者負担とされている。

 

【久守】

また、健康被害の防止を考える上で、現在までに明らかになっている府内の中皮腫による死亡者113人と、現在治療中の方の職業履歴・居住履歴についての追跡調査を行い、暴露状況を把握することが必要ですが、いかがですか。

【保健福祉部長】 厚生労働省が近々のうちに、府も含め全国の中皮腫による死亡者の追跡調査を行うこととされている。一方で、現在治療中の方の症例の収集についても、厚生労働省で検討されている。

 

【久守】

さらに、京都労働局が「アスベスト問題で、労働安全衛生法に基づき指導してきた企業は、府内で四十数社」と言われていますが、企業名を明らかにさせるとともに、労働者と周辺住民の健康調査などについて緊急に実施すべきですがいかがですか。

【保健福祉部長】 府民の不安解消と安全・安心を確保するために、労働局には繰り返し情報の開示を求めている。

【久守】

検診にあたっての医療体制の拡充も必要です。診断が可能とされている呼吸器診療のある病院数は、H15年の府の資料で70病院、また、従事者の健康管理に関わる産業医の多くが開業医で呼吸器専門医が少ない状況です。少なくとも府立医大や府立病院などでの診療体制の拡充が必要ですがいかがですか。

【保健福祉部長】 府立医科大学病院や府立与謝の海病院など、呼吸器科を標榜する医療機関において、特別な診療機器や体制を組むことなく実施することができるものと考えている。なお、医療関係者や市町村保健師を対象にして、呼吸器以外の医療関係者に対してもアスベスト関連疾患に関する健診を行うこととしており、専門医療機関と連携し、より適切な診療につなげていきたい。

 

【久守】

労災認定について、時効問題等で労災補償の道を閉ざされている被害者・遺族の怒りにも答えるべきです。過去の暴露による被害は、なかなか本人で証明することは困難です、労働保険書類も10年以前に廃業解散した事業所や一人親方の名簿は残っていないとの事でした。国に柔軟な対応と法整備を求めるべきではありませんか、いかがですか。

【保健福祉部長】 労災請求については、申請場所や事実認定におきまして、「柔軟な対応が図られること」と国の方で定められたところである。また、現行の法令では、救済できない健康被害ケースについては、新たな法的措置による救済の仕組みが、現在、国で検討されていると伺っている。

アスベスト条例によって対象が拡大される解体工事に関して

【久守】

次にアスベスト条例によって対象が拡大される解体工事に関してお聞きします

 今回提案されている条例は、解体工事に当たっての大気汚染防止予防法で定める届出の面積要件を撤廃するものですが、国が準備している法改正を見込んでの提案であり、解体現場からアスベストが外部に飛散しないことを目的とされていますが問題はその実効性をどう担保するかです。

いくつかの問題があります。

ず周辺への飛散防止のための具体的な方策と周辺住民への情報公開、周知徹底が条例では書かれていません。大阪府でも同様の問題で条例改正が提案されていますが、解体事業者に対し、製造工場と同様に敷地境界における濃度の測定を義務付けるとともに、工事の情報提供のための看板などの掲示を義務付けています。

また、他府県では、罰則規定を設け所有者や解体事業者に粉じんの排出、飛散防止を義務付けています。京都府でも同様の措置や地元説明を求めるべきですが、いかがですか。

【知事】 条例案の基本は、アスベスト使用建物の解体の把握とそれに対する指導の強化が一番の眼目であり、危険性が最も高い吹付けアスベストを使用した、法の対象規模未満の建物について、事前届出を義務化し、作業基準に従った安全な施行を、その届出に従って求め、その過程で安全性の担保をしっかり図っていく。その上で、そうした状況と法令改正、国の対策の概要をふまえ、さらにアスベスト対策については、今後も徹底を図りたい。

罰則規定については、大気汚染防止法では、平成になって罰則規定の適用がない。産業廃棄物関係で高い罰則を科しているのは廃棄物防止法だが、それでも5年以下の懲役で、宇治槙島の例でも執行猶予だ。以前にこの場でも言ったが、我が国の裁判は環境犯罪に対して甘い。岩手県の例から改善傾向があるが、最高6月の懲役という大気汚染防止法の範囲の罰則で、時間をかけて裁判しているよりは、臨時緊急措置としては、公表により、いち早く府民の安心安全を守っていく方が、効果が高い。また、周知期間も考慮し、今回は見送った。なお、これらの点も含め、現在、国においては、来年の法令改正にむけ、専門的な検討が行われている。府としてその動向をふまえ、的確に対応していきたい。

 

【久守】

次に、届出による立ち会いの問題です。保健所が受付窓口になり、届出箇所すべてに立ち入り立ち会うとお聞きしましたが、現行体制で、もれなく対応できるのか疑問です。必要に応じて強化すべきですが、いかがですか。

また、解体事業者への徹底と講習が急務です。講習会が満杯で受講できない実態があります。労働局と協力して急いで進める必要がありますが、いかがですか。

【企画環境部長】 保健所の体制については、建築物の解体工事にかかる届出の受理や立ち入り検査等が円滑に執行できるよう、保健所相互間の連携や防護服などの必要な装備を含め、体制の確保に万全を期すこととしている。

 石綿作業主任者の養成講習会については、開催回数を大幅に増加していただいているが、さらに希望者が受講できるよう、京都労働局に強く要請している。

 

【久守】

さらに、条例が適用されない耐火構造でない一般住宅にあるアスベストの飛散を防ぐ対策をどのようにとられるのか。

【企画環境部長】 耐火構造でない一般住宅については、一般的には吹きつけアスベストは使用されていないが、非飛散性のアスベスト成型板の取り扱いを含め、解体工事での安全性を確保するため、国とも連携し、石綿障害予防規則の遵守など適切に対応していきたい。

 

【久守】

また、解体工事に伴う建築廃材の処理ですが、アスベスト含有製品を混入させないためどのような対策をとられるのか。お答えください。

【企画環境部長】 建設リサイクル法、石綿障害予防規則、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づき、吹付けアスベストやアスベスト含有の廃棄物を適切に分別することとされており、今後とも指導徹底していきたい。

アスベスト飛散を抑えるための緊急工事の営業への影響について

【久守】

次にアスベスト飛散を抑えるための緊急工事の営業への影響についてです。 

中小企業にとって、アスベスト対策は深刻な問題です。事業者に対して今年7月1日より、アスベスト障害予防規則で吹き付けられたアスベストの管理と除去・封じ込め・囲い込み等の措置が義務づけられました。先日お会いした方は、20年ほど前の工場増設の際、行政の指導で外部スレート内壁に耐火吹き付けを行われました。報道で心配になり、大工さんに相談すると、500万円あまりの工事費と3週間以上も工事期間が必要と言われましたが、今の中小零細企業の厳しい経営状況の中、長期の休業は死活問題になります。休日を含めて4〜5日が限度です。仕事を続けていくための特別の支援が必要です。友禅染めの蒸しや水洗浄でも、ボイラーの管や釜にアスベストが使用されているところや、重油高騰の影響もあり対応しきれないとの声も上がっています。これでは「アスベスト倒産だ」との心配が広がっているのです。

中小零細企業への支援、運転資金も含めた行政の特別の支援が緊急に必要です。本来、アスベスト企業や政府が負担すべきものですが、府の独自施策も必要です。知事は、低利融資の活用をといわれましたが、徳島県では、総額40億余円のアスベスト緊急対策予算が9月議会に提案され、アスベスト除去対策への支援措置として、中小業者が行なう工事資金などを無利子・無保証で融資枠40億円、貸付限度額5000万円の緊急アスベスト除去対策資金貸付制度を創設しようとしています、府も業者負担のない思い切った独自策を実施するとともに国への補助を強く求めるべきですが、いかがですか。

【企画環境部長】 アスベスト除去に係る融資制度は、府の低利な「経営活力融資」を設けており、これを活用されるようPRに努めている。

 

【久守】

また、アスベストを確認する検査には、現在2か月あまりかかっています。分析検査できる施設は、宇治市1機関、京都市内5機関の計6箇所で、費用も含有の有無のみで1万円程度、正確な分析なら5〜10万円程度必要とされています。京都市産業技術研究所では、X線定性分析は1件5000円ですが、依頼が多く受付を中断しています。町工場などまで含めると大変な検査量があります、迅速に処理するために、府として、検査体制や技術者支援体制をどう進めていくのかお聞かせください。

負担についても支援が必要です。長野県飯田市では、市民、事業者を問わず独自の助成を決めました。徳島県では、大気中のアスベスト量を測定するエックス線解析装置や建築資材に含まれるアスベストを調べる位相差顕微鏡を購入し、独自の検査体制を整備。また、管理者講習などへの助成の予算を組みました。国に対して補助を強く求めるとともに、独自施策の実施をすべきです。いかがですか。

【企画環境部長】  民間建築物については、国の調査に加え独自の調査を実施しており、吹付けアスベストを使用している旨の回答のあった施設について、現地調査を行い、国とも連携して除去・封じ込め等の対策を指導することとしており、必要な予算を今議会にお願いしている。 

 

【久守】

最初に指摘しましたが、今日までアスベスト被害を放置拡大してきた根本的責任は国と企業にあります。治療法の開発を含め、国と企業にその責任を果たすように強く求めるべきではありませんか。お答えください。

【企画環境部長】 すでに、全国知事会、近畿ブロック知事会において、他の府県とも連携し、緊急被害対策やアスベストの関連事業の情報開示等の緊急要望を行っているが、今後とも総合的な対策の実施について、強く要望していきたい。

 

【久守】

現場労働者の健康診断の問題ですが、事業主の責任と一般健診との関係もあるわけですが、これまでに大変多くの方が、仕事にたずさわってこられたということがある。数万人の建設事業者は、本当に今、不安な思いがある。また、現在勤めておられる方も含めて、事業所での健診がなかなか難しいという方も多くおられる。今回の補正予算では、(予測として)6千人余りと聞いているが、希望者が多いときには予算措置を行われるのか。

【保健福祉部長】 今回実施する特別健診の受診者が多くなった場合には予算も含め、適切に対応していきたい

【久守】

健診は、年数回のくり返しが必要といわれている。府民の目線で、安全安心を確保するために、今後ともぜひ、実施をするよう要望します。

アスベストの飛散を抑える緊急工事での営業の問題でも、中小零細業者は、大変厳しい状況の中で営業を続けています。低利融資では、大変大きな負担だと感じておられます。ぜひ、積極的に無利子・無担保・無保証の制度創設を要望します。

 

悪質リフォーム問題について

【久守】

次に悪質リフォーム業者への対応についてお伺いします

 高齢者に不適切な契約を結ばせ、高額の負担を押し付ける悪徳リフォームの問題は依然として深刻です。最近では、アスベスト問題の広がりに乗じて「お宅の台所にアスベストが使ってある。直さなければ危ない」などと言って見積もりを迫る業者に、「どう対応すればよいのか」との相談もありました。全国でも、「台風による浸水被害で家屋調査に来た」と、行政の名をかたった訪問やアンケート調査、診断士と称して「地震が来る前に点検に来た」など新たな口実による被害が後を絶ちません。

 政府も、悪質リフォーム問題は、住宅リフォームの活性化や耐震改修の推進を阻害するものとして対策は重要との観点から、過去に特定商取引法で行政処分を受けた業者の公表に踏み切り、対策検討委員会を設置しました。対策委員会は、建設業法に基づく事業者への指導監督の徹底、また住宅リフォームに関する情報提供の強化等総合的な対策が検討され、営業停止などの行政処分も実施できるように検討に入っています。

京都府でも昨年一年間で、関連の相談が生活科学センターだけで599件ありました。今年7月に行われた欠陥住宅京都ネットの相談には、悪質リフォーム相談だけでも22件。京都府警は、8月末で30件、15名を特定商取引法違反等で検挙しています。

そこで警察本部長にお聞きします。今後、被害を防止するためには、徹底した啓発や取り締まりが必要と考えますがいかがですか。

【警察本部長】 積極的な広報啓発活動により、被害の拡大防止を推進することが重要であるため、府民だよりや府警のホームページなど、各種の広報媒体を活用した啓発活動や交番の警察官や地域ボランティアによる高齢者宅への訪問活動、警察署が発行する地域安全ニュースや交番便りなどの高齢者宅への配布など、きめ細かな活動により高齢者の方々が被害にあわないための諸対策を推進している。今後とも、府の消費生活科学センターをはじめ、関係機関との連携を強化し、早期検挙に努めるとともに法人や代表者の責任を追及し、関係機関に行政処分を求めるなどにより、悪質業者の排除を徹底していきたい。

 

【久守】

府の情報弱者の高齢者への情報伝達は、まだまだ不十分です。悪質業者の公表などにとどまらず、医療機関や福祉機関などを含む高齢者の生活のあらゆる場で、被害防止のための広範囲で積極的な啓発活動が必要ですが、いかがですか。

【商工部長】 悪質リフォームの被害は、本人が被害にあっているかどうかわからないケースもあるため、地域におけるきめ細やかな見守りの強化が重要であり、府内100人の「くらしの安心推進員」による「悪質リフォーム見守り隊活動」を実施し、身近なところでの声かけを行っているところ。また、地域の民生委員や介護などに従事する福祉関係の皆さんと連携し、地域での啓発を強化するなど、関係機関や市町村と一緒になり、被害の未然防止や早期発見、早期救済に努めている。

住宅のリフォームや耐震改修について

【久守】

京都府は、高齢者や古い住宅が多く、リフォームや耐震改修等の要望と必要性が特別に高い地域です。にもかかわらず、気軽に安心して相談できる窓口やネットワークが少ないのではないでしょうか。県が直接「耐震診断」の実施をした埼玉県では、相談に訪れた多くの方が「知らない業者は不安で怖い」と安心で信頼できる窓口の充実を求めておられます。

福祉関係者、耐震診断士、増改築相談員、福祉住環境コーディネーターなどを活用した安心して受けられる身近な住宅相談や耐震相談などの窓口のネットワークが必要ですが、いかがですか。

【土木建築部長】 京都府住宅供給公社の住宅相談所において、耐震改修等の住宅リフォームに係る技術的な問題等の相談に対し、建築士や弁護士が対応するとともに、専門家による工事内容の確認が必要と判断される場合には、建築士を無料で現地に派遣することとしている。また、消費生活トラブルを含めた事案については、消費生活科学センターと連携し、的確な対応に努めている。

【久守】

また、安心してリフォームや耐震改修が気軽に実施できるように、京都府として独自の思い切った政策が必要です。その点からも、従来からわが党が提案し、建築関係者や多くの府民から実施が求められている「住宅改修助成制度」の早期実施が求められています。既に実施された府内の自治体では、地域経済にも貢献し、大きな成果を挙げています。いかがですかお答え下さい。

以上で、私の質問を終わります。ご静聴ありがとうございました。

【土木建築部長】 バリアフリーや省エネルギーなどの政策課題に応じ、融資制度を設けるなど適切に対応していている。