梅木紀秀(日本共産党、京都市左京区)  2005年9月30日

本府の「社会的ひきこもり」に対する支援について

【梅木】

日本共産党の梅木紀秀です。通告しております数点について、知事ならびに関係理事者に、一括して質問します。

まず、「社会的ひきこもり」についてです。

私が議会で、はじめてこの問題を取り上げた2000年当時、京都府に専門の相談窓口はなく、質問しても責任を持って答弁をする部局がないと言う状態でした。その後、厚生労働省による調査研究が開始され、2003年に「ひきこもり対応ガイドライン」が示されて、精神保健の部局が対応することが明確になりました。NHKも、2003年から「ひきこもりサポートキャンペーン」にとりくみはじめるなど、青少年事件との関連でも、ひきこもりが大きな社会問題として注目されるようになりました。

京都府においても、2003年度350万円、2004年度300万円と、支援策検討のための予算が組まれ、本年度、はじめて支援事業費として830万円が組まれました。また、今議会に、「青少年の社会的自立支援プラン・中間案」が示されました。今後の展開に期待するものですが、もっと急がなければ、という思いを込め、「自立支援プラン・中間案」を念頭に置きながら、「京都府が何をしなければならないのか」に焦点を当てて、いくつか提案し、答弁を求めるものです。

昨年11月、茨城県土浦市で、27歳の青年が、自宅で、両親と姉の3人を殺害するという痛ましい事件が起こりました。青年は、専門学校中退後、9年間、自宅に引きこもったままの生活で、将来を悲観し、「自分の居場所が無い。家族を殺すしかないと思った」と供述しています。9年間、この青年と家族はどんな思いで、過ごしてきたでしょうか。この青年や家族に、何らかの支えがあれば、事態は変わっていたのではないだろうか、と強く感じるのです。

厚生労働省の「ひきこもりガイドライン」を作成した研究班の主任研究員、国立精神・神経センターの伊藤順一郎氏は、「家族を支えることが、ひきこもり支援には不可欠であり、家族の関係にゆとりができたときに、本人の行動にも変化がおきる。本人にとっては、居場所の確保、応援者との出会いが大切なポイントとなる。」と語っています。そして、「公的機関は、情報提供の基地になり、多彩なサービスをつなげる機能を高めていくことが必要である」と指摘しています。

京都府が把握する「ひきこもり」の青年を支援する民間団体は19団体で、家族の相談を含め、390人が何らかの形で支援団体につながっています。しかし、京都府内の「ひきこもり」の青年の数は、推計で8千人ですから、大半の青年が、支援の枠の外で悩んでいると言うのが実態です。昨日も、府民労働部長が、「支援の手が及んでいない」と答弁されたとおりです。早急に支援の手を広げていくことが必要です。

 そこで、第一の問題は、民間支援団体の数が19では、随分少ないわけで、これを増やし広げていくために、何が必要か、京都府に何が求められているかということです。私自身いくつかの支援団体を訪問して、お話をうかがいましたが、支援団体が行政に求める第一の課題は、財政的支援です。

障害者の共同作業所には、年間100万円、一人当たり月額6万4千円の補助がありますが、障害者ではない「ひきこもり」の青年に対しては行政の支援はありません。このため、多くの支援団体の活動経費は家族の負担になっています。ある支援団体の場合、「居場所」の家賃が月10万円、活動費やスタッフの人件費をまかなうために、1家族年間6万円の会費を出し合い、さらに週3回「居場所」へ通う場合で、月6万円の利用料、来所相談の場合1時間5千円、訪問指導の場合1回1万円、家族会への参加費は1回2000円など、家族に相当な負担がかかっています。それでも、スタッフのみなさんに十分な収入が保障されるわけではありません。公的な財政支援が必要です。

全国的に、こうした支援団体や親の会の願いにこたえて、行政の支援が前進してきています。滋賀県では、今年7月1日にオープンしたひきこもり専門の「居場所」に、障害者の共同作業所と同じ基準で、管理費年100万円、運営費一人月7万3千円が補助されることになりました。また、和歌山県では、支援団体に、運営費補助のほか、訪問指導のための交通費などを補助しています。

本府でも今年度、ジョブトレーニング支援事業などの予算が組まれ、一歩前進と歓迎されていますが、大半のひきこもり青年が支援の枠外にあるという現状を打開するためには、思い切った財政支援が必要です。障害者の共同作業所と同様に、新たに、ひきこもり青年の支援団体や「居場所」つくりへの補助制度をつくるべきです。知事の答弁をお願いします。

次に、公的な機関の相談窓口の充実についてです。支援団体の相談窓口が充実されたとしても、ひきこもりの当事者や家族が一番相談しやすい窓口は、身近な保健所です。しかし、ある支援団体のメンバーの評価では、地域の保健所にひきこもりの相談にのれる専門性があるだろうか、と言うことでした。また、家族や本人の相談を受ける場合、まず相談者に寄り添って、じっくり話を聞くことが大切で、自分たちはそうしているが、保健所に行くと、「心理判定を」と対応を急いでしまう例が多い、と問題点を指摘していました。

NHKテレビでも紹介されていましたが、和歌山県田辺市では、ひきこもりについての専任の職員を2名配置し、ひきこもり専門の相談に当たるとともに、相談者を支援団体につないでいます。ちなみに、昨日の答弁で、京都府の3ヶ月の相談実績が86件と言うことでしたが、田辺市の相談件数は昨年度1年間で、1097件です。人口7万人の一つの市の数です。京都府の場合も、専門・専任の職員を配置し、各保健所の職員や支援団体のスタッフの研修や事例相談に当たるなど、体制を強化すべきと考えますが、いかがですか。

第3に、関係機関や支援団体の総合調整機能の強化についてです。今年度予算で「ひきこもり支援ネットワーク推進事業」が組まれていますが、支援団体のネットワークを構築し、それを機能させていくためには相当な労力が必要です。支援団体は、それぞれの支援活動だけで手一杯というのが実情ですし、それぞれに運営に当たっての思いや個性があります。個性を大切にしながら、全体としてネットワークを強化していくことは簡単ではありません。府の担当職員が、コーディネーターとしての役割を果たすことが必要です。また、学校や教育委員会との連携、保健や福祉、さらに就労支援の機関など行政機関との連携強化も重要です。これらの総合調整に当たる専任の職員を配置し、青少年課の体制を強化すべきと考えますが、いかがですか。

【知事】 青少年の社会的ひきこもりについては、私は、ひきこもり対策については、本人はもちろん、ご家庭の苦しみを思い、青少年対策の重要な課題と位置づけ、相談事業やネットワーク事業などの施策を推進するとともに、今年度は更に施策を具体化し体系化を図るため、共同作業所や親の会など、実際に居場所づくりに取り組んでいる方々にも参加して頂き、アクションプランの策定に取り組み、中間案をとりまとめて頂いたところです。原因や内容が多岐にわたるひきこもりに対しては、一人一人のおかれる状況が異なりますだけに、状況に応じた支援が必要で、数多くの民間支援団体の関係者による熱意と地道な努力により、家族の負担を和らげ、本人の自立につながる様々な取り組みが行われています。こうした活動を促進するためには団体間のノウハウの共有や、情報交換の場づくり、相談機関等との連携の強化が課題であり、検討委員会においても民間支援団体等の特性をいかしながら、行政との連携を推進する仕組みづくりが議論されています。

団体への支援についても、団体の自主性や自立性を損なわず、活性の促進や育成の視点から行うこととしており、これまでから社会体験やジョブコーナーによる就労体験、さらには支援サポーターの育成など、民間支援団体と事業連携するなかで取り組んできました。プランでは更にこの強化を検討中であり、また、相談体制については、アクションプランでは、ひきこもり相談支援センターの機能強化をするとともに、具体的にはカウンセリングやソーシャルワーク等の充実など、NPOとの連携のもとに、本人や家族のニーズに応じた社会参加をサポートすることを盛り込んでいます。それとともに、昨日近藤議員の質問にも答えましたように、今多くの問題が、家庭で複合的に起きている状況をとらえ、各機関が連携してワンストップで対応できるような総合的相談支援体制の確立を図り、きめ細かな対策を講じていきます。多くの皆様、特にひきこもりから立ち上がった皆様の経験などをもとに、青少年のひきこもりからの自立を支援し、家庭の安心と安らぎを確保する施策を府民の皆様とともに推進していきます。

発達障害者への支援体制の充実を

【梅木】

次のテーマに移ります。発達障害者への支援についてです。

本年4月1日に「発達障害者支援法」が施行され、支援体制の整備が喫緊の課題となっています。同法は第2条で、「発達障害とは、自閉症、アスペルガー症候群、その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、その他、これに類する脳機能の障害があって、その症状が通常、低年齢において発現するもの」と定義しています。自閉症をはじめとした発達障害は、脳機能全体に障害があるわけではなく、一見してわかりにくいために、これまでは、障害者としての支援の対象になっていませんでした。しかし、人と視線を合わせようとしない、人と興味を共有しようとしないなどコミュニケーションに障害があり、興味関心にかたよりやこだわりがあって、思うように行かなければパニック症状をおこすなど対人関係に障害があるのです。このため、まわりからは「変な子だ。わがままな子だ。親の育て方に問題がある」などとされ、発達障害児および家族は大きな負担を強いられてきました。また、学校では、いじめの対象になり、不登校やひきこもりになる例も多く、ある専門家は「成人した発達障害者の6割はひきこもり状態にある」と指摘しています。私の身近にも、就職できず、家に閉じこもったままという発達障害を持った青年がいます。そこで、先に質問した「社会的引きこもり」の問題とも関わって、発達障害者への支援体制の整備・充実についてうかがいます。

支援法は、第3条で、国及び地方公共団体に、発達障害の早期発見、就学前の発達支援、学校における発達支援、成人した障害者に対する就労支援、地域における生活支援、家族への支援を行うよう求めています。いずれも保護者や親の会のみなさんが要望してきた大切な課題です。本府においては、今年度「発達障害者支援体制整備検討費」として100万円の予算が組まれていますが、どこまで検討がすすんでいますか、現状をお聞かせください。また検討委員会のメンバーに、保護者や親の会の代表などを加えるよう求めてきましたが、どうなっていますか。

また支援法は、第10条で「就労の支援」、第11条では、「社会生活への適応のために必要な訓練を受ける機会の確保」、「共同生活を営む住居の確保」、第20条では、「民間団体の活動への支援」など、具体的に明記されています。いずれも、保護者や支援団体から要望の強い事項であり、早急な手立てが必要です。どう具体化していくのか、考えをお聞かせください。

次に、支援法では、発達支援の中核施設として発達障害者支援センターを都道府県知事の責任で設置するよう定めていますが、全国では、昨年までに、19都道府県に20箇所設置されており、今年度予算で、新たに16箇所設置され、計36の支援センターが活動することになります。各県の支援センターのホームページを見ると、乳幼児期から成人期まで、各ライフステージに対応したサービスメニューが整えられています。これに比べて、京都府は随分遅れていると言う不満をあちこちで聞きますが、どうなっているのですか。なぜ、遅れているのか、その理由と、見通しについてお聞かせください。

次に、早期発見のためには、専門医への受診が何よりも大切です。ところが、京都府のこども発達支援センターでは、申し込んでも1年の受診待ち、京都市も、待機者が500人もいるということです。これでは「早期発見」などできないではありませんか。早急な改善が必要です。どうなっていますか。お答えください。

【保険福祉部長】 発達障害者支援体制の検討状況について、発達障害者支援法が今年4月から施行され、この教育委員会や市町村との協議、当事者団体との意見交換をすすめてきたところであり、ライフステージに応じた支援の在り方を検討するため、近く発達障害者支援体制検討委員会を設置することとしている。この検討委員会には医療、保険、福祉、教育及び労働など、各分野の専門家とともに、当事者のご家族の方にも参画して頂きたいと考えています。

発達障害者の支援については、子ども発達支援センターを設置し、これまでから広汎性発達障害児等の診断や療育に取り組む他、地域の療育活動にも取り組んできたところです。また、ひきこもり相談等も実施しています。今回設置する検討委員会でのご意見もふまえ、法に規定された総合的な支援の在り方や、これまでの府の体制を強化する発達障害者支援センターの在り方について検討していきます。

発達障害にかかる専門医について、これを担う児童精神科医は全国的に極めて数が少ないなかで、子ども発達支援センターにおいては、児童精神科医や臨床心理士を新たに増員して診療体制の確保に努めている。専門医の養成については、一都道府県が対応するのは大変困難ななかで、国に対し引き続き要望を強めるとともに、府立医大との連携のなかで、診療体制の確保を図っていくこととしています。

発達障害児への特別支援教育に必要な教員増員を

【梅木】 

最後に、発達障害児への特別支援教育について、教育委員会にお尋ねします。

LD、すなわち学習障害やADHD、すなわち注意欠陥多動性障害など、特別な支援を要する子どもたちは、文部省の調査で6・3%、1クラスに数人、全国的には60数万人いるといわれています。ある児童のお母さんの話を紹介します。「ADHDと言う診断を5歳のときに受け、就学相談を3回ほど受けたが、『特に知的な遅れも、身体的な遅れも無い。通常通りの学級へ』と判断されて小学校に入学した。ところが、入学して10日後に校長先生から呼び出しを受け、問題行動を列挙して、『こういう行動を取るのは親の責任』と言われて、親もいっしょに学校へ通うことを求められた。2年生になって、その子が原因で不登校になった子どもさんが出、本人も、他人の文房具を窓から投げ捨てるなど、2次的な行動障害を起こして、不登校になった、とのことです。十分な手立てが取られなければ、混乱が深まるのです。発達障害のある子どもを「困った子」としてとらえるのではなく、「困っている子」としてとらえ、教育的な支援を強化することが求められています。そのために必要な条件を整備することが教育委員会に求められているのです。

文部科学省は、本年4月1日、知事並び教育長に「発達障害のある児童生徒等への支援について」通知していますが、その中で、@専門家チームの設置と巡回相談の実施、A「校内委員会」の設置と「特別支援教育コーディネーター」の指名、B「個別の指導計画」および「個別の教育支援計画」の作成を指示しています。

この通知のとおり、特別支援教育を充実させるためには、当然、教員の増員が必要です。ところが、文部科学省は「既存の人的・物的資源の配分についての見直し」で対応するとしています。

現在、障害児学校や障害児学級で学ぶ子どもは10数万人です。これに対して、新たに「特別支援教育」の対象となる発達障害児は、60数万人です。数倍の人数です。教員も予算も増やさずに、「特別支援教育」の所期の目的が達成されるでしょうか。まず、この点について、教育長の考えをお聞かせください。

現に、学校によっては、4回の養成講座を受けただけで、教務主任や通常学級の担任を「特別支援教育コーディネーター」に指名する、こんなことがやられています。これでは、所期の目的は達成されません。どの学校にも専任の「特別支援教育コーディネーター」を配置すること、また、専用の「特別支援教室」を設置し、通常学級に通う子どもたちに、必要に応じて特別の教育的ニーズに応えた指導ができるよう、条件整備をすすめるべきです。

さらに、養護学校では、巡回指導に出る先生の不足分を、残りの先生でカバーしていますが、回数が増え、肝心の養護学校の子どもたちの教育に支障が出ています。事故にもつながりかねません。保護者の中からも、わが子にしっかり手が当てられていない、と言う声があがっています。必要な人員配置を文部科学省に求めるべきです。また、京都府独自に増員すべきです。教育長の答弁をお願いします。

以上で私の1回目の質問を終わります。

 

【田原教育長】 特別支援教育について、LD、ADHDなどの発達障害を含め、障害のある児童生徒、一人一人の教育的ニーズに適切に対応する教育をすすめる為には、各小中学校において、校内委員会の設置など、校内での支援体制を整備することが重要と考え、国に対して教職員定数配置を含め、必要な財源上の措置を要望しています。現在、国においては中央教育審議会に特別支援教育特別委員会が設けられ、特別支援教室の在り方も含め、小中学校における制度的見直しについて審議が行われるとともに、次期、教職員定数改善計画については、発達障害のある児童生徒に対する指導や盲・聾・養護学校におけるセンター的機能の充実に関する教員定数についても検討されているところです。府教育委員会としては、これらの動向をふまえながら、引き続き必要な措置を国に要請するなど、特別支援教育体制の整備にむけ適切に対応していきたいと考えています。

尚、養護学校で実施している巡回相談等の地域支援については、授業時間数の制限等の府の独自の措置を行いながら実施しており、校長からは、こうした取り組みによって、医療・福祉等、関係機関との連携が深まるとともに、教員の専門性の向上も図れると報告を受けており、養護学校における教育の充実に寄与していると考えている。

 

【梅木】

ひきこもりについて、私は、アクションプランを見た上で、建設的に、前向きに財政的な支援を、支援団体のみなさんが求めているのだから、これについて、何か一定の方向を出すべきでないのか聞いているのです。このことについて府民労働部長がお答えになるのかと思い待っていたが、財政的支援についてどうなのか。体制を充実するために相談の部門で職員を充実させる、それから、青少年課の方でコーディネートしていく部分で充実させていくという面で質問をしているんです。昨日も知事は、必要なところには職員もお金も出すという方向での答弁だったと思うので、ひきこもり、発達障害など大変社会問題になっている問題について、財政支援、職員の配置、体制強化が必要ではないかと質問しているので、もう一度知事に答弁をお願いしたい。

発達障害者の支援については、センターの建設等を急いでほしいと思います。これは社会的ひきこもりの青年に対する支援していく上でも大きな役割を果たすと思います。多くのみなさんの要望もあり、急いで頂きたい。

特別支援教育について、国の方で、来年の特別支援教育関係の教員の増員が、今のところ要求しているのが、小学校で77人、中学校で58人、養護学校で32人ということですね。小学校は万の単位であるのに77人しか言えない、こういうことでは、特別支援教育の体制ができたが、充分なものにならないということになっているわけです。先生を増やすこと無しに目的が達成できるのか、必要な人員配置しなければならないのではないか、このことについて教育長の考えをもう一度お聞かせください。

【知事】 団体への支援については、アクションプラン中間とりまとめの段階ですから、これから府議会のみなさま、それからパブリックコメントを通じて意見を聞きながら、施策の体系を練り上げていきたい。その中では基本的には、団体の自主性を損なわず活動を促進する観点から、民間支援団体との事業を連携・協動する、こういう姿勢を強化していく方向がいかされていると考えています。

 相談体制につきましては、具体的にカウンセリングやソーシャルワーク等の充実等をNPOとも連携しながらやっていきたいと考えています。

【教育長】 障害児教育から特別支援教育への転換については、制度の根本的な転換でありますので、制度の基盤となる教職員配置等の条件整備を行うことは国の責務と考えています。現在、中央教育審議会でこの制度の見直しの全体像等について検討していますので、府教育委員会としては国に対して必要な要望をしっかり行いたいと考えています。

 

【梅木】

財政的支援についても、人的配置についてもぜひとも検討して強化をして頂きたいと思います。最後に要望ですが、私自身が、30年前になりますが、亀岡市役所に勤めたのが1976年、この時に障害者の青年学級を担当しました。その時に、養護学校の卒業生、障害児学級の卒業生名簿を持って亀岡市の中の青年を訪問しました。卒業後に障害を持った青年達は、就職する場がなく、ほとんど家に閉じこもっていた状態でした。それで親の皆さん方が、ぜひ働く場を、また交流の場をということで、京都府が障害者の青年学級をつくる、または共同作業所に補助制度をつくるということになりました。昭和51年、私が亀岡に入った時に初めて共同作業所に対する補助制度ができ、亀岡にも昭和53年にプレハブでしたが共同作業所ができました。その後、作業所への補助金、体制などもでき、随分発展している。私が初めて訪問した時に家にいた青年の顔は本当にどんよりしていました。ところが、共同作業所に行って働きはじめた時に、お互いに役に立つ仲間がいる、自分もここに居ていいんだ、生きていていいんだという思いが青年達の目を輝かせ、今いきいきしている。そういう姿を見ることができると思います。そういう意味で私は、今閉じこもっている青年に対して、しっかりと支援をしていく、特にそれを民間団体の方がされておられる、その方々が財政的支援をとおっしゃっているので、特にここのところは、京都府として国にも先駆けて補助する、支援する体制をつくって頂きたい。このことを改めてお願いして私の質問とします。