島田けい子議員 一般質問 2006年7月6日
国・製薬企業の責任認めた薬害C型肝炎大阪訴訟判決
府は、ウイルス性肝炎の治療体制の整備と患者支援強化を
【島田】日本共産党の島田けい子です。先に通告しています3点について、知事並びに関係理事者に質問します。
まず、薬害肝炎対策についてです。
6月21日、薬害C型肝炎の集団訴訟で大阪地裁は、国と製薬会社の責任を認め、損害賠償の支払いを命じました。感染時期で線引きをし、一部原告を退けたのは不当ですが、国の薬事行政の責任、違法を指弾するはじめての判決です。先立って、B型肝炎ウイルス感染でも国の責任を認めました。C型肝炎、B型肝炎の感染者はあわせて約350万人に上り、毎年、5万人が肝硬変や肝がんで命を落としています。「なんら落ち度がないにもかかわらず、深刻な被害を受けた」と判決は指摘しました。政府の責任は、裁判で認められた人にはとどまりません。
判決は、1987年4月の青森県の産婦人科医での集団感染が発覚した時点で、「肝炎感染の危険性は明確」になっていたと指摘、その上で、「国が承認取り消しなどの規制権限を行使しなかったのは、著しく不合理で違法」と判断、同月以降に投与された原告について国の過失を認めました。製薬会社については1985年8月以降を違法としましたが、肝炎ウイルスを不活化する方法を変えたが、その新しい方法は効果がなく、むしろ感染の危険性を増すことになったとして、過失を認めたものです。
また、判決は、60年代、70年代の国の行政責任についても厳しく指摘しています。六四年の製造承認について「臨床試験がずさんであった」とし、77年、米国食品医薬局が製造承認を取り消した際、厚生省が何の対応もとらなかったことについて、「医薬品の安全性を確保するという立場からは程遠い、お粗末な面が認められ、その意識の欠如ぶりは非難されるべき」とまで指摘しました。このような判決を前提とすれば、国と製薬企業は本判決で指弾された法的責任に基づき、すべての薬害C型肝炎罹患患者を救済することはもちろん、すべてのウイルス性肝炎患者の被害回復のための恒久的対策を一刻も早く実現すべきと考えます。
私は、2003年9月定例本会議で、フィブリノゲン納入医療機関の公表や医療体制の確立、医療費助成、生活保障の対策、肝炎検査の無料化など総合的対策を求めました。その翌年12月9日には厚生労働省がフィブリノゲン納入医療機関を公表、2005年2月定例会ではわが党の松尾孝議員が「カルテや医療記録の保管とカルテ開示」を含め、C型肝炎対策の強化を重ねて求めました。判決をうけて、あらためて、知事として、国に対し、経過の徹底究明と検証、再発防止、新薬承認制度と再評価制度の見直しなど医薬品の安全性、有効性の厳格な審査、そして、患者救済のための、治療体制の確立、医療費や生活支援、検査体制の整備など強く要請していただきたいと考えます。いかがですか。
具体策について何点か、うかがいます。
昨年、行われた原告62人に対する薬害肝炎被害者実態調査では、4割の被害者が、離婚や、退職、転職による収入の激減、出産をあきらめるなど人生設計を大きく狂わされ、総額数百万を超える医療費の負担に苦しんでいる人が九割にのぼり、偏見、差別を受けた経験がある被害者が四割もあるなど深刻な結果が明らかになりました。
そこでうかがいます。
第1に、2004年の公表で、京都府内では168医療機関でフィブリノゲン納入実績が明らかになり、当時は2700件もの相談が殺到しました。今回の判決をうけ京都府として改めて、相談窓口を開設すべきと考えます。
また、医療機関の協力をえて、患者の追跡調査を行い特定された患者に対する投与事実の告知、肝炎検査を勧奨し、早期治療の体制をつくることです。
第2に、ペグインターフェロン、ビバビリン併用療法などの最先端の治療を自己負担なく受けられるようにすることです。
第3に、生活支援も緊急課題です。高齢で年金暮らしの感染者も多く、就労も困難です。福祉医療制度の適応など検討をいただきたいと考えます。
第4に、肝がんや肝炎治療の拠点病院の整備など専門的治療の体制を確立し、広く患者、府民に情報提供することです。
第5に、エイズ検査と切り離して、肝炎検査を無料で行うことです。
第6に、ウイルス性肝炎の正しい知識を普及・啓発し、特に就職や就学差別に対し、偏見、差別に対しをなくするための取り組みを強化することです。いかがですか。
【知事】肝炎対策だが、京都府ではこれまでから、相談窓口の設置や医療機関への肝炎治療の手引きの普及を通じた受診環境の1整備等積極的に対策を推進してきたところであります。さらに、国に対しては、C型肝炎感染にかかる継続調査の実施、感染者の実態を踏まえた適切な対応、検査体制の整備充実などC型肝炎の総合対策の推進を強く求めてきました。
この間、国においては血液等を原料とした医薬品について原料基準の強化や承認要件の厳格化を行なう等、安全対策を総合的に推進するための法改正や、感染被害者の救済制度の創設が行なわれるなどの措置が講じられて来たところであります。
しかしながら、感染被害者の救済については、対象者が限定されているなど、問題も残されていることから、引き続き府民の安心・安全を確保するため、先日行なわれました、政府予算に対する提案と要望の中でも、早期発見早期治療の普及啓発補助の創設、検査体制の整備充実、保健所が実施するC型肝炎単独検査等に対する補助制度の創設、フィブリノゲン製剤によるC型肝炎の継続調査の実施と感染者への対応、慢性肝炎患者も含めた救済制度の確立等について要請をおこなったところであります。
【保健福祉部長】 肝炎対策についてですが、一昨年12月にフィブリノゲン製剤にかかわる医療機関名が公表されて以来、引き続き相談窓口を設置、開設し、府民からの相談に適切に対応してきたところであります。今回の大阪地裁の判決以降も相談が寄せられており、引き続き親切丁寧に対応しているところであります。
また、患者さんの相談も踏まえ、公表された医療機関に対しましては、カルテをはじめてとする各種の資料に基づき、当時の状況を可能な限り確認すること。カルテの開示や検査の実施等について情報提供、相談に応じるよう指導をしてきたところでございます。
一方、肝炎治療については、肝炎治療の手引きを作成するなど、地域の医療機関で幅広く取り組んで頂けるよう保健所において府立医科大学等専門医療機関を紹介する体制を整えているところであります。また、近年新たな治療法や投与期間の延長等保険適用の範囲が順次拡大される中で患者負担の軽減がはかられているところであります。
なお、医療費の公費負担につきましては、責任の所在を明らかにしながら別個の観点から負担の問題を考えるべきと考えております。
さらに、C型肝炎啓発パンフレットにより府民への情報提供や正しい知識の普及啓発に努める一方、単独の肝炎検査については既に早期実施にむけて準備を進めているところであります。
【島田】C型肝炎対策について審議を通じて国の行政責任がはっきりしました。国へも適切な意見をあげて頂いているようだが、京都府としてできるところから直ちに検討する、そのために知事自ら一度患者原告団の要望、声を聞く機会を設けてはいかがかと思います。その決意が知事にはおありになりますか。合わせてお聞かせ下さい。
【保健福祉部長】C型肝炎対策についてだが、今後とも幅広い皆様方のご意見を聞きながら、取り組みを進めて参りたいと考えております。
府立医大付属病院のがん診療連携拠点病院化
拠点病院にふさわしい体制の構築が必要
【島田】次に、がん対策についてです。
先の国会で、がん対策基本法が全会一致で成立しました。本府も、府立医科大学付属病院を都道府県がん診療連携拠点病院として指定し、2次医療圏域ごとに地域がん診療拠点病院を整備する方向をうちだしました。私は、昨年九月定例会で、具体的ながん対策について質問要望をいたしました。重複を避けていくつか提案をふくめうかがいます。
今年、3月25日「京都府のがん医療 今日と明日―医師に聞く がんを宣告されたとき」と題してがんシンポウムが開催されました。大阪成人病センターや府立医科大学山岸現学長、京都大学、市立病院などから現状と課題が報告され、会場からは、がん患者の苦しみや肉親を支える家族の悩みご苦労などが語られるとともに、早期発見、早期治療の体制、気軽な相談窓口の設置、医療機関の連携、緩和ケア病棟の設置などの切実な声が出されました。府立大学、京都大学の枠を越えたネットワークの確立や開かれた拠点病院の整備に対する意見交換も活発に行われました。
さて、私の知人は、すい臓がんとたたかっています。彼は、体に違和感を感じ、地域の診療所にかかったのですが、医師はがんを見抜けず、結果的に半年もがんの専門的治療が遅れました。もっと、早く分かっていればとの怒りの声をあげておられます。その経験から、彼は、地域がん登録や院内がん登録システムを整備し、診断のためのマニュアルの整備や、最先端の医療の情報を医師だけでなく、患者も含めて共有できるようなシステムを早期につくってほしいと切々と訴えました。そこでうかがいます。府立医大病院の整備の方向はすでに、国からも示されていますが、拠点病院にふさわしい体制を構築していただきたいと考えます。
第1に、今議会に提案された相談支援センターを患者の立場にたったよりよいものにしていただきたいのです。がん告知を受け、治療のあらゆる段階で不安と苦痛を余儀なくされる患者が、医師に気兼ねなく、安心して治療方法を選択できるよう、セカンドオピニオンを制度化すべきと考えます。第2に、府立医大病院でこの間、外来化学療法部や疼痛緩和医療部が設置されましたが、多くが兼任体制であり、不十分です。先に紹介した友人は、府立医大病院で緩和ケアを希望したものの、入院患者で手一杯とことわられ、京都府内に適切な緩和ケア医療の施設がなく、遠く他府県の病院へ行きました。抗がん剤治療は外来、通院治療が主流になりつつあります。外来患者への緩和ケアを充実強化するとともに、緩和ケアの病床を確保し、抗がん剤の副作用の苦痛を緩和するため、治療後2〜3日入院して経過観察ができるような体制を構築していただきたいと考えます。第3に、地域医療機関への診療支援および情報収集と提供について、がん登録事業の確立などをふくめ早期に専任体制が確立されるよう求めます。また、2次医療圏域ごとの地域拠点病院の指定の目途についてもお聞かせください。
昨年9月定例会で保健福祉部長は、がん診療の仕組みをつくるために、なんらかのネットワークの組織と、協議をする組織と推進の組織が必要と答弁されました。今回示された仮称がん対策戦略推進会議はどんな組織になるのですか。具体的内容について、お聞かせください。その上で、私は、患者の立場にたった医療を構築するために、当事者や家族関係者、支援者などが参加する組織を立ち上げていただきたいと考えます。いかがですか。
【総務部長】 府立医科大学附属病院のがん医療の機能整備についてでありますが、都道府県がん診療連携拠点病院への位置づけを期に、これまで各診療科で個別に対応しておりましたセカンドオピニオンにつきましても、専用窓口の早期実現にむけての検討をすることとしております。
また、入院、外来化学療法センターで診療対象がんの拡大をはかると共に疼痛緩和医療につきましては、同医療部を昨年1月に設置し専門知識を強化する中でその蓄積を積み重ねているところでありまして、今後とも疼痛緩和医療の提供体制の充実を図ることとしておりますが、緩和ケア病床につきましては、制度上の課題や府立医大が特定機能病院の役割をどう考えるか等検討するべき課題も多くあり、今後とも引き続き検討して参りたいと考えております。
また、医師等を対象とした検討会や症例相談、府民や医療機関への情報提供等を実施する体制を整備することにより、拠点病院としてその役割を果たして参りたいと考えております
【保健福祉部長】 地域におけるがん診療連携拠点病院についてだが、現在、府内の多くの医療機関より協力の申し入れがあり、年度内にも確保できるよう準備を進めているところであります。
また、大学、医療関係者等からなる「京都府がん対策戦略推進会議」を早期に設置し同会議の意見も踏まえ患者のニーズを適格に把握しながら京都府のがん対策を総合的に戦略的に一層推進していくこととしております。
【島田】がん対策についてですが、相談支援体制について体制が充実されることは前進ですけれど、補正予算では4人の人を外部に委託すると言う臨時的な予算になっている訳であります。相談業務や医療機関への診療支援の業務、また、がん登録や情報管理、これは、拠点病院の一番大事な事業ですから、本格的に正規職員をあてて強化をする必要があると思うが、今後の見通しについてお聞かせをいただきたい。
緩和ケア病棟について山岸学長も、紹介しましたシンポジウムで「20床ほしい」と発言をされました。本来の意味での緩和ケアベッドが府内には全然ありませんから、医大だけが担うと言うことではありませんが、拠点の医療機関としてはまずは実践的にやらなければなりませんので、急ぎ検討頂きまして、課題を克服し緩和ケア病棟について整備をすべきであると考えますがいかがでしょうかお答え下さい。
がん対策基本法並びにがん対策の基本戦略のキーワードは患者、国民の視点です。本府も府民本位、府民協働を掲げておられますので、がん対策の推進のためにぜひ患者、家族、関係団体が参加をしたネットワークの組織を立ち上げて頂きたいが、再度、ご決意を伺います。
【総務部長】人員配置の関係だが、今議会で提案しております予算をご議決頂きましたら、効果的な使い方をしてまいりますのでよろしくお願い致します。
緩和ケア病床の問題だが、府立医科大学が特定機能病院でありますので、その役割がいかにあるべきか、診療単価の問題もありますし、そういうことを総合的に検討する、そういう課題も多くありますので今後とも引き続き検討をしてまいります。
【保健福祉部長】がん対策についてでありますが、今回設置します、がん対策戦略会議でご意見を聞きながら取り組みを進める所存。
専門的な診断、治療体制を整備等高次脳機能障害対策の強化を
【島田】次に、高次脳機能障害対策についてです。
高次脳機能障害とは、事故や脳卒中などの脳損傷の後遺症により、記憶、注意、行動、言語、感情などに障害をきたし、日常生活や社会復帰に困難をきたすものです。私は、高次脳機能障害の当事者、家族、支援者でつくる「若者と家族の会」にも参加し、みなさんのお話をきいてきましたが、事態はほんとうに深刻です。
Aさんの子どもさんは18歳で交通事故に合われ、13年が経ちますが、まるで人が変わってしまいました。気質性人格障害と診断されています。お母さんは、言葉にこだわる、暴力を振るう子どもに、正直いって、親なのに接触するのも嫌になっているとはなされました。本人は意欲があるのに働く場がない。親亡き後が一番心配とのことでした。
Bさんは夫が仕事中の事故で脳挫傷になり、救急病院で一命をとりとめました。家族の会で知った京大病院の高次脳機能障害のリハビリを受けられましたが、その後医療機関を転々としています。職場復帰をしましたがてんかん発作や、暴力暴言がひどくなり退職。夫は希望が持てず酒にはしり、自殺もはかった。子どもをかかえ経済的にも大変、地域の友人も少なくなった。」と話されました。先日は、府北部の町で一人の高次脳機能障害の青年が自ら命を立つという悲しい報告を聞きました。このように、当事者家族が抱える問題は多様で深刻です。誰にでも起こりうる障害にもかかわらず、長年放置されてきました。
問題は、この障害に対する適切な診断、治療、訓練が受けられないこと。診断書を書いてもらえず、障害者手帳がないために現在ある社会的支援も受けられないこと。また、医療機関や行政に相談しても、障害の名前すら知られていないことが多く、具体的指導や支援がほとんど受けられないことです。また、学校や職場では、「人を馬鹿にしている」「周囲のことを考えず自己中心的だ」「何か変な人」というふうに批判にさらされるなど、経済的、肉体的負担のうえに、精神的負担も耐え難いものになっていることです。病院や施設での間違った対応や投薬をされ、地域に適切なリハビリの施設がないために症状が悪化し、2次障害、3次障害をきたす例もあります。
当事者、家族の長年にわたる活動の中で、ようやく社会問題にもなり、厚生労働省では、高次脳機能障害者への連続的ケアを実現するために五年間のモデル事業を実施されました。各地域にある拠点施設やリハビリセンターでの機能回復訓練とともに、関係する医療機関、障害者施設や家庭などが一緒になり、社会復帰や生活、介護支援などを行う中で、診断基準や、標準的訓練プログラム案などが作られました。また、支援のためのネットワーク作りへの支援が必要として、「支援センター」を設置し「支援コーデイネーター」が置かれました。これらをうけて今年度からは障害者自立支援法の「都道府県相談支援体制整備事業」にも位置づけられました。
2003年9月定例会でわが党の前窪議員がこの問題をとりあげ、その後も他の議員からも質問がありましたが、府の対策は遅々として進みませんでした。先日は「若者と家族の会」から京都府に対する要望がだされております。知事は、患者家族の声をどのようにうけとめておられるでしょうか。また、京都府の施策の遅れの原因、課題は何でしょうか。まず、お聞かせください。
いよいよ、今年度10月から「高次脳機能障害支援普及事業」がスタートします。この事業では、都道府県に支援拠点機関を置き、専門的な相談支援、関係機関との地域支援ネットワークの充実、研修等をおこなうこと、拠点医療機関の整備を含め、適切な支援体制を整備することとされています。
そこでうかがいます。昨日から厚生労働省において、研修会が開催されています。これを受けて、出来るところから直ちに着手していただきたいと考えます。
第1に、直ちに関係者を集めて連絡調整会議や専門家会議を開催することです。京大病院などいくつかの医療機関が高次脳機能障害リハビリや研究活動などをすでに行っていますし、障害者相談支援センターなどでは 具体的事例で相談者が対応に苦慮されています。現場からは、早く、京都府が会議を招集し、振興局単位での研修会や連絡調整会議も行ってほしいとの声がだされています。
第2に、拠点医療機関、地方拠点医療機関を指定し、専門的な診断、治療体制を整えることです。そして、医師、理学療法士、作業療法士、心理療法士などの専門家の養成をすすめることです。現時点で、この障害に対応できる医療機関やリハビリ提供施設について京都府のホームページに掲載するなど、府民に対する情報提供を行うことです。
第3に、府民へ正しい理解を広げるために、一般府民むけの講演会の開催、府のホームページ掲載など、普及・啓発事業を推進することです。
第4に、当事者と家族の会などへの支援が必要です。行政としての支援がないにひとしい現状の中で、こうした会の活動は、具体的事例で相談や支援をおこなうとともに、関係者同士が励ましあい、心を和ませる場として大きな役割をはたしています。生きる勇気をつないでいるといっても過言ではありません。こうした活動を支援するとともに、当事者や家族も参加する「推進委員会」のようなものをつく、京都府の施策にいかすことが必要です。いかがですか。知事のご所見をうかがいます。
滋賀県はあたらしいリハビリセンターをつくり、高次脳機能障害にも対応するとか、奈良県では実態調査と専門家会議の設置、静岡では、3年前から独自予算で国のモデル事業と同じ内容の事業をすすめています ところが、本府は、この障害に対応できる医療機関の絶対数が極端に少ない中で、高次脳機能障害のリハビリでも優れた実践で評価されてきた洛東病院を廃止しました。北部地域では脳外科救急の中心的役割をはたしてきた
【保健福祉部長】高次脳機能障害についてだが、外見から障害があることがわかりにくいことから障害のある方や家族の方が大変ご苦労されていると伺っており、京都府としても適切な支援を行なっていくことが必要と考えております。
そのため、国に対しこれまで実施されたモデル事業を踏まえ、診断基準や支援プログラムの医療現場への普及、高次納期脳障害の方々を支援するための制度の確立を要望してきたところであります。
本年10月から開始される障害者自立支援法の事業のひとつとして高次脳機能障害支援普及事業が地域生活支援事業に位置づけられ制度の整備がなされたところでございます。京都府ではこれまで京都府精神保健総合センターなどでの相談や助言を行なってきたところでありますが、昨年の秋と今年の夏の2回、府内での研修等を担う人材養成のため、高次脳機能障害の診断やリハビリテーション支援等に関する国の研修へ専門職員を派遣してきている他、医療機関、家族会等関係者のみなさまとの情報交換等を行なってきたところであります。
今後は、国の制度に沿って、まず、関係機関や家族会等による連絡会議を設け、府の施策のあり方等について検討をすると共に、医療、福祉関係者を対象とする研修やインターネットの活用などによる情報提供、府民が高次脳機能障害に関して正しい理解を得て頂くための普及啓発などを順次行なって行くこととしているところでございます。
【島田】昨年12月定例会で高次脳機能障害の問題について部長は「診断基準がないので、対応が難しい。入口で困っている」とお話しされました。今の答弁を聞きますと、前進の回答もあります。国の事業としての今回10月着手の事業に本府として手を挙げるのかどうか、順次やると言うことですけれど、直ちにするという決意を頂き、明確に国の事業に手を挙げるのかどうかお答え願います。
【保健福祉部長】高次脳機能障害については、国の制度にそって取り組みを進めて参る所存。
【島田】保健福祉部の施策は後手後手に回っている感が否めません。私は、本格的な前進のための縷々提案をして来ましたが、本腰を入れてがんばって頂きたいと強く要望して質問を終わります。