農林水産部書面審査(2004年11月5日)より

【新井】台風23号対策では、知事をはじめ職員の皆様には、がんばっていただいている。大変な被害が出ている。私どもが一番心配しているのは、被害を受けた農林漁業者のみなさんが、生産意欲をなくして、農林漁業を辞められるということがおこらないよう、全面的支援をどうするかということ。これが、一番問われている。それと、荒廃地がこれで増えることのないよう、全力をあげてほしい。

基本的姿勢はすでに言われているので、具体的に聞く。

災害復旧の場合、一か所の工事が40万円以上は国庫補助がつくが、問題は40万円以下だ。150メートル以内の間隔でつながっていればよい等という規定もあるので、運用を拡大していただき、災害復旧できるようにしてほしい。また、40万円以下の場合、日吉町では、町が独自の助成措置を取っているが、このような内容も含め、手だてを打たないと、先ほど指摘したようなことが起こりかねないので、この点についての考えを聞かせてほしい。

もう一つは、ビニールハウスの倒壊が激しい。いわゆる廃プラスチックの処分の問題です。通常ならば、JAの回収で、1s50円、1棟で1万円ほどかかる。今回、災害廃棄物の補助金が出ると思うが、この処理がどうなるのか。

例えば、市町村にゆだねた場合、市町村が全額負担しながら、その2分の1を国から補助がもらえるのか、この点を聞かせてほしい。

林業だが、林道、作業道は奥の方はわからないという問題はあるが、もう一つ心配しているのは、倒木の処理だ。美山などを見たが、被害は大きい。これをどう処理するかだが、間伐材と同じように、チップ化するために1立方あたり8千円〜1万円で買い取られていると言う方法もある。倒木の処理に何らかの助成ができないか。放っておくと二次災害を起こす可能性もある。

漁業だが、定置網や漁船の被害がある。漁船の場合、保険に基本的に入っているが、保険も古い漁船の場合査定が低い。今日の新聞にもあるが、新しく買い換える意欲がない、これを機会に逆に言えばリタイアすることになりかねない。融資制度もあると思うが、個人補償は難しいと思うが、思い切った助成をする必要がある。

一方で、農地などは災害復旧のための一定の措置はできるのだから、漁船などへの、そのような角度からの検討ができないかを聞く。

【農林水産部長】ビニールハウスの問題は重要なテーマだが、現在、すぐには答えが出せない。

今後、関係団体ととともに、災害関係の廃棄物についてどうなるのか、勉強したい。

風倒木は放置できない。激甚災の指定を受けた場合、活用方策も含めて考えたい。

漁船は保険に入っているが、なかなか新船を造ることにならない。中古を買うなど工夫されているが、今後の漁業のあり方そのものどうしていくのかも含めて検討していくことが必要。

直接的な手だてを打つことは、現在の制度では難しい。

【耕地課長】農地被害は、被害場所が150メートル以内であれば一つの地区と判定されるので、市町とよく相談していきたい。

40万円に満たない部分も起債の措置があるが13万円以上。激甚災の指定をされると、充当率は、かなり上がるので、市町ともよく相談していきたい。

市町独自に機械の貸し出し等の補助、支援制度を持っている所もあるので、その活用をお願いしたい。

【新井】農地の件は、農家が耕作放棄することのないようにするための措置として、ぜひ色々な知恵も含めて検討していただきたい。

ビニールハウスの件は対応を急いでいただきたい。現場では、この処分をどうするかということが、全体の処分と関わって困った問題になっている。パイプは使えるものは、どうするかということも含めて対処されているが、ビニールは、そうはいかないので、ぜひ、答えが早く出るようにしてほしい。

被災者のみなさんが、農業、林業、漁業を継続できるよう最大の努力をして頂きたい。