京都府議会12月定例会は、12月17日、すべての審議を終え閉会しました。
12月定例会には、指定管理者制度の導入する「京都府の施設の管理等に関する条例」、洛東病院の廃止をする「京都府病院事業の設置などに関する条例一部改正の件」、京北町の京都市への合併を承認する「市町の廃置分合の件」、2003年度決算の認定など重要な議案が提出されました。日本共産党は、「京都府の施設の管理等に関する条例」について修正案を提案するなど、府民の利益を守る立場から積極的な論戦を展開しました。
日本共産党府議団の提出した「京都府の施設の管理等に関する条例」では、自民党議員が質疑をおこない、これに対し答弁を松尾孝団長が行いました。本会議での議員提案の議案(府議選定数条例を除く)の提出、質疑、答弁の実施は京都府政上初めてのものです。
松尾孝団長の修正案提案趣旨説明、光永敦彦議員の議案についての討論、久守一敏意見書案・決議案討論の大要と、提出された意見書案・決議案について紹介します。
「京都府の施設の管理等に関する条例案」
修正案提案趣旨説明 松尾孝(2004年12月17日)
日本共産党の松尾です。第3号議案「京都府の施設の管理等に関する条例」について修正案の提案理由を説明します。
ご承知のとおり指定管理者制度は昨年6月の地方自治法改正により、公の施設の管理が「地方公共団体が出資している法人等への委託」から、「地方自治体が指定する指定管理者への指定」に変更されたことに伴い導入されたものであります。指定管理者には営利を目的とする会社なども含まれ、公の施設の公共性が保てるのか、施設設置の目的、自治体の公的責任が果たせるのか、などの問題点が指摘されているところであります。これは、この制度をつよく求めてきた財界などが、「ビジネスチャンスの拡大のため」とその狙いを公然と語っているところからも当然であります。
条例の制定に当たってはこれらの問題点に留意し、可能な限りそれらを排除すべきであります。わが議員団が提出いたしました修正案はこの観点から原案を正したものであり、次の3点が主要な点であります。
第1に、指定管理の対象は法改正に沿ったものにすべきであり、条例内容も手続き規定に限るべきであります。
第2に住民福祉の増進のため、公的責任や公共性の確保等を明記することであります。
第3に、指定管理者の申請及びその候補者の選定に当たっての厳格な規定です。
以下、具体的に説明します。
第1点についてですが、原案は指定管理の対象を「京都府の施設」として普通財産等も含めていますが、改正法では「公の施設」に限定されています。この点から、普通財産にも条例を適用しようとする第六条は全面削除しました。また、原案中の「京都府の施設」はすべて「公の施設」に改めました。
さらに第1条で条例の目的を「管理及び活用に関し必要な事項を定める」としていますが、法改正に沿って「指定の手続き等に関し必要な事項を定める」と改めます。従って、条例の名称も「公の施設に係る指定管理者の指定の手続きに関する条例」と改めました。
第2点についてですが、原案は第2条で「管理及び活用の基本」として「効果的かつ効率的に管理し、又は活用する」としています。府民福祉の増進を図るためとは言いながら、効果的、効率的な管理、活用が自己目的化し採算性、効率性優先で府民福祉が後退する恐れがあります。また、営利目的にそった管理、運営とならない保障も有りません。そこで、公の施設の管理、運営の基本として、地方自治法第244条各項の趣旨を生かし、「当該施設が公正・適切・平等に供されるよう努めなければならない」ことを明確に規定しました。
また、公共性の確保、公的責任を全うする上で情報公開は不可欠であり第六条に規定しました。
第3点ですが、修正の趣旨から、原案第3条の「法人等」の表現を「指定管理者の指定を受けようとする者」に改め、また、指定管理者の申請にあたり兼業禁止規定を盛り込むこととしました。さらに第4条1項2号、3号で、公の施設の安定管理によって「住民福祉の増進」に資することができるよう、指定管理者の実績、専門性、技術、人材等の確保、ならびに賃金、労働条件の確保等について、原案より以上の明確な規定を盛り込みました。以上が修正提案の概要であります。
なお、委員会審議に置きまして、兼業禁止規定いついて、府三役などが役員に加わっている団体等が申請できなくなり、公平性を欠くのではないかとの指摘がありましたが、該当者をはずすなど申請者の判断、選択によってクリヤーできるのではないかと考えます。また、第6条の情報公開規定は本府情報公開条例との整合が必要との指摘もありましたが、修正成立後、必要に応じて整合を図ることは十分に可能であると考えます。
以上で提案理由の説明を終わります。是非ご賛同くださいますよう御願い申しあげます。ご清聴ありがとうございました。
議案についての討論 光永敦彦(2004年12月17日)
日本共産党の光永敦彦です。私は、議員団を代表しまして、ただいま議題となっております議案21件と我が会派提案の修正案のうち、9月定例会提出の決算認定議案の第13号議案、第15号議案の2件の認定に反対し、また、12月定例会提出の第3号議案「京都府の施設の管理等に関する条例制定の件」、第8号議案「京都府病院事業の設置などに関する条例一部改正の件」ならびに第13号議案「市町の廃置分合の件」の3件に反対し、ほかの16件に賛成するとともに、我が会派の提案の第三号議案「京都府の施設の管理等に関する条例」案に対する修正案に賛成の立場から討論を行います。
なによりも本議会は、台風23号の甚大な被害に対する早期の復旧・復興のさなかに開かれました。我が議員団は、1日も早い復旧・復興のために、引き続き力をつくすものです。
まず、 第7号議案「青少年の健全な育成に関する条例一部改正」について、賛成するものですが、「犯罪または自殺を誘発」する図書類の指定については、マニュアル本などに限定し、その運用に当たって「出版の自由」を阻害するようなことのないよう求めておきます。また、「深夜における連れ出し等」についても、犯罪に結びつく危険が明らかな場合に限定し、濫用のないよう厳格な運用を求めておきます。
次に九月定例会提出の第13号議案「平成15年度京都府一般会計および特別会計歳入歳出決算」についてです。山田府政初の本格的な決算となりましたが、審議を通して知事の姿勢が浮き彫りになりました。
第一に、215項目もの暮らしを支えてきた事業の削減を行い、府民への新たな負担をおしつけました。子どもの医療費は小学校まで無料にする子育て世代の強い願いがあったにもかかわらず、通院について8000円の自己負担限度額を設けた結果、わずか0、6%程度しか利用できず、しかも決算では、国の制度変更に伴い、府の負担は平成14年度比マイナス2億7000万円となるなど、本府は府民の暮らしをささえ、応援する役割に背をむけました。その上、三位一体改革のねらいが、国庫補助負担金の削減や地方交付税の大幅削減など、地方の切り捨てが明らかになったにもかかわらず、知事は「受益と負担を明確にするために、三位一体の改革が必要」として、府民に新たな負担がのしかかることを進める立場を述べられました。さらに、経営改革プランに示されたとおり、「これまでの削減型の改革は限界」として「経営戦略室」を設置し、経営、効率の物差しのみで見ることで、行政のあり方を根本的に変えようとしているからです。
第二に、長引く不況のもと、京都経済の基盤をこれまで支え、必死に努力をされている中小企業や伝統産業への支援を本府として抜本的に強化し、府民の雇用を守るために全力をあげなければならないときに、ITやベンチャーにかたよった予算執行をしていることです。知事は「伝統産業振興は全国一」といわれましたが、例えば財団法人伝統的工芸品産業振興協会によると、伝統産業品目あたりの事業費で比べれば石川県の半分にもならない状況です。同じく石川県の平成15年度の伝統産業振興事業は国の緊急雇用分を除いて3億2500万円で、京都府は、わずか2億7600万円です。また、雇用対策については目標達成が見込めるとして就職者数を引き上げたとされているものの、そのほとんどが常勤者としての雇用でなく、不安定な短期の臨時雇用であることも明らかになりました。これでは暮らしを成り立たせることはできません。
第三に、台風23号により大きな被害が出たように、被害を最小限に抑える対策が強く求められています。ところが宮津市の大手川をはじめ河川の改修・整備を速やかに行わなければならなかったにもかかわらず、河川防災整備事業や河川改修事業費などが、ここ数年来、毎年削減されてきたことは大きな問題です。強い要望にもかかわらず、遅れている未改修部分が破堤し大被害をもたらした野田川の事例は、これを如実に示すものです。さらには、土砂災害危険箇所が8800箇所以上も残されていることが放置されるなどで、重大な影響が出たことであります。
第四に、財政が厳しいと述べ施策を削る一方、いますすめる必要のない丹後大規模公園、舞鶴和田埠頭、畑川ダム、京都市内高速道路、さらには関西国際空港二期工事への多額の出資金など、本来メスをいれるべきところに、予算の執行をしてきたことです。
以上の理由から、第13号議案の認定には反対です。
次に第15号議案「京都府水道事業会計」についてですが、これまで我が党が指摘してきた過大な水需要予測を前提にした府営水道計画で、その結果、府民に高い水道料金を押しつけるものであったことが、総括質疑で知事が水利権の一部を放棄する表明をしたことで、知事自身が証明されました。以上の理由で第15号議案の認定には反対です。
次に12月定例会提出の第13号議案「市町の廃置分合の件」京北町と京都市との合併についてです。京北町は、全国でも屈指の林業地をかかえ、山国隊の行進など先人が守り育ててきた、すぐれた歴史と伝統・文化・産業を継承しつつ、住む人が豊かさを実感し、訪れた人が住んでみたいと思うような魅力あるまちづくりに町民あげて取り組んでこられました。
ところが、合併によって例えば、年間約80億円の予算と80人の職員体制が大幅に削減され、また、中学生まで医療費を無料化するなどのきめ細かな独自の福祉施策のほとんどは廃止されます。国保料は京都市水準になれば、一世帯平均で2万円もの値上げとなります。お年寄りなどの保健福祉ためにきめ細かく活動してこられた7人の保健士さんもほとんどいなくなってしまいます。道路管理では、これから雪の季節を迎えますが、これまでは積雪があれば朝のうちに除雪されてきましたが、今後はその保障がありません。また、町道については地域住民の除雪活動や器具、燃料代などに手厚い助成がおこなわれてきましたが、これらも廃止されてしまいます。子どもたちの通学費についても、小中学生はほぼ全額助成されてきましたが、3年間で廃止されていきます。
以上のように、京北町と京都市の合併は、京北町が今日まで長年にわたって住民のみなさんが力を合わせて築きあげてきた町づくりの成果と歴史的財産を損なう重大な結果を招きかねません。わが議員団は、今回の合併が住民のみなさんの将来と幸せな暮らしを考えたときに、その利益に反すると判断せざるを得ず、よって第13号議案には反対です。
なお市町村合併に関わって一言申し上げます。宮津与謝1市4町の法定合併協議会は、協議が整わないため、今日まで休止が続いてきました。ところが、京都府地方課が合併の調整を明記した会議招集の文書を出したことで、12月14日の新聞で、大きく「合併協議、府が調整」と報道されたのです。
そこで、委員会審査の場で「合併協議会の休止が確認されているにもかかわらず、京都府が調整にのりだすのは問題」と指摘したところ、総務部長は「報道は承知していない。会議はあくまで意見交換」と開き直られたのです。しかし、総務部長を無視して地方課が合併の調整会議の招集文書を出すはずはなく、しかも、新聞報道を見た関係町から抗議の声があがっているにもかかわらず、新聞を知らないことはあり得ません。委員会での答弁は、まさに議会を欺むこうとするものです。合併をめぐって、今、市町村が必死に町と住民の暮らしの行く末をギリギリのところで論議をされている時に、「法期限までの時間が限られている」などと、市町村に乗り込み、土足で自治を踏みにじるようなやり方を事実上強行していることは、全く許せません。こうした本府のやり方にあらためて強く抗議をするものです。
次に第3号議案「京都府の施設の管理に関する条例制定の件」についてです。
3号議案に対する修正案の提案理由の説明で我が党松尾議員がのべたとおり、そもそも指定管理者制度の導入のねらいは、府民福祉の増進のためにこれまで直営か政令等で定める公共的な団体に限定していた管理委託の制度を、株式会社など民間事業者が行うことを可能にするものです。これは、日本経団連の2004年版「経営労働政策委員会報告」で「行政においては、規制緩和を通じて行政サービスを民間に解放し、この分野の膨大な潜在的需要を顕在化させ」ると述べているとおり、財界は行政のアウトソーシング・自治体の市場化を大企業のビジネスチャンスととらえ、民間の儲けの対象を広げるという、まさに財界の強い要求で具体化されたものです。しかもそのことで、自治体にとっては公的責任を投げ捨てるための究極のリストラ策の一つとなり、山田知事が「従来の削減型の改革からの転換」「民間企業との協同」と述べられたとおり、まさに行政のあり方そのものを根本的に転換するものです。すでに宇治市では、指定管理者制度を契機として宇治市立北小倉保育園の廃止と、民間に払い下げる条例が3万3千人の保護者や市民が「性急に決めないで」と要望しておられるにもかかわらず市議会に提案され強行されました。こうした行政の公的責任を投げ捨てようとする事態は全国で起こっているのです。
しかも、今回の条例案は、本来地方自治法改正にともなうものに対象を限定すべきであるにもかかわらず、京都府のすべての施設を対象とし、これまで京都府の財産の無償貸し付けをおこなってきた施設などを指定管理者制度と同様に民間に開放できるようにするとともに、今後は効率的に活用するためなら、庁舎なども含めた府の施設を、民間に開放できる道へと本格的に開こうとする意図は明らかです。
よって第3号議案には反対し、我が会派提案の修正案に賛成するものです。我が議員団は、今後一つ一つの施設について、設置目的にふさわしい運営がなされるよう、引き続き個別条例の充実にむけ、府民のみなさん、関係する職員のみなさんと力を合わせて奮闘するものです。
最後に第8号議案「京都府病院事業の設置などに関する条例一部改正の件」−府立洛東病院廃止条例案についてです。
1999年に実施された包括外部監査で府立洛東病院について「総合リハビリ病院を目指すなど、時代のニーズに対応した施策を講じるべき」との報告が行われました。1999年9月定例会で公明党議員が「公立病院として、府民の健康維持に果たしてきた洛東病院の役割は大きいものがあり、今後もより積極的に次代の医療ニーズに対応し続けることを期待する」と述べられるなど、議会審議の中で各会派が府立洛東病院改善と充実を求める立場から発言や提案をされたことは議事録に明瞭です。当時荒巻知事も「京都府内におけるリハビリテーションの医療の中核として整備の方向を検討する」と表明、同じく保健福祉部長も「予防・診断・治療からリハビリテーションまで一貫した医療を担う病院として運営している」と述べ、その立場は、昨年2月の予算委員会で、保健福祉部長が「高齢化社会におけるリハビリ医療にたいするニーズに的確にこたえていくという視点で、来年度から病棟の再編等による新しい回復期リハビリ病棟を新設するなどの充実強化を図りながら、特色ある病院づくりをすすめていく」と、のべられたとおり、本府も議会でも府立洛東病院の改善、充実の方向は出されていたのです。
ところが、山田知事は、この方向を根底からトップダウンでくつがえし、府立洛東病院の廃止へと大きく舵取りをゆがめたのです。ここには、「経営効率」「採算性」の名のもと、福祉や医療を切り捨てる知事の姿勢が端的に現れています。
こうした事態に、患者さん、職員のみなさん、医療関係者、多くの府民のみなさんは、約3万人をこえる廃止反対の署名を知事あてに提出し、また本日も、患者さんらがまさに命がけで府庁包囲デモを行われるなど、府立洛東病院をまもり、本府のリハビリ医療の充実をもとめ道理ある大運動を進めてこられました。にもかかわらず経営効率最優先の知事は、悲痛な患者さんの声や現場の意見を聞くことすらされませんでした。その一方、知事は現場の医師や職員のみなさんに患者さんの退院を求めさせるなど、立ち枯れ政策を完結させるべく、なりふりかまわず道理ない態度をとり続けてこられたのです。
府立洛東病院は、1876年の創設以来の歴史を受け継ぎ、1973年に「脳卒中をはじめとする循環器系疾患の予防、診断、治療から、医学的リハビリテーションまでの一貫した治療を行なう病院」として、職員をはじめとした先駆的な取り組みで、これまで整備が行なわれ、京都府のリハビリ医療のさきがけとして、30年以上の経験と実績を持ち、現在でも府民の命を守り続けている府民共通の財産です。この財産を受け継ぎ、充実させることこそ、多くの府民のリハビリ医療の充実の願いに応える本府の責任ある態度ではないでしょうか。府民の願いに背をむけ、京都府の公的役割を投げ捨てる出発点として、府立洛東病院の廃止を決めることは、京都府の歴史に重大な禍根を残すことになります。多くの府民のみなさんが固唾をのんで、見守っておられます。京都府立洛東病院廃止の撤回を改めて強くもとめ、私の討論を終わります。
ご清聴ありがとうございました。
第3号議案 京都府の施設の管理等に関する条例制定の件に対する修正案
京都府の施設の管理等に関する条例案の一部を次のように修正する。
題名を次のように改める。
公の施設に係る指定管理者の指定の手続等に関する条例
第1条中「府の施設の管理及び活用」を「地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条第1項に規定する公の施設(以下「公の施設」という。)の管理を行わせることとした場合の同法第244条の2第3項に規定する指定管理者(以下「指定管理者」という。)の指定の手続等」に改める。
第2条中「府の施設」を「公の施設」に、「これを効果的かつ効率的に管理し、又は活用する」を「当該施設が公正・適切・平等に供される」に改める。
第3条中「地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項に規定する指定管理者(以下「指定管理者」という。)の指定を受けようとする法人その他の団体(以下「法人等」という。)」を「指定管理者の指定を受けようとする者」に改め、同条に次の1項を加える。
2 議会の議員、知事、副知事、出納長及び地方自治法に規定する委員会の委員は、指定管理者の指定を受けようとする者の無限責任社員、取締役若しくは監査役若しくはこれらに準ずべき者、支配人及び清算人たることができない。
第4条第1項中「法人等」を「指定管理者の指定を受けようとする者」に改め、同項第2号及び第3号を次のように改める。
(2) 公の施設の管理を安定して行い、設置目的を達成するため、当該施設の性格、規模、機能等にふさわしい活動実績、専門性、技術、人材等が確保されていること。
(3) 公の施設の管理及び業務を担うにふさわしい賃金及び労働条件を確保することができること。
第4条第2項中「法人等」を「指定管理者の指定を受けようとする者」に改め、同項第3号を次のように改める。
(3) 本府が出資している法人又は公共団体若しくは公共的団体等、知事等が適当と認めるとき。
第5条第2項中「京都府の施設の管理等に関する条例」を「公の施設に係る指定管理者の指定の手続等に関する条例」に改める。
第6条を次のように改める。
(指定管理者の情報公開)
第6条 指定管理者は、その保有する文書であって自己が管理を行う公の施設に関するものの公開に努めるものとする。
2 知事等は、前項の公の施設に関する文書であって知事等が保有しないものに関し閲覧、写しの交付等の申出があったときは、当該指定管理者に対し、当該文書を知事等に提出するよう求めるものとする。
第3号議案 京都府の施設の管理等に関する条例制定の件
京都府の施設の管理等に関する条例を次のように定める。
平成16年12月2日提出
京都府知事 山田啓二
京都府の施設の管理等に関する条例
(趣旨)
第1条 この条例は、府の施設の管理及び活用に関し必要な事項を定めるものとする。
(管理及び活用の基本)
第2条 府の施設は、府民福祉の増進を図るため、これを効果的かつ効率的に管理し、又は活用するよう努めなければならない。
(指定管理者に係る指定の申請)
第3条 地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項に規定する指定管理者(以下「指定管理者」という。)の指定を受けようとする法人その他の団体(以下「法人等」という。)は、知事又は教育委員会(以下「知事等」という。)が定める期間内に、規則又は教育委員会規則(以下「規則等」という。)で定める事項を記載した申請書に指定管理者の指定を受けようとする公の施設の管理に関する事業計画書その他知事等が必要と認める書類を添えて、知事等に提出しなければならない。
(指定管理者の候補者の選定)
第4条 知事等は、前条の規定による申請があったときは、次の各号に掲げる要件のすべてを満たす法人等のうちから最も適当であると認めたものを、指定管理者の候補者として選定するものとする。
(1) 法令の規定を遵守し、公の施設の設置目的に沿った管理を適切に行うことができること。
(2) 公の施設の管理を安定して行うことができること。
(3) 公の施設の管理を効果的かつ効率的に行うことができること。
(4) 前3号に掲げるもののほか、知事等が特に必要と認める要件
2 知事等は、次の各号のいずれかに該当するときは、前条及び前項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる要件のすべてを満たす法人等を指定管理者の候捕者として選定することができる。
(1) 他の地方公共団体を選定しようとするとき。
(2) 地方自治法第244条の2第11項の規定により指定管理者の指定を取り消した場合であって、前条及び前項の規定による手続をとる暇がないとき。
(3) 前2号に掲げるもののほか、知事等が特に必要と認めるとき。
(協定の締結等)
第5条 指定管理者は、知事等と次に掲げる事項について公の施設の管理に関する協定を締結したければならない。
(1) 公の施設の管理に係る業務の内容に関する事項
(2) 府が支払う管理費用に関する事項
(3) 公の施設の管理において知り得た秘密の保持のために必要な措置に関する事項
(4) 公の施設の管理において取り扱う個人に関する情報の適切な管理のために必要な措置に関する事項
(5) 前各号に掲げるもののほか、知事等が必要と認める事項
2 指定管理者に係る京都府個人情報保護条例(平成8年京都府条例第1号)第10条の規定の適用においては、同条第1項中「委託契約」とあるのは、「京都府の施設の管理等に関する条例(平成 年京都府条例第号)第5条第1項に規定する協定」とする。
(法人その他の団体による府の施設の活用)
第6条 知事は、公用又は公共用に供されていたい府の施設のうち、法人その他の団体が府民福祉を増進する目的をもってその利用に供することができると認めるものについて、指定管理者の選定の例により規則で定めるところに従い法人その他の団体に活用させることができる。
(規則等への委任)
第7条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則等で定める。
附則
1 この条例は、公布の日から施行する。
2 京都府外部監査契約に基づく監査に関する条例(平成11年京都府条例第1号)の一部を次のように改正する。
第2条第5号中「委託し」を「行わせ」に、「委託に」を「管理の業務に」に改める。
意見書案 決議案討論 久守一敏(2004年12月17日)
日本共産党の久守一敏です。日本共産党府会議員団を代表して、ただいま議題となっております六意見書案及び一決議案について、四会派提案の「『三位一体改革』を国の財政再建の手段に利用しないことを求める意見書(案)」及び民主・府民連合提案の「イラクへの自衛隊派遣延長の撤回を求める意見書(案)」に反対し、他の四件の意見書案及び一件の決議案に対して賛成の立場で討論をおこないます。
まずわが党提案の「地方交付税等の維持・拡充を求める意見書(案)」についてです。
政府は、平成一六年度政府予算において、地方交付税、臨時財政対策債あわせて二兆八千億円もの大幅削減を強行しました。これに対し、府内の各市町村から、「予算を組み替えざるをえない」「このままでは地方財政は破たんする」などと、批判と怒りの声が噴出したことは記憶に新しいところです。
にもかかわらず、政府は平成一七年度以降においても、地方交付税について、「歳出削減に努める」「地方財政計画の合理化」をはかるなどとし、谷垣財務大臣にいたっては、二年間で七兆八千億円もの地方交付税削減を要求しています。
いま、国庫補助負担金の廃止額に見合った国の税源移譲額が保障されない上に、さらに地方交付税まで削減されるのではやっていけないではないかと、全国知事会など地方六団体が全国的な運動を呼びかけています。私が先月お伺いした町では、来年度予算の枠組みを作るにあたって、交付されない額まで交付されると仮定して予算化せざるをえない状態に、「本当に困っている」と嘆いておられました。
この点で、国が大幅削減を押しつけた今年度のような事態を絶対に繰り返すことのないよう求め、また、地方交付税等の財政調整機能及び財源保障機能を維持・拡充するよう求めるわが党の意見書案は、全国の自治体関係者の一致した願いとなっており、皆さんの賛同を求めるものです。
また、わが党提案の「『三位一体改革』の名による国庫補助負担金の廃止に関する意見書(案)」についてですが、国庫補助負担金の約七割は、義務教育、老人医療、国保、介護保険、生活保護等、法令で国の責任が義務づけられたものです。また、検討課題となっている難病対策、婦人保護、社会福祉施設整備、医療関係者養成確保対策等については、関係者からこれら施策の後退に対する不安の声があがっています。これらは、地方の財政力の格差に左右されるべきではなく、国の責任においてナショナルミニマムとして保障されてしかるべきものであり、わが党提案の意見書への賛同をお願いするものです。
なお、四会派提案の意見書案についてですが、最初から、国の狙いは、地方交付税などの地方財政の切り捨てにあり、国の財政運営の失敗を地方につけ回しすることにあります。「地方の自主性や裁量権を拡大する」というのは地方財政削減の口実に過ぎないことは、この間の経過からすでに明らかであり、「三位一体改革」への幻想は捨てるべき段階にあります。意見書案の表題にもある「国の財政再建の手段」として持ち出されたのが、まさに「三位一体改革」であり、ここに本質と狙いがある以上、いくら国の善意を期待しても地方はだまされ続けるだけであります。四会派提案の意見書案は、こうした「三位一体改革」を前提としている点で不十分であり、賛同できません。
次に、わが党提案の「定率減税の縮小・廃止に反対する意見書(案)」についてです。
政府税制調査会は、所得課税の定率減税を「二〇〇六年度までに廃止する」と答申し、また、自民党・公明党など与党税制協議会は、〇六年度までの全廃を念頭に、来年度については減税率、減税の上限額をともに半減することで合意しました。しかし、仮に定率減税が全廃されれば、総額三兆三千億円もの増税が国民に押し付けられることになります。その上、政府税制調査会の答申は、「消費税の税率を引き上げていくことが、今後の税体系構築の基本となる」として、その増税路線の中心が消費税増税であることを、はっきりと宣言しました。これは、大増税路線を進めるという宣言であり、その第一歩として定率減税の廃止が位置づけられているもので、断じて許されるものではありません。
過日の総務常任委員会で「共産党は定率減税の導入に反対しておいて、今になって態度を変えるのか」という趣旨の発言がありました。これほど的はずれな批判はありませんが、念のため一言申し上げます。そもそも定率減税は、一九九九年に実施されましたが、その際、九八年特別減税を打ち切ったため低所得者層を中心とする大多数の国民には逆に一兆円もの増税を強いるものとなったこと、また、法人税率の引き下げ・二兆七千億円、所得税の最高税率の引き下げ・五千億円が同時に実施されるなど、全体としては、庶民いじめ、大企業・高額所得者減税となっていることから、わが党はこれに反対しました。その後の現実は、わが党が当時指摘したとおり、大企業の経常利益は、一九九八年から二〇〇三年までの間に約九兆円増え、一方で、肝心かなめの家計収入は大幅に減少する事態となっています。ところが、今回、政府は、こうした現実を無視して、後退している家計収入へは定率減税の縮小・廃止でさらなる追い打ちをかけ、もう一方の大企業の法人税率の引き上げは検討さえ行わないというのですから、これは二重に道理を欠くものと言わざるをえません。大企業本位、庶民いじめで家計消費を冷え込ませ、消費不況をいっそう深刻にする自民・公明党の経済政策は、九九年当時も、今も一貫したものであります。
しかし、いま、サラリーマン層など働き盛りの家計を直撃する今回の改悪に対し、自民党の柳沢政調会長代理が、橋本内閣の九兆円の負担増で日本経済が「だめになってしまった」「だから、私は、定率減税の削減には憶病になっている」と発言するなど、与党や財界の中からも、慎重論・反対論が相次いでいます。わが党提案の意見書案は、国民に耐え難い「痛み」を押しつけ、日本経済に大きな打撃を与える定率減税の縮小・廃止を行わないよう求めるものであり、みなさんの賛同を求めるものです。
次に、わが党提案の「イラクからの自衛隊の早期撤退を求める意見書(案)」についてです。
政府は、先の閣議でイラクへの自衛隊の派兵延長を決定しましたが、オランダ軍の撤退決定をはじめ、各国の軍隊が撤退する中で、アメリカの強い意向にそってなお派兵を続けるというこの決定にはまったく道理も大義もありません。それどころか、日本がアメリカ言いなりで無法な侵略戦争の共犯者となることは、国際的な孤立の道を歩むものとして、歴史に重大な禍根を残すものです。
第一に、イラク戦争の「大義」とされたことが、根底から崩壊し、この戦争が、無法な侵略戦争であることが、いよいよ明りょうとなっていることです。戦争の最大の口実とされた「大量破壊兵器」問題について、十月、米国の調査チーム自身が、「開戦時に保有せず、開発計画もなかった」ことを最終的に言明しました。小泉首相や公明党の冬柴幹事長は、「大量破壊兵器の保有」を断定して戦争を支持し、「いずれ見つかる」といって自衛隊を派兵しましたが、これが両方とも国民をあざむくものだったことが明らかになったのです。
第二は、米軍が、ファルージャでの住民への無差別攻撃をおこなうなど、無法な武力弾圧路線をすすめていることが、イラク情勢の深刻な悪化をまねいていることです。ファルージャでの犠牲者は、六千人を超える可能性があるとも伝えられていますが、民間人への無差別攻撃は、国際人道法にそむく戦争犯罪であることは明りょうです。にもかかわらず、首相がこの作戦に全面支持をあたえたことは、侵略戦争と戦争犯罪の共犯者として、イラク国民全体を敵にまわす深刻な立場に日本をおいたことを意味するものです。
第三に、陸上自衛隊の派兵先のサマワが「非戦闘地域」だとしてきた政府の説明も、いよいよ根底から成り立たなくなっていることです。すでに自衛隊の宿営地にたいして八回にわたって迫撃砲、ロケット砲などによる攻撃がおこなわれました。サマワで治安維持活動にあたっていたオランダ軍がおそわれ、兵士六人が死傷するという事態もおきており、このまま派兵をつづけるならば、自衛隊がイラク国民と「殺し、殺される」というとりかえしのつかない事態が引き起こされかねません。
自衛隊の派兵を延長する根拠はことごとく崩れており、すみやかな撤退を強く求めるわが党の意見書案への賛同を求めるものです。
なお、民主党・府民連合提案の意見書案は、今後の日本の対応の基軸として「日米同盟に基づく信頼関係」をあげています。先に指摘したように、ファルージャで民間人への無差別攻撃を行ったのが米軍であり、これらの蛮行が新たなテロの土壌を拡大し、国際協調による人道復興支援の最大の障害となっていることは明らかです。また、「ブーツ・オンザ・グラウンド」と血を流す貢献を日本に求め、大義も道理もない無法な戦争への加担を日本に求めているのもアメリカです。今回の派兵延期もアメリカの意向によるものであることは明らかです。そのもとで「日米同盟に基づく信頼関係」を強調することは自衛隊の撤退要求とは根本から矛盾するものであり、民主党・府民連合提案の意見書案には反対です。
次に、わが党提案の「京都府のリハビリテーション医療の充実を求める決議(案)」についてです。
洛東病院廃止問題を通じて、本府のリハビリテーション施策の大変な立ち遅れが明らかとなりました。
回復期リハビリ病棟が、丹後、中丹、南丹、山城南地域には全くないこと、専門医をはじめとするマン・パワーの不足など、地域のリハビリテーション医療提供体制が量・質ともに不足していますが、これらの基盤整備をすすめることが急がれます。
さらに、障害者の早期自立と社会復帰のための急性期、回復期、維持期の一貫した医療リハビリテーション、ならびに、生活、職業リハビリ等の総合的リハビリテーション提供体制の充実、地域で対応が困難な重度重複障害者等への高度な医療リハサービスが提供できるセンターの設置が求められています。
代表質問で、わが党議員が紹介したように、関西のリハビリテーション医療は関東に比べて十年遅れ、京都はさらに遅れていると指摘するリハビリ専門医の声があります。
こうした状況を一刻も早く改善するために、府立医大医学教室の充実と専門医の育成などをすすめること、そのためにも、京都府全体のリハビリテーション機能を引き上げられるよう、京都府がコントロールセンターの役割を発揮することが求められています。
本府のリハビリテーション医療の充実をはかるよう求めるわが党提案の決議案に、皆さんの賛同を求めるものです。
以上で私の討論をおわります。ご清聴まことにありがとうございました。
地方交付税等の維持・拡充を求める意見書(案)
日本共産党議員団提出 不採択(賛成 共)
政府は、平成16年度政府予算において、2兆8千億円もの地方交付税及び臨時財政対策債を削減し、地方においては予算の組替えを余儀なくされるなど、地方財政運営に大きな支障がもたらされた。
にもかかわらず、政府は平成17年度以降においても、地方交付税について、「歳出削減に努める」「地方財政計画の合理化」をはかるなどとしている。
そもそも、地方交付税には、(1)自治体間での税収のアンバランスを調整する財政調整機能、(2)自治体が標準的に行うべき行政サービスへの財源保障機能という、二つの役割がある。憲法が定める地方自治を保障する上で、地方交付税を堅持することは当然である。
よって、国におかれては、大幅削減を押しつけた今年度のような事態を絶対に繰り返すことのないようにすること、また、地方交付税等の財政調整機能及び財源保障機能を維持・拡充されることを強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年12月 日
衆議院議長 河 野 洋 平 殿
参議院議長 扇 千 景 殿
内閣総理大臣 小 泉 純一郎 殿
総務大臣 麻 生 太 郎 殿
財務大臣 谷 垣 禎 一 殿
京都府議会議長 田 坂 幾 太
イラクからの自衛隊の早期撤退を求める意見書(案)
日本共産党議員団提出 不採択(賛成 共)
政府は先の閣議で、国民世論の半数以上が反対するにもかかわらず、イラクへの自衛隊派兵の一年間の延長を決定した。しかし、自衛隊派兵に固執する政府の根拠は次々と崩れつつある。
戦争の最大の口実とされた「大量破壊兵器」問題について、米国の調査チーム自身が「開戦時に保有せず、開発計画もなかった」ことを最終的に言明したことにより、この戦争が無法な侵略戦争であることが、いよいよ明りょうとなった。また、米軍がファルージャにおいて住民への無差別攻撃を行うなど、無法な武力弾圧路線を進めていることがイラク情勢の深刻な悪化を招いている。さらに、陸上自衛隊の派兵先のサマワが「非戦闘地域」だとしてきた政府の説明も、いよいよ成り立たなくなっている。すでに自衛隊の宿営地に対して8回にわたる迫撃砲、ロケット砲などによる攻撃がおこなわれたほか、サマワで治安維持活動にあたっていたオランダ軍がおそわれ、兵士6人が死傷するという事態も起きた。
そもそも自衛隊のイラク派兵は憲法違反であるが、政府自身の派兵の口実が崩れる中、その延長を強行することは、言語道断の暴挙である。
このまま派兵を続けるならば、日本は無法な侵略戦争の共犯者として国際的に孤立するばかりでなく、自衛隊がイラク国民と「殺し、殺される」というとりかえしのつかない事態が引き起こされかねない。
よって、国におかれては、イラクからの自衛隊の撤退をただちに行うことを強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年12月 日
衆議院議長 河 野 洋 平 殿
参議院議長 扇 千 景 殿
内閣総理大臣 小 泉 純一郎 殿
外務大臣 町村信孝殿
防衛庁長官 大野功統殿
京都府議会議長 田 坂 幾 太
イラクヘの自衛隊派遣延長の撤回を求める意見書(案)
民主提案 不採択(賛成 民)
政府は、イラクヘの自衛隊派遣の延長を閣議決定した。昨年のイラクヘの自衛隊派遣「基本計画」の際と同様に、国会が閉会されてからの決定という政府の姿勢は、国会を軽視し、説明責任を何ら果たそうとしない小泉政権の有り様を極めて特徴的に表している。
米国によるイラク戦争に大義がなかったことに議論の余地はない。加えて、ファルージャでの掃討作戦等によって罪無きイラク国民の多くが死傷し、米国に対する反発が一層層強まるとともに、同盟国として自衛隊派遣を行うわが国に対する見方も厳しさを増している。
イラクヘの自衛隊派遣をめぐる現在の政府の憲法解釈・法解釈は、わが国の将来に極めて重大な禍根を残しかねない。イラク特措法の定める「戦闘地域」「非戦闘地域」の区分けは言葉の遊びに過ぎず、米国がイラク全土を戦闘地域と定めているように、「非戦闘地域」など今のイラクに存在しないことは明白である。
イラクでの自衛隊の主な活動である給水活動は、日本からの無償支援による給水設備の整備や仏系NGOのサマワでの給水活動の継続などにより充実が図られてきており、イラク人に自衛隊の給水技術と必要な設備などを譲渡し、彼ら自身の「自立」を促進していくことが必要な段階に移行しており、政府の説明する派遣の意義も急速に失われつつある。
何よりも、自衛隊の宿営地内にも続けてロケット弾などが打ち込まれ、あるいは自衛隊の安全を確保してきたオランダ軍の撤退が明らかとなるなど、イラク特措法第9条に定める「自衛隊の部隊等の安全の確保に配慮しなければならない」との要件は今後いっそう満たされなくなり、隊員を無為の危険にさらすことにつながることは疑いようもない。
いま日本に求められているのは、イラク国民議会選挙を公正・誠実に実施できる環境にしていくために、米国による掃討作戦の停止及びイラク人らによるテロ行為の停止によって治安回復をはかり、日米同盟に基づく信頼関係を軸としながら、国連を主体とした国際協調による人道復興支援・治安維持対策を進めることにある。
よって、国におかれては、イラクヘの自衛隊の派遣延長決定を撤回し、速やかに自衛隊の撤退を行われるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年 月 目
衆議院議長 河 野 洋 平 殿
参議院議長 扇 千 景 殿
内閣総理大臣 小 泉 純一郎 殿
外務大臣 町村信孝殿
防衛庁長官 大野功統殿
内閣官房長官 細田博之殿
京都府議会議長 田 坂 幾 太
京都府のリハビリテーション医療の充実を求める決議(案)
日本共産党議員団提出 不採択(賛成 共)
高齢化社会を迎え、リハビリテーション医療の提供とマンパワーの確保、基盤整備等、供給体制の確立は一層重要なものとなっている。こうした中で、府議会は「府立医大にリハビリ政策の拠点として急性期リハビリの充実をし、地域リハビリ支援機能の整備等をすすめる」ための予算を議決した。
しかし、今日、高齢者のみならず、子ども、成人もふくめて、障害者の早期自立と社会復帰をめざして、急性期、回復期、維持期の一貫した医療リハビリテーションにとどまらず、生活、職業リハビリ等の総合的リハビリテーション提供体制の充実がますます求められている。
よって、京都府においてはリハビリテーション医療の充実のため、次の事項について特段の措置を講ずるよう求めるものである。
1 京都府立医科大学にリハビリテーション医学教室を設置すること。
2 発病から社会復帰までのリハビリテーション対象疾患全体の治療を行えるリハビリテーションセンターを設置すること。
3 京都府は、地域支援ならびに京都府全体のリハビリテーション機能を引き上げられるよう、コントロールセンターの役割を発揮すること。
以上、決議する。
平成16年12月 日
京 都 府 議 会
定率減税の縮小・廃止に反対する意見書(案)
日本共産党議員団提出 不採択(賛成 共)
政府税制調査会は、所得課税の定率減税を「06年度までに廃止する」と答申し、また、与党税制協議会は、06年度までの全廃を念頭に、05年度については減税率、減税の上限額をともに半減することで合意した。しかし、仮に定率減税が全廃されれば、総額3.3兆円もの負担増が国民に押し付けられることになる。
所得税額や住民税額は、各世帯の状況や年収によって税額が変化するため、定率減税廃止の影響は各世帯によって異なるが、年収500〜600万円のモデル世帯(専業主婦、子ども2人)の場合、増税比率が最高の22.0%となり、年収600万円の世帯で年間5万6千円の負担増になると試算されている。
さらに、定率減税廃止によって所得税が増えるため、所得税額等を基準に決まる保育料などの負担も増加する。
家計所得が深刻な時、定率減税の縮小・廃止による大増税が実施されれば、働き盛り、子育て世帯に、大きな負担増を強いることになり、日本経済及び京都経済に大きな打撃を与えることは予想に難くない。
よって、国におかれては、定率減税の縮小・廃止を行わないよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年12月 日
衆議院議長 河 野 洋 平 殿
参議院議長 扇 千 景 殿
内閣総理大臣 小 泉 純一郎 殿
総務大臣 麻 生 太 郎 殿
財務大臣 谷 垣 禎 一 殿
経済財政政策担当大臣 竹 中 平 蔵 殿
京都府議会議長 田 坂 幾 太
「三位一体改革」を国の財政再建の手段に利用しないことを求める意見書
与党4会派提案 採択(賛成 自 民、公、新政)
真の三位一体改革は、国の関与と権限を廃止・縮減し、地方の自主性や裁量権を拡大するという地方分権改革を財政面から保障するものであり、決して地方に負担を押しつけるものであってはならない。
しかしながら政府案は、地方の改革案には含まれていない国民健康保険を対象とするなど、地方六団体の改革案の主張とはかけ離れた不十分なものとなっている。
加えて、地方交付税改革について、安定的な財政運営に必要な一般財源の総額を確保するとされたものの、一方で財務省は、地方歳出の縮減、地方交付税の大幅削減が必要との主張を依然繰り返している。これは、三位一体改革の名のもとで、国の財政再建を図ろうとするものであり、決して許されるものではない。
よって、国におかれては、地方交付税等の一般財源総額の確実な確保を図るとともに、引き続き国と地方の協議を通じて、地方の改革案の趣旨に沿った解決を図り、地方分権改革の本旨にかなった真の三位一体改革を実現されるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年12月17日
衆議院議長 河 野 洋 平 殿
参議院議長 扇 千 景 殿
内閣総理大臣 小 泉 純一郎 殿
総務大臣 麻 生 太 郎 殿
財務大臣 谷 垣 禎 一 殿
経済財政政策担当大臣 竹 中 平 蔵 殿
京都府議会議長 田 坂 幾 太
● 12月9日の本会議で全会一致で採択された意見書です
北朝鮮による虚偽の証拠資料提出に抗議し日本人拉致事件の早期全面解決を求める意見書
全会派提案 (賛成 全会派)
北朝鮮による日本人拉致問題は、小泉総理の二度の訪朝にもかかわらず、完全解決にはほど遠い状況が続いている。
昨日、政府の発表により、第3回「日朝実務者協議」で、北朝鮮側が「横田めぐみさんのもの」として日本の代表団に託した遺骨に対するDNA鑑定結果は、別人のものであることが判明した。
北朝鮮のこの行為は、「日朝間に存在する諸問題に誠意をもって取り組む」とした、日朝平壌宣言に反する不誠実なものであり、日本国の主権と日本国民を愚弄するものである。かかる卑劣な行為は断じて許すことはできない。
よって、政府においては、北朝鮮外交の基本方針として「対話と圧力」を打ち出しているが、今回、判明した北朝鮮の許されざる虚偽の証拠資料提出に対して厳重な抗議を行うとともに、毅然たる態度をもって交渉に臨み、拉致被害者の徹底した消息究明、拉致事件の早期全容解明に努めるよう、強く求めるものである。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年12月9日
衆議院議長 河 野 洋 平 殿
参議院議長 扇 千 景 殿
内閣総理大臣 小 泉 純一郎 殿
外務大臣 町村信孝殿
国家公安委員長 村田吉隆殿
警察庁長官 漆間 巌殿
京都府議会議長 田 坂 幾 太