予算特別委員会知事総括質疑に西脇・松尾議員
2月定例府議会予算特別委員会は3月5日、知事総括質疑を行ない、日本共産党府議団から西脇いく子議員(京都市下京区)、松尾孝議員(京都市伏見区)が質問に立ち、国保問題、中小企業支援などで、山田知事の姿勢をただしましたました(写真、上から)。
西脇議員はまず、高校生の修学保障問題について質問。府が提案している「私学高校生授業料実質無償化」が、年収350万未満の世帯に限られているためわずか3%しか対象にならないこと、他府県の私学に通う高校生は排除されていること、私学の負担が前提となっているため受けられない例があることの三つの問題点を指摘。よりよい制度への拡充を求めました。知事は「トップクラスの制度」とくり返し、これに背を向けました。
次に西脇議員は、来年度国保料(税)引き上げを提案している府内自治体が10に上るなど、深刻な国保問題について質問。知事就任前には7億円あった市町村国保への独自の助成金を廃止したことを追及。独自助成を続けている他県の例を紹介し、国保料の引き上げを食い止めるため、助成金を復活すべきと求めました。知事は、「未来づくり交付金として市町村が自由裁量で使えるようにした」と答弁しましたが、西脇議員は「未来づくり交付金の国保助成は一昨年に廃止された。知事も知っているはず」と反論し、「府民を救う態度を示して頂きたい」と迫りました。
最後に西脇議員は、子どもの医療費を府の制度として小学校卒業まで通院も無料にすることを求めました。
西脇議員の質問と知事答弁(大要)はこちら
松尾議員はまず、市町村合併の評価について質問。「合併が農村の疲弊を促進したという説があるが、うなずける」という書面審査での他会派議員の発言も紹介し、役場の職員が激減して保育所の所長さんも半分が臨時職員となっている例も示して、知事の認識をただしました。「合併にはメリットもデメリットもある」「議会が議決し、市町村長が責任をとってやられた」という知事に対し、松尾議員は「小泉構造改革の下で、京都の市町村合併を推進してきた責任が知事にあることは間違いない」と指摘し、小さい市町村も含め、しっかり援助していくことを求めました。
次に松尾議員は、トステム綾部工場閉鎖問題について質問。議員団が取り組んだアンケートにトステムの労働者から「退職届を出さないと、退職金を減額するとか、解雇するとかいわれ、脅しとも感じられた。自分の意志で止めたわけではないので、強制するのは違法だと思う」という声が寄せられていることも紹介し、退職強要を撤回するよう強く求めるべきと迫りました。「コンプライアンス(法令遵守)を強くトステムに求めていきたい」という知事に対して、松尾議員は、府がトステムの労働者に対して緊急雇用対策を実施することを求めました。
最後に松尾議員は、スクール・ニューディール事業のデジタルテレビ購入問題で、地元業者優先の分割発注をせず一括発注し、東京に本社のある大塚商会が落札した問題で質問。この問題では中小企業庁の担当者も「中小企業の受注機会を確保することが望ましい」と述べており、他の自治体で分割発注している例もあることを示し、「業者の方に少しでも応援しようという気持ちがなかったのではないか」とただしました。知事は、「今後は分割発注できるように、文科省の方にも制度的な問題も含めて検討していただくよう求めていきたい」と答弁しました。
松尾議員の質問と知事答弁(大要)はこちら