丹後の 丹後通学圏の高校再編・統廃合計画の策定に抗議し、撤回を求める(声明)
本日、府会議員団は、丹後教育権の高校再編・統廃合計画策定に抗議し撤回を求める団長声明を発表しました
2017年3月9日
日本共産党京都府議会議員団
団長 前窪 義由紀
丹後の子どもたちの未来と地域の在り方に重大な影響を与える
丹後通学圏の高校再編・統廃合計画の策定に抗議し、撤回を求める(声明)
1. 京都府教育委員会は、3月9日の定例教育委員会において「生徒減少」を理由とした丹後通学圏の高校再編・統廃合について、6つの高校のうち14キロ離れた宮津高校と加悦谷高校、20キロ離れた網野高校と久美浜高校を一つの高校に統合し「学舎制(キャンパス化)」とし、海洋高校と峰山高校はそのまま存続させ、宮津高校伊根分校、峰山高校弥栄分校、網野高校間人分校の3分校を弥栄分校の校地に統合し「京都フレックス学園構想」にもとづく学校とする再編・統廃合計画の策定を強行した。定例教育委員会では、委員から「学舎制に賛成は16.9%にしか過ぎないとあるが、これは本当ですか」「まだ理解されていない部分がある」「心配な声が多い」などの懸念や意見も出された。それにもかかわらず、パブリックコメント(意見公募手続制度)を実施しないなど、府民への理解と合意に背を向けた「見切り発車」である。
2.一昨年夏から始まった教育委員会の「検討会議」や「懇話会」では、「拙速な計画策定は無理がある。乱暴なやり方だ」との声があがり、「中学生や保護者は、普通科志向が強く、入学時点で明確な進路目標を持っている生徒は少ない」「交通面が不便で、通学負担を考えると地元の高校に通えることが一番大切」などの意見や、「規模が小さいからこそ一人ひとりを丁寧に指導できる」「1学級40人が無理なら、20人程度の少人数教育を」の要望が出された。
また、地域住民による「丹後・与謝の高校再編問題を考える会」が呼びかけ、学習会やつどい、住民アンケートが取り組まれた。そして、加悦谷高校の地元・与謝野町では、同窓会やPTA会長などが「町民にとってかけがえのない財産、生活基盤の高校を守ろう」と「か矢織りなす会」を立ち上げ、「加悦谷高校を本校として残す」という町民ぐるみの運動がすすめられた。さらに、京丹後市議会、与謝野町議会は、府教育委員会に対して「地域住民の声を聴き、丁寧な説明をすること」などの「意見書」を全会一致で可決し提出した。
3.こうした中、昨年9月に府教育委員会は、小中学生の「保護者へのアンケート」を実施せざるを得なくなった。その結果、「今後の在り方」として一番多かったのは「本校継続」で32.4%、「学舎制」は16.9%と最も少なく、「高校に必要だと思う教育内容」では「普通科教育」が84.8%という結果となるなど、今のままの高校を充実してほしいという声が圧倒的多数である。
しかも、伊根、間人、弥栄分校は小規模ではあるが、生徒会活動もクラブ活動も活発に行なわれ、生徒が生きいきと学んでいるにもかかわらず、「分校の在り方」については「検討会議」でのまともな議論もなく、保護者へのアンケートでは一言も触れられていない。これは生徒や保護者、住民から、教育委員会からも評価されてきた分校教育の切り捨てに他ならない。
4.今回の府教育委員会による再編・統廃合計画の策定は、昨年6月の「在り方懇話会」において、「学舎制」導入と「フレックス学園構想」を打ち出して以来、広域であり交通の利便性が低い丹後通学圏にはふさわしくないと指摘されてきた。わずか9か月での「再編ありき」の強行であり許されない。
これは、府立高校の適正配置の名のもとに、丹後通学圏の「府立高校減らし」をすすめ、「進学校」「職業専門学科」「特徴ある部活動」「フレックス高校」などに再編し、「特色化」と「多様化」をすすめるものである。
我が党議員団は、丹後の子どもたちの未来と地域の在り方に重大な影響を与える「高校再編・統廃合計画」の策定に抗議し、撤回を強く求めるとともに、丹後の住民の皆さんと力を合わせて、引き続き奮闘するものである。