議員団活動

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府知事へ新型コロナウイルスの感染拡大対策への緊急申し入れ(第3次)

2020/05/07 更新
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 20200507第三次申し入れ➀.jpg 5月6日までとされていた緊急事態宣言が全国を対象として5月7日以降31日まで延長されることとなりました。また京都府は引き続き「特定警戒都道府県」とされました。

コロナウイルス感染症の現状は、無症状感染の拡大や医療体制の厳しさなど、予断を許さない状況です。また、この間の「外出自粛」「営業自粛」「休校」等により、あらゆる府民生活や地域経済などに深刻な影響が出ています。こうした中、京都府は「外出自粛要請」と「営業自粛要請」等を引き続き継続することを発表しました。

しかし、政府の発表では、医療・検査体制の抜本的な強化や、休業要請に伴う補償など長期化を見据えた支援策はほとんど触れられていません。人材も資材も枯渇するギリギリの状況で奮闘されている医療現場や、長引く自粛によるかつてない深刻な影響が続く観光関連や飲食業、小売りなどの京都経済を支える中小零細業者や農林水産業、児童・生徒への非常時にふさわしい緊急対策とともに、長期化を見据えた財源確保や体制強化など中長期的な対策が求められています。

7日、こうした状況を踏まえ、日本共産党府会議員団は京都府知事に対して、第三次の緊急申し入れを行いました。申し入れは原田完議員団長、光永敦彦団幹事長、馬場こうへい府議団コロナ対策本部事務局長が行ないました。

 

 

 

2020年5月7日

京都府知事 西脇隆俊 様

 

新型コロナウイルスの感染拡大対策への緊急申し入れ(第3次)

 

                         日本共産党京都府会議員団

                              団長 原田 完

 

新型コロナウイルス感染症対策に昼夜を分かたずご尽力いただいていることに感謝と敬意を表するとともに、5月6日までとされていた緊急事態宣言が全国を対象として5月7日以降31日まで延長されることとなり、また京都府は引き続き「特定警戒都道府県」とされ、たもとで、我が党議員団も、ひっ迫する医療や営業、暮らしを支えるため全力をあげるものである。

コロナウイルス感染症は、無症状感染の拡大や医療体制の厳しさなど、予断を許さない状況である。またこの間の「外出自粛」「営業自粛」「休校」等により、あらゆる府民生活や地域経済など、深刻な影響が出ている。こうした中、京都府は5月5日に開いた第15回コロナウイルス感染症対策本部において、「外出自粛要請」と「営業自粛要請」等を引き続き継続することが発表された。

しかし、政府発表では、医療・検査体制の抜本的な強化や、休業要請に伴う補償など長期化を見据えた支援策はほとんど触れられていない。人材も資材も枯渇するギリギリの状況で奮闘されている医療現場や、長引く自粛によるかつてない深刻な影響が続く観光関連や飲食業、小売りなどの京都経済を支える中小零細業者や農林水産業、児童・生徒への非常時にふさわしい緊急対策とともに、長期化を見据えた財源確保や体制強化など中長期的な対策が求められている。

ついては、本府におかれては、国の二次補正予算を求めるとともに、京都府として非常時にふさわしく、追加補正予算を速やかに提案し、現行制度に加え、制度から外れた府民を市町村と連携し救済するため、以下の項目について取り組まれるよう要望する。 

 

記 

1、情報発信力を飛躍的に高めるとともに今後の見通しを示すことについて

(1)影響が長期化し、また各種支援制度が実施されていく中で、相談窓口や支援制度、さらに支援制度の受付時期や要綱など的確に情報発信するとともに、必要な情報を可視化するなど、情報弱者も含め、府民だれしもがわかりやすく必要な情報がとどく努力を行うとともに、ふさわしい相談支援体制を強化すること。

(2)先行きが見えないことによる不安や疲労が広がっており、京都府として、自粛要請等の解除の基準と根拠など、専門家の知見を踏まえ、積極的な情報開示と府民の努力が具体的な基準で理解され見通しが示せるようにすること。

(3)府民の分断をあおるようないわれなき中傷等を断固許さず、また被害を受けた府民への相談や支援策を丁寧に取り組むこと。また特殊詐欺などの被害に遭わないよう啓発や相談に積極的に取り組むこと。

 

2、医療・検査体制の整備と支援策について

(1)京都検査センターの拡充と保健所体制強化など、地区医師会等の協力を得て、検査ができる体制を引き続き強化するとともに、京都府入院医療コントロールセンターの専門家等の体制強化により、感染の実態把握や、検査から入院、ホテル待機まで一貫した情報の一元管理と迅速で的確な判断ができるようにすること。

(2)新たな病床確保とそのための財源措置の独自引き上げや、公立・民間を問わず支給し、特殊勤務手当を引き上げること。

(3)「医療資器材の確保と安定供給に全力をあげるとともに、帰国者・接触者外来医療機関や感染症指定医療機関はもちろん、地域の医療機関や診療所などかかりつけ医への支援医療や介護等の現場に、いつ頃までに、どれくらいの量が供給できるのか、そのメドを示せるよう関係機関と連携して取り組むこと。

(4)地域医療の崩壊を招かないため、検診の自粛や利用者の減などによる影響を受けるすべての開業医や訪問看護をはじめ医療機関等への財源補償など、支援策を具体的に示すこと。

 

3、「自粛と一体の補償」を一刻の猶予なく実施することについて

(1)5月6日までの休業要請事業者への支援給付金の受付が始まったが、今回の自粛期間の延長に伴う支援給付金を速やかに具体化するとともに、要請事業者如何にかかわらず、影響の出ている事業者等も対象とし、また金額の引き上げを行うこと。また給付金が他市町村と同様に受けられるよう府内事業者の6割が集中する京都市と積極的に協議すること。

(2)エッセンシャルワーカーへの労働安全対策や生活支援策をはじめとしたきめ細やかな支援策と財源補償を行うとともに、エッセンシャルワーカー確保策を関係機関等と連携して特別に強化すること。

(3)相談や申し込みが集中し、制度利用に時間がかかっている。迅速な実施のために、受付・相談体制を至急に強化すること。また、新規開業や開業予定者など、現行制度に該当しないとされる事業者等についても対応できるよう、柔軟な制度運用や新たな支援策を検討すること。こうした事業者等について、寄り添い型支援策の体制をとること。

(4)自粛要請によって直接・間接に影響をうけているすべての中小・小規模事業者・フリーランス等への損失補填を国に求めるとともに、京都府として家賃・地代・水光熱費・リース代など固定費への支援を至急に行うこと。

(5)大学・専門学校等の学費の減免・猶予、学費の返還などへの支援策を国が行い財源補償をするよう求めること。同時に、内定取り消しやアルバイトの減少などによる影響を受ける、学生や若者への支援とともに、京都府として臨時的に職員やアルバイト採用を行うなど、率先した支援策を講じ、学生等に希望を示すこと。

 

4、児童・生徒への教育的支援について

(1)休校延長に伴う長期化が学習や健康をはじめ様々な影響が出ており、児童・生徒の実態をきめ細かく把握するとともに、教育相談支援体制をいっそう強化すること。

(2)IT等を活用した教育権補償等の取り組みが格差なく行われるようにするとともに、クラスや学年、地域など子どもたちのコミュニティや人間関係が構築できるようにすることが急がれるため、専門家の知見を踏まえた感染防止対策をとった上で、また、保護者や本人の納得を前提に、様々な形をとった登校など特別の努力を行うとともに、それにふさわしい支援・人員体制をとること。

(3)中学3年生の進路を考える時期になってきており、少なくとも府立学校や私立高校等の紹介を例年以上に詳しく行えるよう特別の工夫や、現行府立高校選抜制度のあり方について、見直しの検討を行うこと。また高校3年生など進路選択への特別の支援策を講じること。

(4)長期化により、ネグレクトや虐待、貧困、引きこもりなどの深刻化等に対し、関係機関と連携し機動的に対応できる特別支援体制をとること。

 

5、緊急事態宣言の延長をふまえ、長期的な対応を見据えた対策について

(1)政府に対し、暮らしや営業、雇用等の影響の深刻化と長期化があるだけに、速やかに第二次補正予算の編成を行うよう求めること。その際、わずか1490億円にとどまっている医療提供体制等支援・構築のための「新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金」や、1兆円しかない「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」を抜本的に増額するよう強く求めるとともに、京都府として実態に応じた支援策を、それをまつことなく具体化を図ること。

(2)予算や執行体制を新型コロナウイルス対策型にするため、事業等の中止や延期、見直しを大胆に行い、当初予算の組み換えによる財源確保や6月議会をまつことなく、5月臨時議会に追加補正予算を速やかに編成し提案すること。

(3)「京都検査センター」の設置や、宿泊施設での軽度者等の受け入れ、新たなコールセンターの設置など、府職員の業務負担の増加と期間の長期化による影響が出ている。また気温も高くなっていく時期でもあるだけに、負担軽減やメンタルも含めた健康管理に万全を期すこと。また体制強化の上でも、緊急雇用も含んだ取り組みに踏み出すこと。

 

以上

新型コロナ緊急申し入れ(第3次).pdf