6月4日、6月府議会臨時会が開かれ、コロナ感染対策の補正予算を議決しました。提案された補正予算は、緊急事態宣言が20日まで再延長されたことを受け、その対策費313億7,100万円を追加するもので、そのうち事業者への協力金や支援金が、287億3,600万円と大半を占めるものとなっています。その他感染症対策を含め共産党議員団は賛成しました。
議案討論には島田けい子議員が立ち、医療検査体制の問題点を指摘、緊急事態宣言の対応、協力金の給付、ワクチン接種をはじめ、増え続け継続している業務に対し、知事として、財源、人員体制、政策資源を集中する決断こそ必要と指摘しました。
2021年6月臨時会
島田 けい子議員(日本共産党・右京区)議案討論 6月4日
日本共産党の島田敬子です。議員団を代表し、ただ今議題となっております、第一号議案「令和3年度京都府一般会計補正予算(第6号)」に賛成の立場から討論を行います。
議長のお許しをいただき、一言申し上げます。新型コロナ感染者の国内累計感染者は全国で75万5,429人、死亡者は1万3,384人となり、京都府内感染者は1万5,963人、死亡者は連日増え続け、218名もの尊い命が奪われました。無念にもお亡くなりになられた方々のご冥福を心からお祈りしますとともに、療養中の皆様の一日も早い御回復を祈念します。そして、最前線でご尽力いただいている医療従事者をはじめとする現場の皆さん、府職員の皆さんに、敬意と感謝を申し上げます。
この度の補正予算は、新型コロナウイルスの緊急事態宣言が20日まで再延長されたことを受け、その対策費313億7,100万円を追加するもので、そのうち事業者への協力金や支援金が、287億3,600万円と大半を占めるものとなっています。十分な補償は、経済対策・生活防衛であるとともに、感染拡大を抑止するうえでも必要不可欠です。これまで、令和3年度5回目の補正予算となりますが、総額1,224億7,400万円となり、そのうち1,064億円が協力金となっていますが、帝国データバンク京都支店の4月発表では、昨年度の府内倒産件数は、3年ぶりの増加となる246件、負債総額は前年比25.5%増となり、「サービス業や小売業、製造業など幅広い業種で負債総額が増えています。コロナの長期化が、地域経済に大きなダメージを与えているのであり、資金面の支援を得られない企業の倒産が、今後も増加する可能性が指摘をされています。
今回の補正予算で飲食店などへの時短営業協力金の延長とともに、飲食店に酒類を販売する業者への支援金が盛り込まれましたが、前年同月比50%以上の減少という、国の月次支援金の給付決定を受けているものとなっており、すべての事業者を直接支援するものとなっていません。これらの要件緩和が必要ではないでしょうか。
厳しい地域経済全体を底上げするために抜本的な支援策の強化とともに、緊急の消費税減税が必要です。さらに、すべての中小企業・事業所の事業継続を直接支援できるよう、2度目の持続化給付金の支給や「月次支援金」の増額と迅速化、損失補填、借り入れの返済猶予、家賃支援が必要です。労働者の雇用を守りぬくための雇用調整助成金コロナ特例は、細切れではなく収束まで延長すること、一律10万円の給付を直ちに実施するなど、生活支援を強化すべきと考えます。現場の実態を把握したうえで、国へ強力に求めていただくことを求めます。
次に、ワクチン接種を促進するために、府の大規模接種会場を2か所設置し、運営費経費や医療従事者を確保・派遣するための費用および、医療機関への個別接種支援を強化についてですが、ワクチン接種の促進は当然必要ですが、現場からは、医療機関ひっ迫状況が続く中、研修医を動員して維持している病院もあるなど、余力がない中でワクチン接種を急がされると、本来の診療に多大な影響が及ぶのを危惧する声も寄せられております。
そもそも、日本の新型コロナウイルス対策のワクチン接種は、人口100人あたりの接種回数は、世界の国・地域で130位と異常な遅れに加え、東京五輪を目前に控える中、焦る菅首相が、「高齢者接種を7月末に完了」「1日100万回接種」など、現場の実態を無視した目標を強制し、上から無理やり期間の前倒しを押しつけたことが、自治体や医療機関に混乱を招いているのです。
この間のコロナ禍でも救急病床を削減したうえ、これを促進する病床削減法案が、今国会で強行可決されました。また、75歳以上の高齢者の医療費窓口負担を2倍に引き上げる法案も、昨日、参議院厚生労働委員会で可決を致しましたが、このような重大法案を強行した政府に、厳しく抗議を表明しておきます。
次にPCR検査についてですが、高齢者・障がい者施設の従事者に対するPCR検査を、通所系事業所に拡大することは現場の強い要望であり、我が会派も求めてきたもので評価するものですが、6月末まで1回のみ実施であり全く不十分です。また、医療機関におけるPCR検査が定期的に行われていないところも残されています。感染力が強い変異株が猛威をふるう中、クラスターの発生を防ぎ、患者と従事者の命を守り、医療崩壊・介護崩壊を防ぐために、高齢者施設・医療機関・障がい福祉施設の職員・入所者への頻回検査を、最低週1回に拡充し、保育園、学校などにも対象を広げる等、社会的検査の拡充が必要です。無症状者に焦点をあてたモニタリング検査を、1日に10万件に引き上げることも求められます。
5月6日、自宅療養中だった20代男性が亡くなるという、痛ましい事態が起こりました。ご本人は入院を希望されていたにもかかわらず、京都府入院コントロールセンターにより入院基準に該当しないとされ、宿泊療養施設への入所にもつながらないままの死亡でした。その経緯の解明や府と市の間での情報共有に問題がなかったか、徹底した事実究明が求められています。
加えて、5月26日には、京都府の宿泊療養施設において、療養中の患者さんが亡くなられました。現在、府においては専門家を入れての検証作業が行われておりますが、本来、病院へ入院し早期治療が必要な人が、ホテルや在宅療養を余儀なくされている中でおこった事態でありますから、検証を急ぎ、二度とこのようなことが起こらないように緊急に改善策を打つことを求めます。
基本的には、病床確保など入院できる環境整備が重要でありますが、医療ひっ迫の状況下では、やむなく設けられた宿泊療養施設において、医療の在り方や出務する医療職の対策マニュアルを見直すとともに、宿泊療養施設における医療職の配置を強化し、24時間いつでも必要な医療が提供されるよう体制強化を行うこと、必要に応じて出務する医師による対面診療を可能とすること、すべての入所者に対して容体に応じた検査へのアクセス、急変時の往診、入院への切り替えなどの必要な対応ができるよう、体制整備することが急務であると考えます。市民が自宅療養や宿泊療養施設で、医療が受けられないまま命を落とすという事態を決して生まないために、重ねて要望を致します。
また、緊急事態宣言の対応、協力金の給付、ワクチン接種をはじめ、増え続け、継続している業務に対し、知事として、財源、人員体制、政策資源を集中することの決断こそ必要です。
その点でも、オリンピック開催に膨大な資源を投入されることに対し、圧倒的な国民が疑念を抱いています。感染の心配もあり、ボランティアも1万人辞退されたことが報じられています。知事としても今夏の五輪開催の中止を求めるべきです。そして、先日京都スタジアムで開催された、聖火リレーに関わって、中継車等が走ったことで、芝生が損傷したことが全国ニュースでも流れ、恥ずかしい事態を招きました。しかも聖火ランナーとして参加された方にも、嫌な気分を余儀なくされたのではないでしょうか。この責任は重大です。なぜそうなったのか、誰の責任で芝の改善をするのか、ランナーやスタジアム関係者などにどう対応していくのかなど明らかにし、迅速な対応を求めておきます。以上で討論を終わります。
ご清聴ありがとうございました。
2021年6臨‗島田けい子議案討論.pdf