新型コロナ感染症緊急申し入れ 大雨被害対策も緊急申し入れ
23日、府議団は西脇知事に対し「新型コロナ感染症の感染爆発から府民のいのちを守ることを求める緊急申し入れ」と「令和3年8月12日からの大雨よる被害対策についての申し入れ」を行いました。申し入れは光永敦彦幹事長、島田けい子副団長、山内よし子、西脇いく子、迫祐仁、ばばこうへい、浜田良之の各議員が行いました。
新型コロナ感染症の感染爆発から府民のいのちを守ることを求める緊急申し入れ
日本共産党京都府会議員団
団長 原田 完
新型コロナ感染症は、感染力が極めて強い変異株への置き換わりをきっかけとして、全国では8月20日に2万5858人、京都府でも8月20日には、548人という過去最多の新規感染者が確認されるなど、第5波において過去最悪ペースで急激な感染拡大状況となっています。こうした中、確保病床使用率が71.3%、重症病床使用率が66.2%(21日現在)となるなど、京都府でも医療への負担も急激に深刻さを増し、在宅療養や宿泊施設療養を余儀なくされる事態が再び広がり、中でも自宅療養者への支援や医療提供が厳しい事態に陥っています。
また、医療現場では、危機的な状況を余儀なくされ、いくつかの保健所においては、積極的疫学調査を実施できない極めて厳しい状況に直面し、府民に不安が広がっています。さらに、ワクチン接種も国のワクチン供給が依然として不透明な上に、ブレイクスルー感染、若年者への感染の広がりなど、感染力の強いデルタ株などの変異株が拡大し続けています。
こうした災害級の新たな局面に対し、緊急に府民のいのちを守ることを第一とした対策へと切り替えるとともに、そのためにも医療の逼迫を改善することが喫緊の課題となっています。
ついては、京都府におかれては、政府の「入院制限」方針の撤回を求めるとともに、以下の項目について至急に取り組まれるよう強く要望します。
- 急増している自宅療養者や宿泊施設療養者が、急激に増悪して重症化し、命を脅かされる事態を避けることが緊急に求められています。重症化させないことは、早期退院にもつながり、医療逼迫を改善し、必要な方が入院できる条件を広げることにもなります。そのため、入院待機ステーションや宿泊療養施設について、臨時的医療施設登録を行い、増床や形態の改善、医療機関の支援体制を整備し、「中和抗体療法」等を使用し、命を守ること。
- 感染の新たな事態に対応できるよう、臨時的医療施設の設置をはじめ、さらなる病床確保にむけ、医療機関の協力を得て全力を上げること。また、コロナ感染の妊婦さんの産科の救急対応や小児への対応ができる医療機関の拡充も必要です。
さらに、自宅療養者の健康観察のみならず、重症化リスクを早期に発見し、必要な医療を保障するため、開業医等、地区医師会や地域の医療機関との連携が不可欠です。すでに、訪問診療チームの取り組みが進められてきていますが、自宅療養者支援の努力が個別診療所でも始められようとしています。これらの努力を汲みつくし、速やかに医師等による健康観察や訪問診療等が行える体制をとり、重症化リスク患者を一刻も早く把握し、入院や適切な医療が遅滞なく保障できる対策をとること。幅広く医療関係者の協力を得るためにも、すべての医療機関、医療関係者への補償を行うこと。
- 自宅療養者への医療アクセスを保障し、保健所の負担を軽減するためにも、京都市も含め統廃合以前の配置に速やかに戻し、感染症対策に従事する自治体職員により、身近で自宅療養者への生活と療養を支え、地区医師会と連携して必要な外来医療・往診が提供できるように、仕組みを速やかに構築すること。
- ワクチン接種の安定的計画的な実施をすすめるとともに、ブレイクスルー感染、未成年や子どもの感染者の増加など新たな事態に対し、すべての医療・福祉現場などでの定期・頻回検査の実施や、子どもの学習権を保証するためにも学校現場等での検査実施や支援体制、濃厚接触者や症状のある人の速やかな検査ができる体制をとるなど、新たな事態にふさわしい検査戦略をもつこと。
- 災害級の事態に、保健所や医療現場の逼迫と相まって、感染者や濃厚接触者の検査、自宅待機等の症状の変化、入院できない不安など、問い合わせも多数となっています。府民に寄り添うため、相談体制の拡充、具体的な支援策が目に見える形で実施されるようにすることなど、的確な情報発信と府民が安心感を持てるようにするなど、リスクコミュニケーションの充実に努めること。
- 中止を求める圧倒的な世論に対し、菅首相が「安心・安全な大会」と繰り返し開催を強行した東京オリンピックが、国民に誤ったメッセージを与えたことは、人流の状況を見れば明らかです。政府に対しパラリンピックの即時中止の決断を求めること。
令和3年8月12日からの大雨よる被害対策についての申し入れ
日本共産党京都府会議員団
団長 原田 完
8月12日からの記録的大雨による被害は全国各地に広がり、気象予報では今後も前線や台風の接近による新たな大雨被害の発生も懸念されている。
今回、長雨に加え、短期間に集中的な豪雨となった地域で河川が氾濫するなど、新たな特徴を示し、その結果、避難指示が京都市で67,941世帯135,017人、京丹後市4,873世帯、11,272人、合計 72,814世帯 146,289人。高齢者等避難が101,635世帯、 216,322人となり多くの府民が災害発生の恐怖に直面する事態になった。
府内の被害は、府が集約(20日現在)しているだけでも、河川の溢水などによる住家被害が京都市左京区、山科区、東山区などで一部損壊、床上浸水、床下浸水の43 棟。宇治市、城陽市の被害も併せて京都府内で 46 棟にのぼっている。被災者の救援は緊急課題である。
今回の大雨では、災害の発生を繰り返し改修が急がれている京都市の安祥寺川、旧安祥寺川、白川、京丹後市の新庄川などの河川が溢水し被害を発生し、復旧とともに新たな災害発生を防止する緊急対策が必要である。
また、府道宇治淀線の護岸崩落や国道178 号の道路陥没など、各地でがけ崩れや道路の災害による通行止めなどの被害に加え、農業や林業などの被害調査が急がれている。
日本共産党府会議員団は、12日深夜から避難所や災害発生の現場を府内の共産党議員団とともにまわり、また、府域の被害の状況と被災者の要望の聞き取りを行った。その内容を踏まえて関係機関が連携して、京都府が以下のことを緊急に取り組むように強く求める。
1 府域全体の被災者への救済支援に全力をあげること。また、被災者生活再建支援法の適用や、仮に同支援法等が適用されなくても、地域再建被災者住宅等支援制度をはじめ府独自支援策の周知・拡充・弾力的運用など、万全の対応をとること。
2 引き続き、府民の安全確保と被害の全容の把握に全力をあげ、速やかな対応を図ること。特に、生活にかかわる府道をはじめ幹線道路復旧と緊急の支援を行なうこと。
3 市町村と連携し、被害相談の窓口を振興局などに直ちに設置すること。
4 今後予想される台風や集中豪雨などに備え、二次災害を防ぐための道路、堤防・護岸・砂防堰堤・土砂崩れ危険地域などの緊急点検と応急対策を含む改修を急ぐこと。住民の命と安全を第一にした避難のあり方について周知・徹底すること。