新型コロナ感染症第6波の急拡大から府民のいのち・くらしを守るための緊急申し入れ
日本共産党京都府会議員団は14日、新型コロナ感染症第6波の急拡大に対して、府民のいのちとくらしを守るため、京都府に緊急の申し入れをおこないました。
議員団は、オミクロン株の急拡大により府内でもクラスターが発生し、爆発的な感染拡大が止まらない事態となっているにもかかわらず、政府のまん延防止等重点措置など法律に基づく措置は極めて限定的な地域に限られており、事業者等への支援がないままで、このままでは社会の基盤そのものが壊される事態を生みかねないとして、国に対して本格的な対策を求めるとともに、府として緊急に実施すべき5つの項目(①有症者を自宅に取り残さないために、保健所・保健師の配置の増員など、緊急に万全の体制をとること②ワクチン接種を急ぎ、子どもや若者への支援を強化すること③中小事業者の事業が継続できるように、事業者復活支援金の要件緩和と速やかな給付、無利子無担保融資の追加などの支援を具体化すること④生活困窮者への支援策の強化⑤来年度予算編成などでも感染拡大や長期化に備えた見直しをすること)で要望しました。
対応した府危機管理監からは、社会的経済活動について述べているが、感染対策をおざなりにするものではないこと、2月議会へも現状をふまえて予算編成をおこなうこと、申し入れ内容は関係部局にも伝えるとの表明がありました。
2022年1月14日
京都府知事 西脇 隆俊 殿
新型コロナ感染症第6波の急拡大から府民のいのち・くらしを守るための緊急申し入れ
日本共産党京都府会議員団
原田 完
新型コロナウイルスの新たな変異株であるオミクロン株の急拡大により、感染の第6波が全国に広がっている。本府でも、医療機関や高齢者施設でクラスターが発生し、昨日は566人の新規感染者が確認されるなど、爆発的な感染拡大が止まらない状況にあり、命を守ることを最優先とした対策をとることが求められている。
京都府内の医療現場では、緊迫した対応が迫られ、命を守る砦としての保健所では、すでに逼迫した状況が府域全体に広がっている。また、感染に対する不安から飲食店等では客が減少し、経営へのさらなる打撃が襲うなど、府民の健康と地域経済に深刻な影響が広がり続けている。
ところが政府は、国民に自粛を呼び掛ける一方、まん延防止等重点措置など法律に基づく措置は極めて限定的な地域に限るなど、経済を回すことを最優先にした対策に終始している。また京都府も、隣接県に対象を広げてきた観光振興策は、大阪府や福井県の隣接県受け入れ停止措置の範囲で部分的対応に終始するなど、国同様の対応に終始している。
また、事業者等への支援はないままで、わが党議員団も繰り返し求めてきた持続化給付金の再給付は実施されず、ようやく昨年11月に予算化された事業復活支援金も未だに募集すら始まっていない。さらに、コロナの影響を受ける国民生活への支援でも、18歳以下の子どもへの10万円給付では、その支給方法が二転三転することで大きな混乱を招いた上に、住民税非課税世帯や困窮学生への10万円給付も含め、対象も内容も極めて不十分で、政府は果たすべき責任を放棄していると言わなければならない。
このままでは、社会の基盤そのものが、壊されてしまう事態を生みかねない。
よって、感染症法とコロナ特措法の司令塔の役割を担う京都府こそ、コロナ禍の2年間で浮き彫りとなった課題をふまえ、国に対し、感染症法に基づく2類感染症にふさわしい本格的な対策を求めるとともに、府民のいのち・くらしを守るために以下の項目について緊急に実施されるよう強く要望する。
- 有症者を自宅に取り残さないために、緊急に、入院・宿泊療養体制を万全にとるとともに、処遇改善策・マンパワー確保策を示すこと。また、自宅療養患者の健康観察や電話・訪問診療ができるよう、地区医師会や開業医等との連携体制と情報共有ができる仕組みを構築すること。そのためにも、保健所への支援体制の強化、保健所配置を元に戻すことや保健所保健師の配置の増員など、コロナ禍対策で浮き彫りとなった課題の解決を国に強く求めるとともに、府としても本格的な取り組みを行うこと。また保健所が一か所に削減された京都市域の対応について、速やかに行政区レベルで対応できるよう協議し、実行に移されるよう万全の対応をとること。
- ワクチン接種を急ぐとともに、幼児を含む子どもや学生など若者の中にも感染が広がっており、保育や教育・試験を安全に継続することが出来る対策と、学生生活の継続のための支援の強化が求められている。感染リスクの高い医療機関や高齢者施設などはもちろん、集団での生活が避けられない保育や教育の継続のためには、クラスター発生を防ぐことが不可欠であり、必要な現場での検査が定期的かつ継続的に実施できるよう国に対して求めるとともに、府としても体制確保に全力を上げること。保育従事者などの処遇改善と同時に、定数の見直しなど体制の強化を国に求めること。
- 感染の急拡大による影響が、中小零細事業者を中心に深刻さを増しており、すべての事業者が事業を継続することが出来る対策の実施が求められている。国に対し、予算化されている事業復活支援金について、要件の緩和と、速やかな給付を強く求めること。また、これまで実施してきた無利子無担保融資についても、返済開始が目前に迫る中で更なる返済猶予はもちろん、追加融資など、資金繰り対策の強化を国に求めること。同時に、固定費への支援など府として具体化をはかること。
- 各地で実施されている「食料提供プロジェクト」は、学生はもちろん、シングルマザーなど、幅広い方々が列を作る状況が続いている。緊急小口資金や総合支援金の貸し付け、生活困窮者自立支援金などの特例措置が実施されてきたが、2年を超えて影響が長期化する中、生活を継続できるよう公助としての支援策を抜本的に強化すること。
- 来年度の予算編成も含め、更なる長期化や感染拡大に対応するため体制や予算の抜本的な見直しが求められている。事業の延期・見直しをはじめ、予算や体制をコロナ対策に全力が挙げられるものとなるようにすること。
以上