2月定例府議会 最終本会議で成宮議員、西山議員が討論
2月4日に開会した2月定例府議会は、3月15日に閉会しました。今議会には2022年度京都府一般会計予算とともに、数次にわたる新型コロナ感染症対策補正予算など、95件の議案が提案されました。新型コロナ感染症の急速な感染拡大の広がりとロシアによるウクライナ侵略などの影響で府民のいのちと暮らし、営業はかつてない危機にさらされています。党府議団は府民の運動と結んで、府政の転換を求めて議会論戦を行いました。
議案態度について
日本共産党京都府会議員団は。2022年度一般会計予算、府営水道事業会計予算、府個人情報保護条例一部改正の3件に反対しました。他の92件は賛成しました。
議案討論は成宮まり子議員が行いました。討論の全文は以下のPDFをご覧ください。
質問の動画はこちらから
以下、3議案に反対した主な理由です
第1号議案 令和4年度京都府一般会計予算
反対理由の第一は、コロナ禍でいのちを守る医療や介護の現場が崩壊の危機にあり、保健所をはじめ公衆衛生の体制が極めて弱くなっている下で、府は臨時的医療施設の改善や医療提供体制の確保、保健所の抜本的な体制強化などに、全く役割を果たしていない。
第二に、「貧困と格差」が拡大する下で府民の暮らし、とりわけ子育て世帯や高齢者世帯への支援が求められるのに、子ども医療費助成の拡充や学校等への人員体制強化と少人数学級、全員制の中学校給食など経済的支援に踏み出さず、老人医療助成制度拡充や国保料引き下げへの支援などに全く応えていない。
第三に、京都経済の圧倒的多数を占める中小零細企業への独自支援と、これと一体での賃上げ・雇用対策に踏み出さず、中小企業地域振興基本条例制定にも背を向けたままです。府独自に国の支援制度の上乗せや横出し、店舗家賃やリース代等の固定費補助、減収分への支援、コロナ対応資金の返済期間の延長・猶予措置、保証料補給、住宅改修助成制度、伝統産業支援の強化、農林漁業支援などに踏み出すべきだが不十分。
第四に、北陸新幹線延伸や「北山エリア」開発をはじめ、巨額の府民負担を強いる大型開発を、府民に情報を隠し、声も聞かずに推進しています。新名神全線開通やデジタル化、スマートシティ特区申請、大阪・関西万博などをテコに官民一体・大企業主導での事業推進は、自治体のあり方を歪めるものです。水道事業の広域化・民営化推進、消防広域化など、議会や住民への説明や合意なしに推進するのは問題。
最後に、京丹後米軍基地でのコロナ感染をめぐり、府民の安全安心を守る立場で米軍に厳しく対応を求め、日米地位協定の抜本的改定を緊急に要請すべき。また、東日本大震災と福島原発事故から11年を迎える中、原発ゼロを求める世論に背いて老朽原発も含めた原発稼働推進など、府民を守る立場とは言えない。
第13号議案 令和4年度京都府水道事業会計予算
国と一体に、水道広域化推進プランや府営水受水市町の事業・施設統合計画を策定しようとしていますが、そもそも府営水の過大な施設整備と過大な建設負担水量を適正化せず、約13億円もの未使用分も含め高い水道料金を受水市町と住民に押し付け、水道事業会計の悪化を招いてきた責任は本府にあります。わが党議員団は国への支援を求めるなど、府の独自努力を一貫して求めてきました。ところがその役割を果たさず、今度は民営化も視野に広域化を市町村に強引に押しつけるなど、重大であり反対。
第22号議案 京都府個人情報保護条例の一部改正の件
政府はデジタル改革関連法において、「官民のデジタル化」を「成長戦略」と位置づけ、自治体・行政機関などが持つ個人情報を企業に開放し利活用につなげることを目指しています。一連の個人情報保護法の一部改正では、地方自治体における個人情報保護制度について、法律で全国共通のルールを設け、法の範囲内だけで必要最小限の独自の保護措置を許容するとし、自治体が住民に応えて国よりも厳しい規制・保護を行っていることを認めないとしている。
個人情報保護法は、令和4年度から一部施行により、行政機関や独立行政法人等が一本化され、続いて令和5年度には、地方公共団体の機関等も一本化する全面施行が予定されてる。審 議を通じ、全面施行では、現行条例が定めている個人情報は本人から収集しなければならないという原則や、目的外使用・他団体への提供、センシティブ情報の収集の可否などを審議会へ諮問しなければならない、などの規定が法律違反にあたることが改めて浮き彫りになった。
今回の府条例改正案は、法の一部施行に伴うもので、続く全面施行による条例廃止などにつながるものとなり、府民の個人情報を守る地方自治体の役割とは相容れない。
意見書・決議案について
党議員団以下の4意見書・5決議案を提案しましたが、自民・公明・府民クラブ・維新が反対し否決されました。
自民・府民クラブ・公明党の三会派は提案2件提案し、党議員団は、「地方創生と感染対策に資するデジタル化の推進を求める意見書」に反対しました。
共産党府議団提案分
・非核三原則を遵守し「核共有」検討を行わないことを求める意見書
・ケア労働者の大幅増員・大幅賃上げを求める意見書
・北陸新幹線延伸計画の中止を求める意見書
・消費税減税とインボイス制度の実施中止を求める意見書
・子どもの医療費助成制度の早急なる拡充を求める決議
・府立高校へのタブレット導入について全額公費負担を求める決議
・京都府内全ての自治体における安心・安全・全員制の中学校完全給食実施への支援を求める決議
・30人以下の少人数学級の全面実施を求める決議
・コロナ禍での府独自の中小企業支援施策を求める決議
意見書・議案討論は西山議員が行ないました。
請願について
タブレットの全額公費負担を求める請願が7000筆以上の署名をつけて提案されたが、自民・公明・府民クラブ・維新も各会派が反対し不採択となりました。