京都府議会2022年5月臨時議会を終えて
京都府議会2022年5月臨時議会を終えて
2022年5月19日
日本共産党京都府会議員団
団長 原田 完
5月13日に開会した臨時議会が、5月18日に閉会した。
今議会は、京都府知事選挙後初めての議会として、常任委員会・特別委員会委員や各種役職を決定するとともに、コロナ禍の影響への対策のための補正予算審議等を行うため開かれた。
1、本議会に提案された議案7件のうち、第2号議案「京都府府税条例等の一部改正の専決処分について承認を求める件」及び第5号議案「令和4年度京都府一般会計補正予算案」について反対し、他の議案について教育長選任の人事案件と、コロナ感染等緊急事態下で委員が議場に参集できない場合のオンライン出席を可能とする京都府議会委員会条例一部改正も含め賛成した。
第2号議案「京都府府税条例等の一部改正の専決処分について承認を求める件」は、地方税法の一部改正に伴うもので、その内容には、不動産取得税について、医療介護総合確保法に規定する認定再編計画に記載された医療機関の再編事業により、取得した不動産に係る不動産取得税の課税標準を2分の1にする特例措置が含まれており、政府が進める地域医療機関の「再編・統合」を税の側面から後押しするもので、反対した。
第5号議案「令和4年度京都府一般会計補正予算案」の反対の理由の第一は、感染症に罹患した患者が速やかに医療にアクセスでき、必要に応じ入院できることが原則で、自治体としてその体制を整えることこそ必要であるにもかかわらず、施設留め置きの実態解決への方策を講じないまま、入院ができないことを前提として、高齢者施設等への医療提供体制の強化のため、施設内感染専門サポートチームの派遣や、訪問診療機関が医師、看護師等を高齢者施設等に派遣するための体制整備を行うためである。
京都府では、新型コロナ感染症「第6波」までに亡くなられた方が706人で、第5波の7倍となり、高齢者施設と障碍者施設等でのクラスターの発生が相次いだ。京都府保険医協会の高齢者施設・障害児者施設へのアンケート調査では、回答があった120施設だけでも感染者が948人のうち、入院できた人は16%・148人にとどまり、感染後に施設で入院できずに死亡した例が15人も確認された。本府発表でも高齢者施設の死亡者が50人に上ったことは重大である。さらに、自宅で亡くなった人、搬送され病院に到着したもののすでに心肺停止状態だったなど、必要な医療が受けられれば「救えた命」だった可能性もあり、現場からは、治療が十分にできない生活施設で留め置かれた高齢者が衰弱していくのを見守るしかできなかった無念の思いや、施設内でのクラスター発生につながった現状への激しいと苦悩と怒りが寄せられ、この現実を繰り返さない対策こそ最優先に取り組むべきである。
反対の理由の第二は、コロナ禍の保健所の深刻な実態の解決を口実に、保健所業務の民間委託をいっそう進めようとするためである。
4月4日付の国通知ではハーシス入力業務などの業務委託をはじめ、膨大な個人情報を含み、公権力にかかわる業務や保健師などの専門的知識や経験を有する相談、健康観察まで原則委託方針が示されている。本府も同様に民間委託を加速させている一方、保健師増員は5人にとどめ、しかも年度当初から欠員でスタートし、さらに事務職員を3名も減らしていることなど、保健所の公的責任をゆがめるものである。
2、わが党議員団は、議会開会日に、原油・原材料高騰が暮らしと生業に深刻な影響を与えており、その実態調査をふまえ、緊急に5月補正予算の拡充とともに、6月補正予算も含め、府民のいのち暮らし、生業を守るために、対策の抜本的な強化を求める申し入れを行った。
引き続き、議員団あげて調査や懇談を重ね、暮らしと生業を守るため全力をあげる。
3、議会中に「府民的説明も論議もなしに、何がなんでも推進をねらう「北山エリア整備基本計画」は白紙撤回することを求める申し入れ」も行った。
西脇知事が新たに設置したポストに就いた文化施設政策監が対応したが、その場で「これまでもきちんと説明してきたし、これからもきちんと説明していきたい」という主旨の発言をしたことは、何がなんでも推進する姿勢を改めて示したもので、その場で厳しく批判した。引き続き、府民の皆さんと、計画の白紙撤回、府立大学内への一万人規模のアリーナ建設の中止、府立植物園を守る等、力を尽くす。
4、わが党議員団は、議会開会日に、「京都府議会の民主的構成についての申し入れ」を議長および各会派に行い20年以上にわたりわが党会派を主要役職から排除するという不正常な事態の解決を強く求めた。
関西広域連合議会議員は、今年度も指名推薦によりわが党会派から選出された。しかし、常任・特別委員会、予算特別委員会の各正副委員長の選任について、最も民意を反映する会派議員数に応じた指名推薦方式を拒否し、今回も、自民・府民・公明・維新が、わが党会派を排除するための申し合わせを行って投票し、自民・府民・公明の3会派が正副委員長を独占することとなった。これらは議会制民主主義にあるまじき行為である。
維新も含め、いまだ古い枠組みにしがみつき、第二会派のわが党議員団を排除することは、府民的にまったく道理がなく、厳しく抗議する。
参議院選挙が目前に迫ってきた。ロシアのウクライナへの侵略の現実を前に、戦争か平和かが問われるとともに、コロナ禍と物価上昇、さらに貧困と格差が広がる中、国民の苦難解決と、やさしく強い経済への転換が問われる歴史的な選挙となる。わが党議員団は、知事選挙でかかげた要求の実現とともに、参議院選挙での躍進にむけ全力を尽くす。
以上
2022年5月臨時議会を終えて.pdf
議案討論は西脇いく子議員が行いました。
西脇いく子議員 議案討論.pdf
5月臨時議会で選出された議会役員(共産党議員団)
京都地方税機構議会議員 光永敦彦
関西広域連合委員会議員 成宮まり子
議会運営委員会委員 光永敦彦、島田けい子、ばばこうへい
議会運営委員会理事 光永敦彦
予算特別委員会幹事 成宮まり子
政策調整会議委員 山内よし子
広報広聴会議委員 水谷 修
常任委員会 所属
総務・警察 原田完、成宮まり子
府民環境・厚生 光永敦彦、島田けい子、ばばこうへい
文化・教育 山内佳子、森下由美、西山のぶひで
危機管理・建設交通 水谷 修、浜田良之
農商工労働 迫 祐仁、西脇いく子
特別委員会 所属
府民の安心・安全な暮らしに関する 西脇いく子、浜田良之、森下由美
子育て環境の充実に関する 水谷 修、西山のぶひで
魅力ある地域づくりに関する みつなが敦彦、島田けい子、迫 祐仁
新技術を活用した社会創造 原田 完。ばばこうへい
文化、スポーツ振興対策 山内よし子、成宮まり子