京都府発行「北山エリアの整備について 第1号」の配布中止と訂正を求める 緊急申し入れ
日本共産党京都府会議員団は8月9日に、西脇隆俊京都府知事に対し、京都府が発行したニュースレター第1号「北山エリアの整備について」の配布中止と訂正を求める申し入れをおこないました。府議団からは、光永議員、島田議員、山内議員、西脇議員、浜田議員が参加し、京都府は文化施設政策監の中地理事が対応しました。
申し入れでは、府作成のビラについて以下の問題を指摘しました。
第1に、「北山エリア整備基本計画」で示された内容について、今回のビラで示された図と解説は、きわめてあいまいで、府民的批判や不安が大きい府立植物園への通路や商業施設の建設、府立大学に1万人規模のアリーナ建設、旧府立総合資料館跡地に「賑わい施設」などについては全く示していないことです。第2に、ビラでは「整備に関するQ&A」の欄で「よくいただく質問にお答えします」として「植物園はすべて垣根が取り払われて、どこからでも入れる公園になるの?」「植物園の中にショッピングモールのような大規模商業施設やアリーナができるの?」「植物園のバックヤードが削られたり、面積が半分になったりするの?」と、「北山エリア整備基本計画」で示されていない不正確な内容をわざわざ設問にしていますが、こうした設問について府議団から府に問い合わせたところ、府は決して「よくいただく質問」でないと認めました。ビラ掲載のQ&Aは、計画の撤回を求めている住民が、あたかも誤った情報を府民に流布しているかのうにとられかねず、府民の分断を煽るものです。第3に、ビラでは「周辺学区の皆さんとの意見交換の状況」として、府が学区の役員会などに府が乗り込んで、ほんの短時間で、あいまいな資料であいまいな説明をしたものを掲載し、あたかも学区に丁寧に説明し、広範な学区民の方からの意見であるかのようにしている事も問題です。こうした問題がある以上、ニュースレター第1号「北山エリアの整備について」は配布を中止すべきであり、また、すでに配布した学区については、訂正をすべきであると求めました。また、速やかに府民への説明会を開催することも合わせて求めました。
申し入れに対し理事は「検討します。今後の発行についてはよく内容を精査します」と答えました。議員団は「京都府は府民の分断を煽るような事はやめるべきだと厳しく指摘しておきたい」と重ねて求めました。
以下申し入れ全文
2022年8月9日
京都府知事 西脇隆俊 殿
京都府発行「北山エリアの整備について 第1号」の配布中止と訂正を求める
日本共産党京都府会議員団
団長 原田 完
京都府が「北山エリアの整備について第1号」とするA4裏表のビラを2万4000枚作製し、上賀茂、元町、紫明、下鴨、葵、松ケ崎の各学区での全戸配布に加え、府立植物園、府立歴彩館、府立陶板名画の庭、京都コンサートホールにも置いているとのことである。
しかし、その内容は重大な問題を含んでいる。
まず、これまで京都府は、2020年12月に策定した「北山エリア整備基本計画」で示された内容について、「あくまでイメージ」としながら、計画の見直し等について何ひとつ表明していないにもかかわらず、今回のビラで示された図と解説は、きわめてあいまいで、府民的批判や不安が大きい府立植物園への通路や商業施設の建設、府立大学に1万人規模のアリーナ建設、旧府立総合資料館跡地に「賑わい施設」などについては全く示していないことである。
また、「整備に関するQ&A」の欄で「よくいただく質問にお答えします」として3点の質問と回答が示されている。「植物園はすべて垣根が取り払われて、どこからでも入れる公園になるの?」「植物園の中にショッピングモールのような大規模商業施設やアリーナができるの?」「植物園のバックヤードが削られたり、面積が半分になったりするの?」といった設問である。しかし、「北山エリア整備基本計画」では、アリーナは府立大学内に作る予定で、またアリーナのイベントスペースとして植物園の一部が活用される図が示されており、「垣根をすべて取り払う」「面積が半分になる」など、もともと示されていない不正確な内容をわざわざ設問にしている。この根拠について、京都府は「職員が何件かの電話で聞いたが、正確な本数は把握していない」と、決して「よくいただく質問」でないことを認めた。仮に、そうした意見が数件あったとしても、それは誤解であるため、説明をきちんとすればいいだけである。ところが、回答で「なりませんよ」「できませんよ」などと切り捨てるような回答を示している。これらは、計画の撤回を求めている住民が、あたかも誤った情報を府民に流布しているかのようにとられかねないもので、府民の分断を煽るものである。
さらに、「周辺学区の皆さんとの意見交換の状況」では、学区の役員会などに府が乗り込んで、ほんの短時間で、あいまいな資料であいまいな説明をしたもので、そもそも学区の説明会とは到底言えないものである。京都府は昨年11月に開催した府民説明会以降、まともな説明会は全く開いてきていないにもかかわらず、京都府があたかも学区に丁寧に説明し、広範な学区民の方からの意見であるかのように掲載していることも問題である。
こうした問題がある以上、「北山エリアの整備について 第1号」は配布を中止すべきであり、また、すでに配布した学区については、訂正をすべきである。また、速やかに府民への説明会を開催すべきである。
以上