北陸新幹線延伸工事のための脱法的な地質調査の中止を求める申し入れ
北陸新幹線延伸問題をめぐって、環境アセスが進まず計画行き詰まる中、国は事業認可後に行う調査等に12億の予算を計上。その具体化として、7月19日鉄道運輸機構が8月上旬から京都市域で府有地、市有地などにおいて工事のための地質調査(ボーリング、弾性波探査)をしようとしていることが明らかになりました。
京都府会議員団は24日、京都府に対して事業認可前の脱法的事業執行への協力をやめ、予算執行を止めるよう申し入れを行いました。島田けい子団長、浜田良之副団長、みつなが敦彦幹事長、迫祐仁議員、ばばこうへい議員、水谷修議員、森よしはる議員、田中ふじこ議員で行いました。
申し入れ全文は以下の通りです。
2023年7月24日
京都府知事 西脇隆俊様
日本共産党京都府議会議員団
団長 島田敬子
北陸新幹線延伸工事のための脱法的な地質調査の中止を求める申し入れ
7月19日鉄道運輸機構は、8月上旬から京都市域で府有地、市有地などにおいて工事のための地質調査(ボーリング、弾性波探査)、縦断地質図の作成を強行しようとしていることが明らかになりました。これは本来、事業認可後に中心線の決定などを行ったのちにしかできない事業の執行であり、脱法的行為です。同時に、ルートも未定であるもとで、京都府などが、府有地等の地上権設定などを前提とした用地協議に協力するものであり、公有財産の管理を怠る行為でもあります。しかも、地元説明会を広く開催することもなく執行することも狙われており、少なくとも住民同意が前提です。
そもそも、北陸新幹線敦賀〜新大阪間の延伸計画は、880万立米超の残土処分場・搬出ルートや地下水枯渇問題など環境破壊が見込まれ、2兆1千億円(2017年積算)の建設費用が大きく増大する見込みであることなど、無駄で環境破壊の計画です。また、京都府が府内の駅部区間自治体などの地元負担も明らかにしないまま強行しようとしており、府内の反対の声は一層大きくなり、環境影響評価も実施できず、事業認可が見送られたにも関わらず、政府が事業認可前の12億円の予算執行を進めようとしているものです。
反対世論が一層広がる中、計画が完全に行き詰まっています。
ついては、下記のことを強く求めます。
記
1、京都府として、事業認可前の脱法的事業執行への協力をやめ、事業執行のための地質調査の中止を求めるともに、「北陸新幹線事業推進調査に関する連絡会議」への参加をやめること。
2、政府に対し、事業認可前の予算執行の中止を求めること。
以上