大阪・関西万博への子どもの動員中止を求める申し入れ
日本共産党京都府会議員団は、本日、府内全自治体の党議員・議員団の連名で、大阪・関西万博への子どもの動員中止を求めて申し入れを行いました。
もとより大阪・関西万博はカジノ開発に多額の税金を投入する口実の下で進められており、能登半島地震の震災復旧のためにも実施中止するべきですが、少なくとも来場者目標を突破するために近畿圏の子どもたちを動員することはやめるべきです。
申し入れでは、議員団からの問いに府教委は「市町村教育委員会の判断で行かないこともありうる」と述べました。
申し入れの全文は以下の通りです。
2024年5月24日
京都府知事 西脇 隆俊 殿
京都府教育長 前川 明範 殿
大阪・関西万博への子どもの動員中止を求める申し入れ
日本共産党京都府会議員団 団長 島田 敬子
日本共産党京都市会議員団 団長 西野佐知子
日本共産党福知山市会議員団 団長 吉見 純男
日本共産党舞鶴市会議員団 団長 伊田 悦子
日本共産党綾部市会議員団 団長 井田佳代子
日本共産党宇治市会議員団 団長 宮本 繁夫
日本共産党宮津市会議員団 団長 小濃 孝之
日本共産党亀岡市会議員団 団長 三上 泉
日本共産党城陽市会議員団 団長 西 良倫
日本共産党向日市会議員団 団長 山田千枝子
日本共産党長岡京市会議員団 団長 小原 明大
日本共産党八幡市会議員団 団長 山本 邦夫
日本共産党京田辺市会議員団 団長 青木綱次郎
日本共産党京丹後市会議員団 団長 田中 邦夫
日本共産党南丹市会議員団 団長 小林 毅
日本共産党木津川市会議員団 団長 宮嶋 良造
日本共産党大山崎町会議員団 団長 朝子 直美
日本共産党久御山町会議員団 団長 巽 悦子
日本共産党井手町会議員 谷田 健治
日本共産党宇治田原町会議員団 団長 山本 精
日本共産党笠置町会議員 向出 健
日本共産党和束町会議員 岡本 正意
日本共産党精華町会議員団 団長 佐々木雅彦
日本共産党南山城村会議員団 団長 鈴木かほる
日本共産党京丹波町会議員団 団長 東 まさ子
日本共産党伊根町会議員団 団長 大谷 功
日本共産党与謝野町会議員団 団長 永島 洋視
2025年4月13日から10月13日に開催予定の大阪・関西万博は、夢洲へのカジノ誘致と一体に多額の税金を投入することに反対の声が多く寄せられており、経費膨張による多額の国民負担や各国のパビリオン建設の撤退や遅れなども次々明らかになり矛盾が深まっている。1月1日には能登半島地震が発生し多くの被災者が生活の苦難を抱えているなかで、被災地の復旧復興に全力をあげるためにも万博は直ちに中止するべきである。
万博成功のため入場者目標である2820万人の達成をねらって、近畿各府県が学校行事を利用しようとしている。京都府も2024年度当初予算で府内全ての小学校、中学校、高校、支援学校の児童・生徒約25万人を対象に1人1回参加できるチケット代として3億3400万円を計上した。京都府教育委員会によると、すでに校長会への説明が開始され、今後、市町村教育委員会を通じて「今夏までに予算がついている状況を説明し、各学校で検討されるよう案内する」とされている。学校行事は教育活動として各学校が自主的に決めるべきものであるのに、万博に合わせて来年度の学校行事の見直しが迫られるなど、学校運営に混乱をもたらすことは大問題である。
その上、安全上も重大な問題が明らかになっている。本年3月28日に万博会場である夢洲でメタンガスによる大規模な爆発事故が発生し、学校行事として万博に参加する可能性のある児童生徒の保護者や教職員に「こんな状況で子どもを連れていくなど無責任ではないか」と大きな不安を与えている。今回の爆発事故は、万博会場の「グリーンワールド」と呼ばれるエリアの来場者用トイレの建設現場で起こり、床100㎡と天井が破損した。このエリアは学校行事で訪れる子どもたちがバスの乗り降りをする交通ターミナル、エントランス広場が含まれるエリアであり、子どもたちの安全の確保にとって看過できない事故である。そもそも夢洲は廃棄物の処分場で地中からは可燃性ガスが常に出ている危険な場所である。夢洲で開催される以上、容易に解決できるものではなく、再び同様の事故が起こる可能性は否定できない。
また、夢洲は軟弱地盤で災害に弱い上に、アクセスルートは夢舞大橋と夢咲トンネルの2つしかなく万博開催時は大変な混雑が予想され、災害時は避難が困難である。さらに、大阪府教委の市町村教委むけ説明によると、ピーク時には1日1.4万人の児童生徒が入場するにも関わらず、2000名収容の予約制団体休憩所以外に屋根のある休憩所が無い、バス乗降場から西ゲート間は1㎞ほどを約30分間徒歩移動するが歩道には屋根が無いなど問題がある。
よって、万博へ子どもを動員する事業を中止するよう京都府及び京都府教育委員会に強く求める。
以上