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予算・決算委員会

2024年決算特別委員会│知事総括質疑/水谷修議員【宇治市及び久御山町】

2024/11/06 更新
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主な質問テーマ

●北陸新幹線延伸計画の中止について

●京都府立大学の施設整備について

●子育て支援のための経済的負担軽減について

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質疑全文は以下の通りです。

2024年9月決算特別委員会知事総括質疑(大要)/水谷修議員【宇治市・久御山町】 11月5日

総選挙での北陸新幹線延伸中止の願いは多数に

【水谷議員】日本共産党の水谷修です。北陸新幹線延伸の中止についてです。衆院選の京滋全候補者に対して実施された京都新聞のアンケートでは「小浜ルートに賛成」と回答した割合は3割弱でした。現行ルートを推す当選者は多くありません。また、京都新聞の出口調査では「小浜ルート」について「分からない」(40・4%)との回答が最多で「延伸計画への理解が広がっていない現状が浮き彫りとなったといえる」としています。また、「小浜ルートに賛成」は22・9%で、「別のルートがいい」は16%、「延伸中止」は13・9%でした。別の出口調査でも北陸新幹線の延伸に反対する有権者が多数を占めています。

 北陸新幹線延伸は中止するべきだと思いますが、知事はどうして必要とお考えでしょうか。理由をお教えください。

 山岳トンネル工事は、どこでも湧水・水枯れはおこりうる

【水谷議員】建設交通部の書面審査でも指摘しましたが、新名神宇治田原トンネルで大量のトンネル湧水によって河川や多くの井戸が水枯れし、未だ解決に至っておらず、府としても早期補償をお願いします。延長2キロメートルの山岳トンネルで、北陸新幹線山岳トンネルと同じ工法です。地質は京都府内でよくある、丹波層群で破砕帯・断層のある地質でした。天ヶ瀬ダムトンネル工事でも大量湧水が発生し難工事でした。京都府内での山岳トンネル工事は、どこでも大規模トンネル湧水・水枯れは起こりうるものです。

 方法書について、知事に対する首長意見を見ると、城陽市長からは「地下水の保全に十分配慮すること。また地下水については京都市市街地のみ詳細な検討をするのでなく、周辺地域の地下水動態も含めた詳細な予測及び評価を実施すること」とあります。向日市長からは「本市水道事業の取水源は深さ200メートルの深井戸であり、市内10箇所に点在しているため、配慮すること」とあります。

長岡京市長からは「地下水利用者への影響が出ないように」とあります。地下水への悪影響を懸念する首長の意見がたくさん出ています。

新名神宇治田原トンネルエ事での大量湧水・水枯れや、本年9月には広島県でのシールドトンネルによる道路陥没が発生するなど事故が発生していますが、 トンネル湧水や陥没等の事故が発生しない根拠は何なのかご説明ください。

久御山町の車両基地建設計画が突如発表

【水谷議員】久御山町への車両基地建設計画が唐突に発表されました。鉄道運輸機構が同様の基地としている敦賀車両基地は約12ヘクタールです。終電以降に車輌基地に入庫し作業するので、深夜の振動騒音が発生します。10月17日の「北陸新幹線事業推進調査に関する連絡会議」では、「車両基地位置の洪水浸水想定の水深に対して、必要な盛土高さを設定」とあります。この場所の浸水想定は5~10メートルです。仮に、12ヘクタールの広さに10メートルも盛土すれば、周囲が水害に危険に晒されます。また連絡会議資料で、残土処分に関し「車両基地等でも自ら利用」とあります。車両基地が残土捨て場になるのではないでしょうか。

 車両基地が、盛土による周辺への水害の危険や環境破壊、ダンプ通行への影響等の懸念があるがいかがでしょうか。また、久御山町や住民への説明が行われないが、知事はどのようにお考えでしょうか。

国は早ければ、来年度中の事業認可・着工としていますが、府内各自治体も予算等の対応が迫られる時期です。府内の通過するだけ、あるいは通過もしない自治体にも負担を求めるのでしょうか。また、駅部区間のある自治体と京都府の負担割合、京都市と京都府の負担割合はどうするのか、お答えください。

 

【答弁:知事】北陸新幹線延伸についてでございます。北陸新幹線につきましては、日本海国土軸の一部を形成いたしますとともに、大規模災害時において東海道新幹線の代替機能を果たし、京都府域はもとより関西全体の発展につながる国家プロジェクトであると認識しております。北陸新幹線の敦賀―新大阪間につきましては、現在、事業主体の鉄道運輸機構におきまして環境影響評価の手続きが進められているところでございます。本年8月7日には与党PT北陸新幹線敦賀―新大阪間整理委員会が開催され 国及び鉄道運輸機構から京都駅に関する東西案、南北案、桂川案の3ルート案が提示され、それぞれの概算事業費や工期、課題などが示されたところでございます。

 種々のアンケート調査については承知しておりますが、京都府といたしましては引き続き国や鉄道運輸機構において慎重な調査と丁寧な地元説明を行いますとともに、地下水など施工上の課題や環境の保全について適切に対応していただく必要があると考えております。

 次にシールドトンネルと車両基地建設計画についてでございます。本年10月17日に鉄道運輸機構が公表した資料によりますと、シールドトンネルにつきましては「基本的に水を通さない構造のため地下水がトンネル内に漏れ出すことはない」と示されております。陥没等の事故防止対策につきましては、令和2年に発生した調布市での陥没事故を受け、最新の技術的知見を総括して取りまとめられた「シールドトンネル工事の安全安心な施工に関するガイドライン」を踏まえ、適切に工事を実施、具体的には水質にあった適切な工法や薬剤の選定、適切な施工管理等を実施と示されております。

 また、車両基地建設計画につきましては、鉄道運輸機構が公表した資料において、洪水浸水想定の推進に対して必要な盛り土の高さを設定する、周囲の治水の影響を与えないように調整池を設ける等の対応を行うなどと示されております。これらの鉄道機構の説明資料につきましては、各工事の施行における一般的な対策を示したものであり、現在、示されている資料だけでは判断できないと認識をしております。  

 京都府といたしましても、国土交通大臣が沿線自治体に丁寧な説明を行うと発言されており、その国からの説明や鉄道運輸機構からの環境影響評価の調査状況に関する説明を踏まえまして適切に対応してまいりたいと考えております。

 次に府内各自治体の負担についてでございます。

 整備新幹線の建設に関する工事に要する費用は、国と都道府県の負担について、全国新幹線鉄道整備法第13条第1項の規定により政令で定めるところにより、国及び当該新幹線鉄道のその存する都道府県が負担すると定められております。また市町村の負担につきましては 同法第13条第2項の規定によりまして、「都道府県はその区域内の市町村で当該新幹線鉄道の建設により、利益を受けるものに対しその利益を受ける限度において当該都道府県が前項の規定により負担すべき負担金の一部を負担させることができる」と定められております。今後、国におきまして、財源の確保や費用負担について検討されていくものと考えておりますが、京都府といたしまして、まずは引き続き国に対し費用負担が受益に応じた負担となるよう強く求めてまいりたいと考えております。

巨椋池の軟弱地盤は湧水や陥没事故がおこりかねない

【水谷議員:再質問】昨年の府議選の候補者アンケートでも、現行ルートを推す方はそんなに多数ではありませんでした。今議会でも与党議員の方から現行ルートに対する異論を唱える発言も出ています 。知事が「丁寧な説明を」と繰り返されますが、北陸新幹線の新大阪延伸計画について理解は全く進まず賛成の意見は少数です。知事が中止の判断を今行うべきだと重ねて指摘しておきます。

 工事の安全について、国や鉄道運輸機構が説明している資料は私も承知しています。最新の知見にもとづいて、工事がされるということでございます。しかし、最近でも各地でシールド工法によって様々な事故が起こっているのは周知の事実でございます。国が「シールド工法で安全」との答弁をされますが、先の決算委員会の現地調査においても、与党委員から「呑龍トンネルは北陸新幹線で懸念されているシールド工法だったが、路陥没事故はどうだったのか」という質問がされました。平成29年にシールド内で漏水が発生して国道171号線の道路が陥没し、向日市道の下に空洞ができる大事故でした。この時も、最新の技術力のある企業が工事をしたなかで事故が起きていますし、その後もシールド工事によって、陥没やいろんな事故が起こっています。

 また、琵琶湖に匹敵する水量がある「京都水盆」――京都市街から南部にかけて大きな水盆がございます。降雨地下浸透、河川からの流下、蒸発といった水循環によって水収支のバランスが取られています。京都府の環境影響評価の審議会でも委員から水循環への影響が指摘されています。「軟弱地盤の巨椋池や京都南部で、トンネル工事が安全とする根拠、京都水盆の水環境への影響はない」とは言えないと思います。北海道新幹線では、軟弱地盤軟弱によって工事が進まず、いまだに開通目処が示せないでいます。

 そこでお伺いしますが、巨椋池や河川横断箇所の軟弱地盤では、湧水や陥没事故が起こりうることが明確で、このことについて国は何も示されていません。京都水盆地下水にとって影響が明白で、「大丈夫」との答弁では説明になっていないと私は思います。北陸新幹線シールド区間において、東京や広島で起きたような 陥没事故や京都市地下鉄東西線で起きたような湧水トラブルが生じないという根拠がどういうものか 具体的な説明があるのでしたら説明いただきたいと思います。

巨額の府の財政負担は重い―ただちに中止の決断を

【水谷議員:再質問】工事費ですが、最大5.3兆円と膨らむと京都府内の財政負担は極めて重く容認できません。受益の範囲で負担をするんだ、市町村に対しても京都府が調整を決めていくことになるわけですが、これも受益の範囲でとおっしゃっています。では、「受益の範囲」というのは、どういうふうに知事はお考えなのか、今の答弁では理解できませんでした。京都府や府内自治体の財政負担は、今の計算では大変重たいものになるということを指摘せざるを得ません。

 そこで、再度伺いますが、知事は「受益に応じた負担」と繰り返されますが、どの市町村に負担を求めるのか、今、明確にするべき時だと思うんです。というのも、今年中に場所を決めて来年度事業認可・着工とこういう時期に差しかかってる時にいつまでも受益の範囲で負担を求めると言うだけでは、市町村も判断がつかないということですので、明確にするべきだと思います。

 さらに伺います。京都府財政に与える影響を考えても、京都府の府債発行額には上限もあるので、何千億円も府債発行すると、府債を財源とする他の事業がほとんど出来なくなる。そういう規模になるのではありませんか。来年度事業着工ということでありますので、明確に財政に対する考えを答えいただきたいと思います。

 

【再答弁:知事】まず1点目の地下水を含める水環境の影響についてでございます。先ほど、地元近くの具体の河川の言及がございましたけれども、様々な施行上の課題があるなかでも、最も大きな影響の課題としては、やはり水環境の問題があるということは共通の認識でございますが、さきほども答弁いたしましたように、今般、鉄道運輸機構で示されている資料について、あくまで各工事における一般的な対策を示したものと言うことで、現在の資料だけでは判断出来ないと思っております。引き続き、施行上の課題に適切に対応するように求めてまいりたいと思っております。

 財政負担につきましては、どの市町村に負担するのかを決めるべきじゃないかということでございますが、まずはですね、まだアセスも途中の段階でございますし、市町村への負担は都道府県への負担の範囲内で求めることができるということになっております。全体の事業規模、また都道府県の負担等も何も明らかになっていない段階におきまして、どの市町村に対する負担を求めるかについては答えることは難しいと考えております。

 なお、府の財政状況についても同様でございまして、どれぐらいの負担が必要になるのかどうかも含めて、そのことが明らかにならない限りは財政状況についての対応可能性は、ご答弁できませんけれども、いずれにしてもそこに至るまでにはですね「着工5条件」も含めて様々なハードルがございます。その都度ですね、京都府の立場というものをきちっと国と運輸機構に申しまして、適切に対応してまいりたいと思っております。

 

【水谷議員・指摘要望】知事が「受益に応じた負担を」と国に求めておられるのも承知していますが、今の時期は「もう来年度事業着工」ということ言ってる時期に、市町村にとってもどれだけの負担があるのか、我が町は負担があるのか、京都府がどれだけ財政に影響するのかとか、判断する上で重要な要素です。今、説明されてる資料だけでは判断できないと私もそう思います。判断できないからこそきちんとそこは国にも詰めていただいて、早期に基本的な考え方は示すべきです。推進するのであれば。何よりも、どう考えても京都府の負担の財政規模から考えても府債の発行額を一定規模やれば他の事業が出来なくなるということは明確なんで、いくら起債の償還は有利な起債なんで大丈夫だと国が言ったところで、起債発行そのもので他の事業に影響がでるとなることが明らかなので、そういう角度からもきちんと反対という立場を明確にするべき時期だと指摘しておきたいと思います。  

 なお、巨椋池干拓田のことは、知事もまあ大変な場所だということは認識を示されました。もともと広大な池だったところに巨大な排水ポンプを作って水を抜いて干上がらせて作った土地です。雨が降れば排水ポンプで汲み出さなければならない土地です。そこに広大な車両基地を作って残土高く盛り土して安全なはずはありません。軟弱地盤であり、また京都水盆の水収支が狂えば、京都の地下水が枯渇します。年内ルート決定、年度末着工と強引に進めることは容認できませんが、今なお、京都府内の自治体や京都負担規模が明らかにできないようでは、全く容認できず、直ちに中止を求めるという判断をするべきだということを再度指摘しておきます。

  

老朽化した府立大学の施設整備を

【水谷議員】1万人アリーナ計画が割り込んできた中で、老朽化した府立大学の施設整備が遅れています。下鴨学舎を、先日見てきました。壁面は亀裂、クラックが多数あり、目視でも落ちそうな外壁の剥離、損傷がありました。床は水平でなく、配管の腐食による水漏れや漏電も繰り返されており、建具の不具合もあります。また屋上や壁面からの雨水浸透で、水漏れが日常的に発生しています。耐震診断のIs値は、昭和37年建築の2号館の1期0.40、昭和42年建築の2期0.42です。昭和37年建築の3号館の1期0.36、昭和41年建築の2期は0.41、昭和46年建築の3期は0.47などです。昭和54年建築の本館・合同講義棟は0.38です。

 0.3~0.6未満は「倒壊、又は崩壊する危険性がある」状態です。しかも、この耐震診断は平成15年~16年の調査で今から20年以上も前のものであり、さらに劣化しているのは明らかで、使用禁止になる0.3未満になっている可能性も否めません。文部科学省は、公立学校施設のIs値を「おおむね0.7を超えること」としています。深刻な状態だと言えます。

 施設建て替えスケジュールがはっきりしないもとで、蛍光灯のLED化をするのかしないのか、雨漏りの改修工事をするのかしないのか、現場は何も動くことができず困っています。

 令和4年3月の「府立大学整備構想」では「老朽化・耐震化に係る課題・問題 」として「最近建設された2施設と1号館、5号館の一部を除けば、すべて建設後40年以上経過しており、中には50年以上経過した施設もあります。また、既存施設で建替えを前提として耐震化されていない施設もあり、早急な対応が必要である」「現行プロムナード以南の施設は1号館を除き全て建て替える」とされました。

 「施設整備スケジュール(案)」では令和4年基本計画、令和5年基本設計、令和6年実施設計、令和7年1期の建築工事となっています。

ところが、令和4年の「北山エリア整備事業手法等検討業務報告書」では、共同体育館を175億円かける1万人アリーナとし集客施設化する方針が示されました。これによって、府立大学の施設整備の歯車が狂ってしまったのです。

 お伺いします。府立大学には建替えを前提とし耐震化されていない施設があることから、早急な対応が必要です。令和4年に共同体育館を1万人規模のアリーナとし、集客施設化する方針が示されたが、その後、体育館建替えが大学整備から切り離されたため、府立大学の施設整備がストップし老朽校舎が放置されている。知事はその責任をどのように考えているのでしょうか。お答えください。

令和4年に策定した整備構想で示された令和6年度の実施設計や来年度からの1期建築工事という既定のスケジュールはどうなっているのか。また、来年度には建築工事着工に係る経費を予算化すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 

【答弁:知事】既存施設の老朽化や耐震化への対応につきましては、これまでから特に耐震性能が低いとされていた4号館については解体をし、第一体育館については仮設体育館を整備するなどの対策を行ってきたところでございます。共同体育館につきましては、学生利用を大前提としながら、多機能・多目的の利用について専門家や学生などから幅広くご意見を伺ってきたところであり、1万人アリーナとして集客施設化をする方針を示したものではございません。本年1月には、府立大学学長から学生ワークショップで検討された規模を基本とするほか、防災利用や府民利用などについて要望を受けたところであり、こうしたご意見も十分に考慮しながら、学舎整備と合わせて検討を進めているところでございます。学舎の整備につきましては、老朽化や耐震性の問題解決と合わせて学部学科の再編に対応したものになるよう検討を進めているところでございます。学部・学科の再編では、精華キャンパスへの一部学科の移転も予定されており、キャンパスエリアの市街化区域への編入や上下水道などの必要なインフラ整備について、京都府公立大学法人とともに精華町などとの調整を行っているところでございます。

 京都府といたしましては、大学間競争が厳しさを増す中、府立大学が高校生から選ばれ、また地域に開かれた大学となるよう施設の老朽化や耐震性の問題を抜本的に解決しながら、魅力あふれるキャンパスの整備に取り組んでまいりたいと考えております。

 府立大学の整備スケジュールにつきましては、老朽化や耐震性の問題の解決を合わせまして、学部学科の再編への対応や精華キャンパスの活用など、様々な用途も含めた検討や関係機関との調整を行っているところであり、予算化も含めまして京都府公立大学法人とも連携して検討を進めてまいりたいと考えております。

 

【水谷議員:再質問】学部・学科の再編等と調整をしているという話ですが、学部学科再編は関係者のご尽力で整理がされまして、いよいよ施設整備という段階に次のステップと思います。もともとのスケジュールでいきますと、来年度工事ということになっています。そこに合わそうとすれば、来年度予算編成で予算を組む必要があるというふうに思いますが、その点が知事の答弁で読み取れなかったんでご説明いただけないでしょうか。

 また、1万人アリーナを作るとしたかどうかは別にして、あの計画が割り込んできて全体の整備が遅れてきたのは間違いないことじゃないんですか。お答えいただきたいと思います。

 

【西脇知事:再答弁】スケジュールにつきましては先ほどの答弁でお答え申し上げましたように、学部・学科再編、精華キャンパスへの対応等ということで様々な要素を含む検討とか関係機関との調整を行っているところでありまして、予算化も含めて現在調整検討しているところでございまして、具体的なスケジュールに言及する段階にはまだ来ておりません。それから、もともとアリーナ構想につきましては共同体育館ということで、周辺の住民の利用も含めて、場合によっては防災機能も含めての共同利用の体育館ということを申しておりましたので全体の府立大学の整備スケジュールが、アリーナ構想によって遅れたというふうには認識しておりません。

 

【水谷議員:指摘要望】アリーナ構想で全体の整備スケジュールが遅れたとは思っていませんということであります。そして来年度予算も含めて検討しているということですので、色んな問題を脇に置いてでも大学の整備は、当初のスケジュールに間に合うように来年度の予算、実行予算を着実に編成していただきますように強く要望しておきたいと思います。

 

子育て支援のための経済的負担軽減について

【水谷議員】知事は昨年12月、「子育て支援条例」及び「少子化対策条例」の2条例を廃止し、「子育て環境日本一推進条例」)を提案。日本共産党議員団以外の議員の賛成で制定しました。これによって条例から「子どもの権利」「経済的負担の軽減」についての規定が消失しました。

 そういう中、子どもの医療費無料化を求める運動と世論の中、昨年、京都府の医療費助成制度が拡充されたことで、独自の上乗せ助成を拒んでいる京都市も含め、医療費助成制度は前進しました。

 お伺いします。子どもが多い世帯ほど負担が大きい国民健康保険料の均等割の廃止を国に求めるとともに京都府の制度化を図るべきと考えますがどうでしょうか。また、子どもの医療費助成を拡充する都道府県が増える中、京都府は来年度から中学生まで無償化すべきであり、 知事選の時期を考え合わせることなく、実施すべきですが、実施時期や検討スケジュールはどうかお答えください。

 国は本年4月に18歳未満への医療費助成を独自に行う自治体に対するペナルティーを長年の住民運動等に押され廃止しました。しかし、本年6月に新たに子ども医療費助成制度で窓口を無償化していない場合、交付金算定に加点するなどの通知を発出しました。この通知は自治体に窓口負担の復活を促すものであり、事実上のペナルティーの撤回を国に求めるべきと考えますがいかがでしょうか。

 また、18歳までの医療費助成についても国に求めるべきと考えます。いかがですか。

 

【知事:答弁】国民健康保険の保険料につきましては、世帯の所得に応じて賦課される所得割額や子どもを含む被保険者数に応じて賦課される均等割額などで決定されております。このうち子どもにかかる均等割額については、子育て世帯から負担を求めるのではなく社会全体で負担すべきとの観点から、国に対し繰り返し軽減するよう要望してまいりました。その結果、令和4年度から未就学時にかかる均等割額を5割に引き下げる措置が実現したところでございます。京都府といたしましては、制度創設を評価する一方、対象などが限られておりますことから引き続きその対象年齢および軽減割合の拡充を国に対し求めているところでございます。尚、こうした国保制度の構造的な課題につきましては、京都府が独自に制度化するのではなく、国がその財源を含め医療保険制度のあり方として解決を図るべきと考えております。

 次に子育て支援医療助成制度についてでございます。市町村や関係団体などからは、この制度をさらに充実できないかなどの声も伺っており、今般、専門家などによる検討会議を設けて検討することとしたところであります。検討会議では、まずは昨年9月から拡充した現行制度の成果などを検証していただき、そのうえで今後の制度のあり方を議論していただくことにしております。急速に少子高齢化と人口減少が進む中、この制度を安定的に運営していくことは、安心して子育てができる環境を整えるうえで重要な要素だと考えており、検討会議の意見などを踏まえ、将来にわたり持続可能な制度となるよう検討を進めてまいりたいと考えております。

 次に子どもの医療助成制度にかかる市町村国保の保険者に対する交付金への加点と、18歳以上への医療費助成についてでございます。国は子どもへの医療費助成により窓口負担を無償化することは被保険者の受診行動や小児医療提供体制などへの影響を及ぼしかねないとして、国保の保険者努力支援交付金を窓口負担がある場合などに加点する制度へ見直しました。国によりますと全国で対象年齢の拡充等が進む中、子どもにとってより良い医療の実現を目指すとともに限られた医療資源を適切に活用できるよう見直したとのことであります。京都府といたしましては、医療費助成に対する減額措置の廃止、国保の安定運営に必要な財政措置、ナショナルミニマムとしての医療費助成そのものの制度化など、引き続き国に求めてまいりたいと考えております。

 

【水谷議員:再質問】子どもの医療費助成について知事から検討会議を開いて進めると答弁されました。議論していただくことは大切だと思いますが、令和5年1月17日の「子育て支援医療制度あり方検討会議」でも、委員からもっと拡充すべきという意見が出ていたということです。長い時間をかけて検討することなく、早期に検討会議で図っていただいて、少なくとも来年、(府として)中学校まで拡充をする。こういう判断を早期にしていただきたいというふうに思いますがいかがでしょうか。

 

【知事:再答弁】いま、令和5年1月の検討会議の議事録の紹介がございました。まさにそういう充実を求める声を受けまして、今般、昨年拡充したばかりでございますけれども、検討会議を設けることにしたということでございます。これは、検討会議の中で様々な論点がございますので、現在の制度の検証も含めて議論していきたいと思っております。

 

【水谷議員:指摘要望】きちんと総括や検討などの議論をしていただくことは大切だと思いますけれども、長い時間をかけて検討すると言うよりも、もうすでに市町村からの意見もいただいているし、検討会議での委員さんからも「充実してほしい」という意見もいただいているので、あとは検討会議の議論のスピードと知事の政策判断の問題にかかってまいりますので、一日も早く、今お考えになっているであろう中学校までの拡大について結論を出していただきたい。同時に早期に府が18歳まで拡充するように国に向けても18歳までの入院・通院ともの無償化を求めていただきたいと思います。

 

以上