2月定例議会が終了 2021年度一般会計予算 府営水道事業予算に反対
2021年度京都府一般会計予算などを審議していた2月定例府議会は3月22日に閉会しました。本議会で審議された議案は知事提案85件、議員提案1件の計86件。一般会計予算、府営水道事業会計などの特別会計予算、指定管理者指定の件、山下副知事の再任などの人事案件、府条例の改正などとともに新型コロナウイルス感染症対策の補正予算が6次にわたって提案されました。
党議員団は、2021年度一般会計予算、水道事業会計予算。海区漁業調整委員選出に反対し、山下副知事の再任については「保留」の態度をとりました。
意見書・決議については、わが党は11件の意見書・決議案を提案し、他会派提案の3意見書も含めすべての意見書に賛成しました。知事与党会派の自民、府民クラブ、公明、維新は知事提案議案すべてに賛成した。意見書はわが党提案の11件すべてに反対しました。
請願は、知事与党は府民から寄せられた請願5件すべてに反対し不採択となった。
議案討論は 浜田議員・西山議員 意見書討論は迫議員が行いました
議案態度
反対したのは以下の3件
第 1号議案 「令和3年度京都府一般会計予算」
第13号議案 「令和3年度京都府水道事業会計予算」、
第85号議案 「海区漁業調整委員」選出の件
反対理由 詳細は浜田議員・西山議員討論
・第一は、政府によるこれまでの経済政策に加え、消費税増税による打撃、さらには新型コロナウイルス感染症の影響が、実体経済に深刻な影を落としているもとで、内需や家計、中小企業支援への支援が本格的に求められているにも関わらず、大本の政策的転換がはかられていないため。
予算案では、法人関係2税が59億円の減少の見込みの一方、増税された消費税は87億円も増加するなど、消費税に頼る財源構造が進んでいます。一方、歳入確保のとりくみは、税の取立て強化と未利用地の売却3億円に過ぎず、今後も地方自治体が消費税に頼っていくことは、府民の暮らしや地域経済、さらには財政構造にも大きなゆがみをもたらすもので、本格的な税源涵養策こそ必要。
・第二は、貧困と格差の広がりのもと、子どもの医療費助成制度や学校給食の無償化、削減された老人医療費助成制度の拡充をはじめ、暮らしの本格的な底上げ策にとりくまれていないため。
また賃金規定を盛り込んだ公契約条例の制定により、賃上げを府が率先して行うことになっていない。本格的な賃上げと負担軽減策を一体で大胆に行うことにより、暮らしの底上げをするべき。
・第三は、99%をしめる中小零細企業への支援より、京都経済センターを核として、起業家の発掘や育成、ものづくりやIoT、医薬品や医療機器など成長分野にシフトし、Society5.0社会の実現をめざすなど、新産業創出が中心となっており、また、府営住宅の管理を他府県に本社をおく大手民間会社に委ねるなど、府の業務の民間開放がいっそう進められようとしているため。
・第四は、舞鶴港国際ふ頭の二期工事の開始にむけた調査やエネルギー拠点化の動き、JR向日町駅周辺再開発や、新名神高速道路の六車線化とアウトレットモールのオープンを見据えたさらなる開発など開発型の府政へと本格的に舵をきっているため。
しかも北陸新幹線の延伸について、推進の立場を示していることは重大。
・第五は、観光・インバウンド頼み、にぎわいの創出が中心となっているためです。
「食の京都を核とした広域観光促進」 をはじめ、「もうひとつの京都」ブランド化として、京都市と連携したインバウンド向けプロモーションの実施など、引き続きインバウンドに軸足を置いており、また京都スタジアムの完成を節に、にぎわい創出として呼び込み型・イベント型の施策が進められようとしているため。
・第六は、自治体本来の役割を果たすための職員や組織の在り方が弱められているため。
来年度から始まる会計年度任用職員が知事部局で約1,530人にものぼり、また、土木事務所の技術職員や保健所職員の減員、振興局等の広域化をはじめ、現場の機動的対応力が弱まってきていることは緊急に改善が必要。
〇第13号議案「令和3年度京都府水道事業会計予算」及び第25号議案「京都府営水道の供給料金等に関する条例一部改正の件」
そもそも過大な施設整備により、約15億円もの未使用分を受水市町に負担を求めてきた結果、高い水道料金と水道事業会計の悪化を招いてきた責任は重大。今回の料金改定は2022年度に宇治系・木津系・乙訓系の3水系の料金を統一し、府民に新たな負担を求めるものであり、さらに今後、将来の広域化・民営化を視野に、経営の統合や施設の共同設置など、市町村に強引に迫る動きと一体であり反対。
〇第85号議案 「海区漁業業調整委員」選出の件
これまで本府の海区漁業調整委員会委員については、10名の定数のうち4名が知事の選任、その他6名は公選制となっており、民主的な漁場の調整を行ってきた。しかし今回より、すべての調整委員会委員が知事の任命となっている。
これは2018年の漁業法改正による公選制の廃止のため。そもそも、旧漁業法で調整委員会が公選制とされていたのは、網元が地域漁業を支配していた戦前の反省から、地元漁業者を主体とした漁業の民主化がはかられる中で位置付けられたもの。そのことが旧漁業法の第一条に明記されていたが、改正により削除された。同法改正の狙いは、漁業への地元外の企業の参入にある。そのため漁業権を地元漁業者に優先してきた仕組みを廃止し、知事の裁量で地元外の企業の参入を可能としている。国が漁業の成長産業化、企業の新規参入と海面利用の規制緩和を掲げているもとで、地元外企業の参入を一度許せば、地元漁業者が追い出されることにつながると懸念される。よって、漁場の民主化で役割を果たしてきた公選制の廃止にともなう今回の議案には反対。
意見書・決議案 請願 別紙一覧
第1号 新型コロナウイルスワクチン接種に関する意見書 可決 自民・府民
第2号 預託法等の改正及び執行強化を求める意見書 可決 自民 公明 府民
第4号 ジェンダーイコール社会等の実現に向けた積極的施策展開を求める意見書 可決 自・公・府民
わが党提案 すべて否決
第3号 コロナ禍で明らかになった格差と遅れを打開し、ジェンダー平等社会の実現を求める意見書
第5号 日米地位協定の抜本的見直しを求める意見書
第6号 消費税減税を緊急に求める意見書
第7号 デジタル改革関連法案の撤回を求める意見書
第8号 総合支援資金・緊急小口資金貸付の申請期限の延長・再給付を求める意見書
第9号 コロナ禍で困窮するすべての学生と大学への支援を求める意見書
第10号 原子力発電所の再稼働に反対し、廃止を求める意見書
第11号 コロナ禍で苦しむすべての中小企業・労働者等への支援拡充を求める意見書
第12号 新型コロナ禍による米価下落の歯止め策を求める意見書
第1号 京都こども文化会館の存続・再開を求める決議
第2号 少人数学級のさらなる推進を求める決議