2020年5月臨時議会を終えて
2020年6月1日
日本共産党京都府会議員団
団 長 原田 完
5月22日に開会した5月臨時議会が27日に閉会した。
今議会は、常任委員会・特別委員会の正・副委員長をはじめ議会の役員構成を決定するとともに、新型コロナウイルス感染症に対する補正予算を、4月臨時議会に続き決定するための重要な議会であった。
わが党議員団は、党議員を議会役職から排除し、オール与党で独占し続ける非民主的運営を是正させるとともに、長引くコロナ禍のもとで、調査等をふまえ、医療体制や暮らし、営業をはじめ、あらゆる分野への深刻な影響から府民を守るため、積極的に論戦した。
1、提案された9議案はすべて賛成した。
第6号議案「令和2年度京都府一般会計補正予算」約48億円には、妊婦に対するPCR検査費用の公費負担や、中小企業等事業再出発支援補助金40億円は、必要な経費を10 万円まで減収要件なく、業種指定なく、自己負担なく補助するもので、京都府が受け付け、審査も行うという中小企業や個人事業主など事業の継続を支援するなど、府民の実態に一定応えたものである。
しかし、全体として求められる規模や内容から見ればまだまだ不十分で、さらなる追加補正予算などを通じ充実が必要である。
なお、4月補正予算に盛り込まれた医療従事者支援、特殊勤務手当や緊急手術患者の PCR 検査なども含め、速やかな執行や、医療機関が厳しい経営を余儀なくされており、第二波などを想定した場合、地域医療の崩壊を絶対に起こさせないためにも、診療報酬概算払い、資機材の支援やベッド確保への補償などを含め、手厚い経営支援が必要である。また、京都府休業要請対象事業者支援給付金は、対象とならない事業者から切実な要望が広がっている等、一件の廃業・倒産も生まない、 一人の解雇者も出さないという立場で、幅広く支援の手が届く制度の拡充を求めるものである。さらに、学校再開にあたり、障害のある児童・生徒をはじめ全ての子どもたちへの今の実態にあった支援が必要であり、そのためにも教職員の大幅増や、少人数学級の実現など強く求めるものである。
第7号議案「京都府新型コロナウイルス感染症対策応援基金条例制定の件」は、本来、財政措置は国の責任で行うべきであるが、深刻な医療・介護等従事者や学校休業等の影響を受ける児童や家庭に対する支援経費に充てるものでああり、府民の善意が生きるよう運用を求めるものである。
なお、府議会提案の「新型コロナウイルス感染症に対応するための京都府議会による支援に関する条例」は、府議会による支援を決めるとともに、期末手当の減額を行うものである。
2、全会一致で「新型コロナウイルス感染症対策に関する意見書」が2月定例議会に続き可決した。
しかも、わが党議員団が求めてきた、すべての医療機関等を支援することや、家賃やリース料など固定費の実施、またすべての学生を視野に入れた支援策やコロナによる差別と分断への対策など、ほぼすべての内容が盛り込まれることとなったことは画期的である。
この間、市町村議員団や国会議員団と連携した調査や動画配信など可視化、制度紹介ビラの新聞折込などの取り組みをはじめ、府議団対策本部を軸とした一連の取り組みや、攻勢的な議会論戦と議会運営が一定実ったもので、まさに府民的成果である。
今後、その内容を制度や予算として速やかに実現することが求められる。
3、わが党議員団は、府議会議長と各会派に対し、「京都府議会の民主的構成についての申し入れ」を行った。こうした中、関西広域連合議会議員は、引き続き指名推薦でわが党議員の議席を確保したが、各常任・特別委員会の正・副委員長はすべてわが党議員を排除するために他会派議員が協力しあうという時代遅れの「オール与党」体制にしがみつく姿勢を示した。
また、二之湯副議長が予算特別委員会全体会で、全員が賛成する意向を示していたコロナ対策のための補正予算議案にただ一人反対した。これにより、自民党内で大混乱となり、議事が大幅に遅れることとなった。結果、二之湯副議長は、議会を混乱させたことを陳謝し、最終本会議では補正予算議案に賛成するという失態を演じた。自民党の劣化ぶりを如実に示すこととなり、今後の出処進退が注目される。
なお、コロナ危機から文化と文化施設を守れと空前の世論と運動が起こっているさなかに、京都子ども文化会館の閉館方針を京都府が発表したため、わが党議員団は緊急に閉館方針の撤回と存続の申し入れを行うとともに、本会議討論でも厳しく批判した。
開会日の京都新聞朝刊に、一面を使い議会報告「誰ひとり見捨てない政治へ」を掲載した。新型コロナウイルス感染症の問題は、これまでの政治と社会のあり方の抜本的な見直しを求めていることが浮き彫りとなった。イギリスで、新自由主義的施策を修正し、損失補てんの実施に踏み切るなど、国や自治体が公衆衛生、医療や介護などの社会システムを守り、倒産・失業の危機から国民を守ることがスタンダードとなりつつある。日本でも国民の闘いにより、一律 10 万円の定額給付金や、アルバイト減少などで困窮する学生への支援の一部実現、さらに検察庁法改定案強行断念など、国民が声を上げれば、政治は変わることが実感として拡がっている。
本日より京都府による休業要請が全面解除され、また学校も再開されることとなる。わが党議員団は、苦難解決と政治の変革を実現するため、引き続き奮闘するものである。
以上
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