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2024年12月定例議会を終えて【団長談話】

2024/12/23 更新
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12月定例議会を終えて

2024年12月23日

日本共産党京都府会議員団 団長 島田けい子

 12月2日に開会した12月定例議会が12月19日に閉会した。

今議会は年の瀬が迫る中、引き続く物価高騰・資材高騰等による暮らしや経済の厳しさのもとで開かれた。また、衆議院総選挙の結果、少数与党による臨時国会が開かれ、政策活動費を廃止させるなど、「新しい政治プロセス」が現実政治に変化をもたらす中で、京都府と京都府議会が、どういった役割を果たすのかが問われる議会であった。

わが党議員団は、暮らしの願いに寄り添い、運動を起こし府民と連携し、要求実現に全力をあげるとともに、自民党政治と西脇府政の歪みの根本的転換を求める立場から攻勢的に論戦した。

 

1、今議会に提案された議案74件のうち、第1号議案「令和6年度京都府一般会計補正予算(第4号)ならびに、第7号から第49号、第54号の手数料・使用料のいっせい値上げに関わる条例改正議案の45議案に反対し、他の議案に人事案件も含め賛成した。

第1号議案「令和6年度京都府一般会計補正予算(第4号)」は、本来、異常な物価高など深刻な状況が広がっており、経済対策等が一刻の猶予なく必要であるにもかかわらず、一切計上されなかった。一方、京都アリーナ(仮称)整備事業のための計画・設計から整備・維持管理・運営に至る34年間の費用348億円を債務負担行為が提案された。11月26日に向日市民から「アリーナ計画の再検討を求める要望署名」計7,882筆が知事あてに提出され「静かな市民生活の維持と交通渋滞の不安解消のために府道整備こそ急いでほしい」「市民の願いは子ども達が自由に遊び、球技ができる広場や市民の憩える公園の設置である」「市民の声をしっかり聞く機会を作ってほしい」などの声が示されたにも関わらず、住民説明会も開かず全体像も明らかしないまま、整備・運営を担う優先交渉権者に大手商社の伊藤忠商事を代表とする企業グループを選定し、スケジュールありきで進めるやり方は極めて重大である。しかも、34年もの巨額の債務負担行為による予算の先取りは、財政の硬直化を招き住民福祉の増進という自治体本来の役割を歪めるものである。さらに大阪・関西万博の機運醸成のためとして「京都府周辺まるごとゲートウェイ事業費」に債務負担行為8900万円が計上されたが、万博関連予算は9月補正予算の7,000万円と合わせ1億5,900万円にも上り、京都府でも野放図に膨れ上がっており、施策も税金の使い方も重大である。

第7号から第49号、第54号の手数料・使用料の値上げに関わる条例改正議案が提案された。これらは、「受益者負担の適正化」を図る必要があるとして、府立植物園や府立体育館をはじめ33施設の料金値上げや、納税証明など手数料などを33年ぶりに一斉に値上げするものである。

審議を通じ、府立洛南病院の特別診断書手数料は、3,570円から7,700円と2倍以上となり、その根拠として公的病院で一番高い京都大学付属病院に合わせたことが明らかとなった。また、関係団体や利用者などからの意見を一切聞くことなく提案したことも明らかとなった。しかも膨大な各種値上げの全貌を具体的に示さないまま、「詳細は条例改正後」などと開き直り、今後3~4年毎に再検討し、さらなる値上げに道を開くものである。

知事は、値上げ分は自主財源の確保や、施設の維持管理や設備投資に充てることも述べたが、施設の維持・管理などは、本来、通常から行うべきもので、ここにきて受益者負担を押し付けることは重大である。

なお、第67号議案「職員の給与等に関する条例等一部改正の件」は、人事委員会勧告に基づく職員給与等の引上げは賛成したが、①ベテラン職員の引上げは数千円にとどまり、物価高騰の実態からみても極めて不十分であること、②扶養手当については子どもへの手当てを増額する一方で、配偶者への手当てを廃止していくこと等、職員の処遇改善にはいまだ課題を残したままである。また、本議案には知事と副知事、府会議員の期末手当引上げが含まれているが、この点については反対した。なお、第67号議案について、維新国民議員団理事から理事会の場で「賛成3、反対9」と意向表明がされ、本会議では討論で触れることなく、起立採決の際に維新議員9人が起立しなかった。賃上げが大きな課題となっている時に、とにかく給与の引き上げだけは反対するという道理のなさを自ら示した。

 

2、総選挙の国民的審判の影響が色濃く反映し、わが党議員団が運動と結んだ攻勢的論戦を行ったことが、大きな変化を作り出す上で役割を果たした。

中でも、北陸新幹線延伸計画をめぐり、「12月中旬に1案を決め、2025年度内の認可・着工をめざす」とされる緊迫した事態のもと、代表質問で西脇知事に「いつまでも『機構には慎重な調査と丁寧な地元説明を行ってもらう必要がある』と同じ答弁を繰り返している場合でなく、計画そのものを中止させるべき」と迫った。

また、わが党議員団は、議会中の12月10日に、国交省と鉄道運輸機構からヒアリングを行った。そこでは、「地元自治体に説明・協議している」と述べた国交省が、「各府県連絡会議」に提出され、公開されている資料がすべてであることを認めたうえに、相談の窓口はあくまで京都府として、直接影響が出る恐れのある南丹市、京都市、久御山町、京田辺市等への説明も相談もしていないことが明らかとなった。さらに、環境影響評価の現地調査について、自治会など住民合意ができていない美山町田歌区や京北町山国地域において、「東京などに住んでいる不在地主や一部住民に協力を得て現地調査は完了した」と、地域を分断する無茶苦茶なやり方で進めてきたことも明らかとなった。

こうした内容を広く告発するとともに、12月13日に西脇知事、松井京都市長らが与党PTからのヒアリングがあり、その内容も知らせるため、翌12月14日に、緊急報告会をオンライン開催したところ、約100人が参加されるなど世論と運動を広げるため一貫して力を尽くした。

さらに最終本会議に、わが党議員団が「北陸新幹線延伸計画中止を求める意見書」案、「北陸新幹線のルート決定強行に抗議する決議」案、「サンダーバードの拡充・復活を求める意見書」案を提案し、「小浜―京都ルートも米原ルートも建設すべきでなく、むしろサンダーバードの拡充こそ必要である」と迫る中、維新・国民会派から「北陸新幹線延伸ルートを改めて比較検討することを求める意見書」案、自民・公明・府民3会派から「北陸新幹線敦賀・新大阪間の整備に関する意見書」案及び「災害時のリダンダンシー確保及び能登半島復興支援に向けた特急『サンダーバード』をはじめとする鉄道網の充実を求める意見書」案が提案された。わが党議員団の意見書・決議案は否決されたものの、「北陸新幹線敦賀・新大阪間の整備に関する意見書」案及び「災害時のリダンダンシー確保及び能登半島復興支援に向けた特急『サンダーバード』をはじめとする鉄道網の充実を求める意見書」が可決することとなった。

北陸新幹線延伸をめぐっては、世論と運動に押され、11月11日に自民党府議団が「現行ルートの再考を強く国に求める」要望書を提出し、西脇知事は「大変重いものがある」と答え、また12月2日には、京都府酒造組合連合会、伏見酒造組合から「地下水脈の遮断、井戸の枯渇、水質変化が危惧される非常事態」とする要望書を西脇知事と松井京都市長に提出、12月19日には京都仏教会が西脇知事に「自然を敬いながら共存すべきだという仏教の教えとかけ離れた『千年の愚行』だ」とする申し入れを行うなど、これまでの世論と運動の上に、大きな変化が生まれ、12月13日に行われた与党PTヒアリングでも、西脇知事、松井京都市長が、京都地下延伸による問題点が報告され、12月20日に再度開かれた与党PTで年内の具体的な選定が見送られ、来年度(2025年度)中の着工が困難となり、終了後、西田参議院議員・与党PT座長は「地元合意ができないと工事は進められない。」と述べざるを得なくなった。まさに世論と運動の力である。引き続き、北陸新幹線延伸計画そのものを中止させるため、全力を尽くす。

なお、本議会に、元自民党府議の二之湯氏が、「自民党府議団は反対できないだろう」などとして、片山自民党府議が紹介議員となり提出された「北陸新幹線整備に関する請願」は、自民党府議団が西脇知事に提出した要望書と同様の内容で、自民党議員団は混乱した。結果、片山府議は自民党議員団に紹介議員なったことを謝罪し、紹介議員を取り下げることとなった。わが党議員団は「建設推進の内容である」として同請願に反対を表明したが、他会派は一言も発せず反対し請願は否決された。

 

3、運動と連携して、府民要求実現に力を尽くした。

中小企業支援と賃上げは、党府議団が一貫して取り組んできた課題である。

今年8月5日、京都地方最低賃金審議会の答申で、京都労働局長に最低賃金を50円引上げ、1058円とするとともに、「中小企業・小規模事業者を対象とした消費税の減免措置や社会保険料の事業主負担分の免除・軽減等、賃上げの原資の確保につながる直接的な支援策を行政として実施するよう、政府に対し強く要望する」「最低賃金の地域間格差による労働力流出」に対し「中央最低賃金審議会に再考を要望した」こと等、重要な答申が出された。ところが、11月15日、京都府は「京都労働経済活力会議」を受け、持続的な賃上げに向け「消費税の減免や社会保険料の事業主負担分の免除・軽減」「賃上げを直接的に支援する新たな支援制度の創設」「最低賃金の地域間格差による労働力流出防止」対策を抜いた緊急要望書を提出したことを代表質問で告発し、その理由を明らかにするよう求めるとともに、都道府県でも実施が広がっている直接支援の決断を求めた。

また、総選挙で各党が公約した学費無償化についても、府議団として交付金増額を求めるとともに、大学の学費値上げストップ、京都府こそ独自の支援拡充を求めた。

さらに、京都ですすむ戦争体制づくりの動きについて、改憲を支持する議員が先の総選挙で2/3を割り込んだことを知事としてどう受け止め、また長距離ミサイル保管のために増強する大型弾薬庫を祝園分屯地にも建設することに対し、今年3月「京都・祝園弾薬庫問題を考える住民ネットワーク」が結成され、9月には説明会の開催を求める署名6067人分を防衛省に提出されるなど、府民の生命と財産を守る知事として、説明を求めるよう強く迫った。

また、本議会に「京都の公立高校30人学級をすすめる会」「子どもと教育・文化を守る京都府民会議」のみなさんが、1万3147筆の署名を添えて、「すべての子どもたちが安心して学べる学校づくりと教育条件の整備に関する請願」を府議会に提出され、懇談し採択に全力をあげた。今年は総選挙の結果もうけ、「教育の無償化」「給食費の無償化」など実現の可能性が高まっており、これまでの運動の積み重ねの重要さへの確信が広がり、熱気ある懇談となった。こうした中、学校体育館への冷暖房の計画的導入に向けた検討が議会答弁として表明された。

しかし、請願審査で自民党議員から「京都式少人数教育で、すでに実施し効果がある」などとして、わが党以外議員が全員反対し否決し、閉会本会議で同請願をふまえたわが党議員団の意見書・決議の提案にも、他会派すべてが反対し否決するという、府民の願いとかけ離れた対応をとったことは重大である。

 

4、西脇府政の国いいなり、開発優先の姿勢がいっそう明瞭となった。

「大阪・関西万博」にあたり、生徒の参加費を支援する「万博子ども体験事業」に関し学校意向調査の結果が公表された。この調査では、「利用する予定」は36%、「利用しない」は37%、「検討する」が23%となり、府の予算化に合わせ、食費やバス借り上げ代駐車場代を負担する自治体では100%利用などの地域格差も顕著である。また、「利用する」と回答したところでも「詳細な地図がわからず、安心して子どもを連れていくイメージがない」「熱中症対策が徹底できるか不安」「メタンガスの爆発事故が心配」などの声がまとめられている。下見もできず、ガス爆発事故の危険性も続いているところに、「子どもを行かせられない」との声が出ているにもかかわらず、「学校の自主的判断だ」とし、事故が起こればその責任を学校現場や保護者に押しつけることになりかねず、極めて無責任で、事業は中止すべきである。

また、向日市に建設予定の「京都アリーナ」(仮称)は、住民の道路拡幅をはじめとした切実な願いに応えないまま補正予算(債務負担行為)を提案する一方で、勤労者福祉センター条例の一部改正の骨子案が報告され、来春2月府議会に5つの勤労者福祉会館のうち、城南、中丹、丹後の会館を廃止する条例改正案を提案した。審議を通し、「福知山市や利用団体からは代替措置を求める声が出ており調整している」と答弁があり、また年間10万人もの利用があることも示さざるを得なかった。住民の反対があっても巨大アリーナは建設するが、府民の身近な施設は廃止するというやり方は重大である。

 

5、府営水道事業の広域化等の動きが進められており、その問題点を厳しく追及した。

「持続可能な府営水道のあり方について」(第三次答申)が報告され、答申には、「経営一体化」として、上下水道一体の公民連携、ウォーターPPP導入など「あらゆる手法を検討すべき」とされ、本会議では、自民党から「ウォーターPPP導入を」と求める質問が出された。府は「すぐれた技術を生かし、経営基盤を安定させる上で有効な選択肢の一つであり、様々な手法を選択するのかは、事業者で主体的に判断される」と答弁した。今後、府営水道の広域化、民間委託など注視していくことがいっそう求められる。

また、答申で示された、次期5年間の総費用がマイナス3.5%と見通しが示され、料金が下がると報道された。わが党議員団は「当初は建設負担料金が下がるが、施設整備方針により、今後、建設負担水量が増えるので、値上げされる市町もあるのではないか」と指摘し、京都府として施設整備方針をどうするのかについて追及したが、「今後、受水市町と府営水道で協議していく」とし、金額がどうなるかについては全く分からず、また「施設整備方針も十分議論が進んでいない」とし、各市町で論議する前提として情報を示すよう求めるとともに、そもそも国の水資源開発計画の見直しが必要と指摘した。

 

6、日本原水爆被害者団体協議会が、ノーベル平和賞を受賞され、わが党議員団は「被爆者の願いに応え、核兵器禁止条約への参加、原爆被害者への国家補償を求める意見書」案を提案した。

13歳で被爆された田中熙巳代表委員は、ノーベル平和賞授賞式で講演で「核兵器の保有と使用を前提とする核抑止論ではなく、核兵器は一発たりとも持ってはいけないというのが原爆被害者の心からの願いです」と述べ、「何十万人という死者に対する補償は一切なく、日本政府は一貫して国家補償を拒み、放射線被害に限定した対策のみを今日まで続けてきています」と力をこめ、繰り返し強調された。わが党議員団は、閉会本会議で、「被爆者と固く連帯し、非核の日本と世界の実現に力を尽くそうではありませんか。」と呼びかけたが、他党議員が、全く意見も表明しないまま、軽々しく否決したことに満身の怒りをこめて抗議するものである。

また「企業団体献金の全面禁止、裏金問題の全容解明を求める意見書」案や京都府保険医協会から提出された陳情をふまえ、「健康保険証の存続を求める意見書」案、「大阪関西万博に関する決議」案、「緊急に消費税減税とインボイス制度廃止を実施することを求める意見書」案等を提案したが、他党議員がすべて否決した。

 

総選挙の国民的審判、そして北陸新幹線延伸計画が行き詰まるなど、自民党政治の大本の転換が、いよいよ求められるとともに、年末が迫る中、食料提供プロジェクトに多くの方々が参加される事態が広がるなど、暮らしの願いを実現することが緊急に必要である。

わが党議員団は、暮らしに寄り添い、来夏の参議院選挙で勝利するため、全力をあげるものである。

以上

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2024年12月議会を終えて.pdf

2024年12月府議会閉会本会議│意見書・決議案討論/議案討論

2024/12/23 更新
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意見書・決議案討論/島田けい子議員【京都市・右京区】

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京都府議会12月定例会は、12月19日の本会議で意見書案・決議案の討論・採決が行われ、党議員団を代表して島田けい子議員が提案された意見書案13件・決議案3件に対する討論を行いました。

討論全文は以下の通りです。

討論全文

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議案討論/ばばこうへい議員【京都市・伏見区】

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京都府議12月定例会は、12月19日の本会議で議案67件の討論・採決が行われ、党議員団を代表してばばこうへい議員が討論を行いました。ばば議員は議案67件中、第1号議案「令和6年度京都府一般会計補正予算(第4号)ならびに、第7号から第49号、第54号の手数料・使用料のいっせい値上げに関わる条例改正議案の45議案に反対し、他の議案に賛成の立場で討論を行いました。

討論全文は以下の通りです。

討論全文

241219_議案討論【大要】(馬場).pdf

2024年12月定例会一般質問(大要)│成宮まり子議員【京都市・西京区】

2024/12/11 更新
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<主な質問テーマ>

●男女賃金格差の是正、非正規やケア労働者の賃上げについて

●本府における非正規職員の処遇改善と女性管理職割合の引上げについて

<質疑大要>

★20241210一般質問【大要】.pdf

2024年12月定例会一般質問(大要)│みつなが敦彦議員【京都市・左京区】

2024/12/11 更新
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<主な質問テーマ>

●次の百年を展望した府立植物園のあり方について
●国民皆保険制度の今後について

<質疑大要>

20241209_一般質問【大要】.pdf

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2024年12月定例会代表質問(大要)│森よしはる議員【京都市・南区】

2024/12/09 更新
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12月2日に開会した京都府議会12月定例会は、6日に代表質問が行われ森よしはる議員が質疑に立ちました。

主な質問テーマ以下の通りです。質疑の大要は下記リンク(PDF)でご覧になれます。

主な質問テーマ

○中小企業支援の財源を国に求め、本格的な賃上げの実現を

○あまりに乱暴な使用料・手数料の一斉引上げはやめるべき

○北陸新幹線延伸計画は中止・撤回を 知事は態度を明らかにせよ

○市民の意見も聞かない京都アリーナ計画強行は許されない

○不登校支援-子どもたちの声を聞ける学校づくり、フリースクール支援を

質疑大要

★20241206_代表質問【大要】.pdf

つながるチャンネル(公式YouTube)

2024年9月定例議会を終えて【団長談話】

2024/11/15 更新
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2024年9月定例議会を終えて

2024年11月15日

日本共産党京都府会議員団 団長 島田けい子

 

 9月12日に開会した9月定例議会は、決算特別委員会、解散・総選挙をはさみ11月11日に閉会した。

 今議会は、物価高や資材高騰、円安など、府民の暮らしと経済に深刻な影響が出ているもとで、裏金問題で国民の怒りに追い詰められた岸田首相が政権を投げ出し、その後、総理となった石破氏が、突然解散・総選挙を行い、その結果、自公過半数割れという歴史的大敗に追い込む中で開かれた。

 わが党議員団は、自民党政治と西脇府政の行き詰まりを告発し、転換の必要性を浮き彫りにする立場から、自治と公共の再生を図るため、府民の暮らしの実態や要望、運動と連携し攻勢的な論戦を行った。

 

1、本議会に提案された議案17件のうち、第4号議案「建築基準法施行条例及び京都府福祉のまちづくり条例一部改正の件」、決算認定議案の第10号議案「令和5年度京都府一般会計及び特別会計歳入歳出決算を認定に付する件」、第12号議案「令和5年度京都府水道事業会計決算を認定に付する件」に反対し、他の議案に賛成した。

当初提案議案で反対した第4号議案は、国や府、宇治市など建築主事を有する公共団体について、建築基準法施行条例に基づき、京都府福祉のまちづくり条例の対象となる不特定多数の方が利用する一定規模以上の公共施設の建設などについて、建築主事が行うべき検査や審査を、民間の「指定確認検査機関」でもできるように変更するものである。これにより、公立学校や公立病院、公共庁舎などの公共施設が福祉のまちづくり条例の基準に見合っているのかどうかの審査や確認まで民間に門戸を開くことは、公共施設の安心安全への公の責任を後退させるものである。

当初提案議案のうち、第1号議案「令和6年度京都府一般会計補正予算(第2号)」には、6月議会に続き、大阪・関西万博に向けた準備としてイベントなどの予算が約1.9億円(債務負担行為含む)含まれている。その内容は、お茶の振興や小中高生の文化発表などのように必要な事業まで、大阪・関西万博の準備とすることで、万博以降はどうするのかが見通せないなど、本来行政の役割として求められるものとはかけ離れている。

また「植物園アートナイトウォーク事業費」4,500万円は、大阪・関西万博にかこつけて、府立植物園100周年記念事業として、観覧温室のライトアップ等、賑わい創出や呼び込み型のイベントのためのもので、極めて問題である。

 

2、決算特別委員会に付託された議案のうち、第10号議案「令和5年度京都府一般会計及び特別会計歳入歳出決算を認定に付する件」は反対した。

その理由の第一は、コロナ対策の教訓がいかされず、保健所・医療機関等の体制や機能強化、医療機関・介護事業所等への支援がされていないためである。

コロナ感染症5類移行後の死者数が1年間において全国で3万2576人にのぼるなど、引き続く厳しい事態があるにもかかわらず、検証や総括がまともに行われないままである。しかも、書面審査を通じ、医療機関の病床削減や在宅介護をはじめ介護の危機が他会派の委員からも指摘されたものの、解決にむけた取り組みはないままとなっている。

第二は、中小企業への賃上げのための直接支援に取り組んでいないためである。また、企業に開発・生産・流通を委ねるフードテック構想を推進する一方、小規模農家や新規就農者も含めた農林漁業者への支援や農業振興が後景に置かれているためである。

府内企業の倒産・廃業が23年度10年ぶりに300件を超え27.3%増、負債額5000万円未満の小規模倒産が全体の7割を占める一方、輸出大企業が利益を増やし、圧倒的多数を占める中小企業と一部大企業との格差が拡大していることが明らかになっているにもかかわらず、消費税減税やインボイス中止の声に応えず、産業リーディングゾーン加速化事業やスタートアップ企業への支援に重点が置かれている。その上、中小企業経営改革支援事業の予算額5億円に対し15億円規模の申請に追加補正や今年度予算でも対応しなかった。また、コメ不足と価格高騰に対する、農業者への本格的な所得補償・価格保障、飼料・肥料や農機具等の支援が必要であるにもかかわらず、まともに取り組まないままとなっている。

第三は、子育て支援の肝ともいえる経済的負担軽減が、昨年度策定された子育て環境日本一推進戦略や同推進条例には中心課題に位置付けられず、風土づくりに固執しているためである。

総括質疑、書面審査を通じ、子どもアンケート、パブリックコメントで要望として出されていた給食費無償化、学費・奨学金対策、賃上げなどの声に府として施策や姿勢がないことが明らかとなった。しかも、教員不足をはじめ厳しさを増す学校現場や子どもたちの困難を解決する方向が示されていないことは重大である。

第四は、北陸新幹線、北山エリア開発、京都アリーナ(仮称)、新名神高速道路、大阪・関西万博など住民や当事者の声を聞かずに進める一方、府立大学・府立医科大学病院はじめ必要な整備が先送りされ、府民の暮らしや地域を支える事業などに影響を与えるなど矛盾が拡大しているためである。

府債残高が46億円増え、2兆3652億円となり、1990年代の公共事業の府債の返済がピークを迎えるもとで、決算委員会現地調査で土砂災害警戒地域17000カ所に対し工事完了778カ所にとどまっており、さらに農林水産部所管の山地災害危険地区は、危険個所5072カ所に対し治山事業の着手は1768カ所にとどまっているなど、不要不急の開発より、府民の命と地域を守る対策の緊急性は明らかである。ましてや北陸新幹線延伸計画の推進の立場にあることは極めて重大である。

第五は、水道の広域化・民営化や消防指令の広域化、公務の民営化を強引にすすめ、公共の役割を後退させ、ゆがめているためである。

京都市も含む府南部の消防指令の広域化の計画では、人員削減が目的になっていることが明らかになった。また、長年にわたる職員削減と非正規雇用である会計年度任用職員を拡大してきたことの問題も書面審査を通じて浮き彫りとなった。また、府立勤労者福祉会館廃止に対する懸念が他会派からも出され、府税事務所の統廃合も含め、行政機構や公共施設の統廃合が行政サービスの後退につながり、その上、使用料・手数料の引き上げ計画が表明されたことは重大である。

第六は、自民党政治に、トップダウンの手法で追随し、国の出先機関のような府政運営をすすめ、くらしや地域の疲弊に向き合う府独自の役割を発揮していないためである。

ミサイル弾薬庫増設や司令部の地下化等自衛隊基地の強化、土地利用規制法等住民監視の動きがかなりの規模とスピードで、府民には事実上秘密裏にすすめられ、また書面審査では、能登地震災害をふまえ原発災害の避難対策の不備等が指摘されるなど、軍拡も原発再稼働もやめるべきである。

第12号議案「京都府水道事業会計決算を認定に付する件」については、受水市町との統廃合や民営化に道をつける水道事業の広域化をさらにすすめようとしており反対した。なお、第15号議案「令和5年度京都府流域下水道事業会計決算を認定に付する件」は、令和6年度に水道事業と一体で広域化・民営化の検討がすすめられており問題であることを指摘した。

 

3、党府議団がいっかんして取り組んできた、中小企業支援と一体の賃上げの課題について、府議団主催で9月16日に「いまこそ賃上げ!学習懇談会」を開催したところ、約200名の参加があり、この成果をふまえ、代表質問や一般質問、決算審議等で、中小企業への直接支援や賃上げについて論戦した。

中でも、今年の京都府最低賃金審議会の答申で、公労使が一致して「中小企業・小規模事業者を対象とした消費税の減免措置や社会保険料の事業主負担分の免除・軽減等、賃上げの原資の確保につながる直接的な支援策を行政として実施するよう、政府に対し強く要望する」「業務改善助成金について、要件緩和を行うこと」「最低賃金の地域間格差による労働力流出の防止」などが盛り込まれたことは非常に重要である。これは、2021年に京都府議会で「最低賃金の改善」「中小企業・個人事業主に対する直接的に負担を軽減する方策の推進」を盛り込み全会一致で可決した「コロナ禍で影響を受ける中小企業、個人事業主、働くひとたちへの経済対策・緊急支援対策を求める意見書」が大きな影響を与え、立場の違いを超えた中小企業直接支援と一体の賃上げの重要性が明らかとなった。

しかし、西脇知事は、代表質問の答弁で、「賃金引き上げに向けた環境整備を要望」しているとし「中小企業が利益を確保し、持続的に賃金の引き上げができる体力をつけていただくための支援を、重点的に行うことが効果的」と、中小企業への直接支援の具体化には背を向け続けている。引き続き、国や京都府に対し賃上げにつながる直接支援策の具体化を強く求めるものである。

 

4、現場に足を運び、調査し運動を起こし連携をすすめる取り組みの強化に力を尽くす中で、定例議会を迎えたことが大きな力となった。

党議員団は、9月定例会中の9月24日に補正予算や議案を踏まえた論戦等の報告を兼ねて、決算特別委員会で府民の皆さんからお聞きした実態や要望を踏まえた審議を行うための議会報告会を開催するとともに、11月7日には予算要求・議会報告懇談会を開き、改めて広く府民の皆さんからご意見をうかがう等、暮らしの実態と要求に寄り添う姿勢に徹して取り組んだ。そこで出された意見も踏まえて11月11日に、「2025年度京都府予算に関する申し入れ」を知事に提出した。

代表質問や一般質問の準備に際しても、8月から9月にかけて議員団あげて現場調査に入り、また開会日前日に全議員で府中北部調査を行い、10月31日に行われた府市民総行動に議員団あげて参加するなど、現場調査と運動との連携を意識的に取り組み議会論戦に大いに生かした。また議会中の10月3、4日に能登の洪水被害へのボランティアも団あげて取り組んだ。

こうした中、8月に調査を踏まえ府北部各議員団と連名で丹後広域振興局へ申し入れた「深刻なコメ不足と害虫被害対策」について、カメムシによる農業被害への支援を営農継続緊急支援事業として農薬や肥料の購入経費への補助が、一部既決予算から実施されることとなり大変喜ばれた。また、8月23日には京都府に対して「コメの不足・価格高騰に対する緊急対策を求める申し入れ」を行った。

また新日本婦人の会をはじめ、長年にわたる取り組みにより、「女子差別撤廃条約選択議定書の批准に向けた検討を求める意見書案」が、今年10月にジュネーブで開催された女性差別撤廃条約締結国会議で「日本報告審議」が8年ぶりに行われるというタイミングで全会一致で可決したことは非常に重要である。

また、自民党の代表質問に答える形で、唐突に「子育て支援医療費の拡充」を、府市トップミーティングを踏まえ進める方向を示した。これは長年にわたる運動とまた先の知事選挙や京都市長選挙などでの論戦により、変化を作り出したものであるが、時期や内容については一切明らかにされておらず、速やかな実施を強く求めるものである。

 

5、西脇知事の国いいなりぶりがますます明確になる議会となった。

北陸新幹線延伸計画について、地元負担がどうなるのか等説明を求める声に対し、「国土交通大臣の指示による説明を待ちたい」とまともに向き合わず、また「負担のあり方につきましては、社会経済情勢の変化や給付と負担のバランスなどを踏まえまして、一義的には国において検討されるべきもの」とし、コメ不足に対しても「次年度以降の需給と価格の安定化に向けた対策につなげるよう要望」すると答弁し、また大学の学費値上げに対しては「大学生に対する修学支援につきましては、基本的には、高等教育を所管する国におきまして財源を確保し、全国で統一的に行われるべき」「大学生が経済的な理由で学業をあきらめることがないよう、国に求めてまいります」、また保険証の廃止とマイナ保険証の実質義務化に対しては「京都府といたしましては、府民や医療現場などに混乱をきたさない形で制度移行することが望ましいと考えており、国民に対して丁寧な説明と対策を行い、理解を得ながら進めていただくよう、引き続き国に求めてまいりたい」など、国の姿勢を容認した上で、制度の解説と、国への要望ばかりの答弁が繰り返される傾向がいっそう強まっており、自治と公共の再生にむけた府民的運動とそれにもとづく論戦がいよいよ必要になっている。

 

6、本議会には、「長生園における不明朗な会計処理の解明を求めることに関する請願」「主食の米を増産し、安定供給することを国に求めることに関する請願」が提出された。しかし、他会派はまともな審議もせず、しかも請願者が趣旨説明を求めたにもかかわらず、それも正副委員長が拒否し、わが党以外のすべての会派が反対し簡単に否決したことは重大である。

また意見書案13件、決議案1件のうち、国民民主党・日本維新の会議員団提案の「北陸新幹線のルート検証を柔軟かつ積極的に行うことを求める意見書案」、自民党・公明党・府民クラブ3会派議員団提案の「自動運転移動サービス等の社会実装に向けた環境整備を求める意見書案」の2件に反対し、他の意見書案11件、決議案1件に賛成した。

今議会にあたり、府民的に最大の関心事である裏金問題について、党府議団が提案した「裏金問題の真相究明と企業団体献金禁止、統一協会と政治家の癒着根絶を求める意見書案」や、12月に迫った「健康保険証廃止の見直しを求める意見書案」等、わが会派提案の意見書・決議案には、他会派がすべて反対し否決した。

なお、「旧優生保護法による不妊手術の被害者救済を求める意見書案」について、旧優生保護法の下で不妊手術が強制された京都府内の被害者を支援する団体が9月28日に設立され、府内には被害者が500名以上おられると推定され府内で旧法の下、少なくとも152人が不妊手術を受けたとなっているものの、府内の認定数は18人であり、被害を受けられた方全員に対して救済されることを求めるもので、可決した意義は非常に大きいものである。

 

 総選挙の結果、自民・公明の議席が過半数を割り込むという歴史的な節目に際し、わが党議員団は、金権腐敗政治の根絶、北陸新幹線延伸の中止など、国民のいのち暮らし守る政治の実現のために、多くの皆さんと力を尽くすとともに、深刻となる暮らしと地域経済の底上げを行う京都府の役割を発揮するよう、引き続き全力をあげるものである。

以上

2024年9月定例議会を終えて【団長談話】.pdf

2024年決算特別委員会│知事総括質疑/水谷修議員【宇治市及び久御山町】

2024/11/06 更新
この記事は 22 分で読めます。

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主な質問テーマ

●北陸新幹線延伸計画の中止について

●京都府立大学の施設整備について

●子育て支援のための経済的負担軽減について

241105_知事総括質疑【大要】.pdf

質疑全文は以下の通りです。

2024年9月府議会|意見書・決議案討論/議案討論

2024/10/03 更新
この記事は 6 分で読めます。

意見書・決議案討論/田中ふじこ議員【京都市・中京区】

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「女子差別撤廃条約選択議定書の批准に向けた検討を求める意見書」・「旧優生保護法による不妊手術の被害者救済を求める意見書」を全会一致で採択!

京都府議会9月定例会は、10月3日の本会議で意見書案・決議案の討論・採決が行われ、党議員団を代表して田中ふじこ議員が提案された意見書案13件・決議案2件に対する討論を行いました。

新日本婦人の会をはじめ、さまざまなNGOや市民団体などが長年にわたり繰返し請願や陳情やなどで求めてきた「女性差別撤廃条約の選択議定書」の批准を求める意見書がついに府議会で採択されました。10月のジュネーブでの締約国会議に向けて弾みになるものです。

また、本年7月に「旧優生保護法」の違憲判決がだされ、9月28日には「旧優生保護法による被害者とともに歩む京都の会」が発足したもとで、京都府議会で「旧優生保護法による不妊手術の被害者救済を求める意見書」も全会一致で採択されました。

採択された「女子差別撤廃条約選択議定書の批准に向けた検討を求める意見書」本文

選択議定書.png

討論全文は以下の通りです

討論全文

20241003_意見書・決議案討論【全文】.pdf

 

議案討論/ばばこうへい議員【京都市・伏見区】

★IMG_1987.JPG

京都府議会9月定例会は、10月3日の本会議で補正予算など議案9件の討論・採決が行われ、党議員団を代表してばばこうへい議員が討論を行いました。

補正予算案には賛成したものの、異常な物価高、コメ不足、賃上げ対策など深刻な実態への対策が問われる中、国がどの問題でも十分な対策を示さないもとで、本来本府がその役割を果たさなければいけないが、そうした対策が不十分であることを指摘しました。

討論の全文は以下の通りです。

討論全文

241003_議案討論【全文】.pdf