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申し入れ

城陽市の防災訓練に自衛隊参加についての申し入れ

1980/05/13 更新
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城陽市の防災訓練に自衛隊参加

府は協力やめよ

共産党革新共同が申し入れ

 自衛隊の参加などか大問題となっている城陽市の防災訓練(十六日)について、日本共産党・革新共同議員団(西山秀尚団長、十五人)の宮内泰之、杉本源一、渡辺馨、岩田隆夫各議員は十三日、湯浅利夫・府総務部長と会い、「府は同計画への協力を取りやめよ」との林田知事あての申し入れ書を手渡しました。
 代表は、「防災訓練そのものは、それが地域住民の声を十分に反映し民主的な計画運営がなされるならば必要かつ重要である」としながらも、今回の城陽市の防災訓練計画は関係機関、地域住民などとの十分な協議もないまますすめられ市議も協力を拒否▽自衛隊が百人以上の隊員と敵機のヘリコプターを動員して参加▽災害時には当然、安全地域に誘導避難させなければならない保育園・幼稚園児、小中学校児童・生徒を災害発生地と想定している訓練現地に集めるなど矛言した計画である、ことなどを指摘。「防災訓練に名をかりて、憲法違反の自衛隊の訓練に子どもたちを巻き込み、見学させることを目的としているのではないか」ときびしく批判しました。同時に、府の宇治振興局などが「協力団体としてこの計画に名を連ねていることにふれ「このような計画への協力はやめよ」と強く要請しました。
 これにたいして湯浅総務部長は「(同計画は)城陽市が独自にやっているもの」「府の職員は参加しないが、府からのメッセージまではおことわりするわけにはいかない」などとこたえました。


防災訓練に関する申し入れ書(全文)


 城陽市は、五月十六日に、大規模な防災訓練を行うことを明らかにしている。
 我が国は世界有数の地震多発地域・台風通過国であり、災害を誘発しやすい自然条件におかれている。
 特に住民か心配している山砂利対策は必要である。
 従って、防災訓練そのものは、それが地域住民の声を十分に反映し、民主的な計画運営がなされるならば必要であり、かつ重要である。
 ところか、伝えられるところによると、今回の防災訓練計画は、関係各機関・地域住民などとの十分な協議のないままに進められ、市議会さえも協力を拒否するという事態になっている。
 更に重要なことは、この防災訓練に、自衛隊が百名以上の隊員と数機のヘリコプターを動員し参加するとされていることである。
 しかもその計画は、災害時には当然、安全地域に誘導避難させなければならない、保育園児・小中学校児童・生徒を、災害発生地と想定している訓練現地に集めるなど、矛盾したものとなっている。これは、防災訓練に名を借りて、憲法違反の自衛隊の訓練に子供達を巻込み、見学させることを目的としていると言わざるを得ない。
 今日、国際情勢の緊迫を理由に、日米軍事協力「日米安保条約」の再編強化・有事立法制定・軍需生産強化・徴兵制発言など、軍国主義全面復活の動きが強められており、今回の計画は、その下地づくりとして、自衛隊の認知をねらう動きに手を貸すものである。
 京都府は、宇治地方振興局などが[協力団体]として、この計画に名を連ねているか、これは、平和と安全を願う府民の意志とは相反するものである。
 日本共産党・革新共同京都府会議員団は、知事に対して、ただちにこの様な計画への協力を取り止めるよう、強く申し入れるものである。

一九八〇年五月十三日

日本共産党・革新共同府会議員団

京都府知事 林田悠紀夫殿

城陽市の防災訓練に自衛隊参加についての申し入れ[PDFファイル 2ページ/408KB]