資料ライブラリー

申し入れ

農作物の冷夏被害対策を申し入れ

1980/09/11 更新
この記事は 4 分で読めます。

農作物の冷夏被害対策を申し入れ


 戦後最大の被害となった農作物の冷害について、日本共産党・革新共同議員団の高橋進、杉本源一、宮内泰之各議員は、九月十一日、芦田浩次府農林部長に会い、冷害被害対策に関する、知事あての申し入れ書を手渡しました。
 代表は、議員団の調査によると丹後地方では水稲を中心に大被害が出ていることを説明、天災融資法の発動を要請すること、申し入れ内容のとおり、農業経営を守るため万全の対策をとるよう要請しました。


申し入れ全文

 この夏の〝もどり梅雨〟、異常低温、日照不足などにより全国的に農作物の冷害が大きな問題になっています。京都でも、府北部地域をはじめほぼ全域の山間部等で水稲を中心に被害が発生しており、ひきつづく異常天候のもとでさらに拡大するものと憂虚されていま
す。
 これらの被害は、困難な中で農業を守っている農家に深刻な打撃を与えており、大幅な強制転作の拡大とあいまって新たな生産意欲をそぐものとなりかねません。このような事態に際し府当局が、京都の農業と農家の経営を守るために、直ちに次の対策を講じられるよう申し入れます。
一、薬剤費の助成 イモチ病などの共同防除に要した、例年使用量を越える薬剤費は、全額府・市町村・農協で負担すること。
二、共済制度の改善 評価事務を適正かつ迅速に行い、給付金の支給を早めること。必要な場合仮渡しを行い、また農協等で立替払いを行う場合、府・市町村で利子補給を行うこと。 なお、被害補償率を八〇パーセントに引き上げるとともに、くず米その他品質低下による減収も補償の対象とするよう共済制度を改善すること。
三、等外米対策 品質低下に伴う等外米について、国に買い上げを要求するとともに、必要な場合〝京都食管〟で買い上げること。
四、価格安定制度の活用 野菜価格安定制度を改善し、災害による減収も補償の対象とすること。また、指定出荷量に達しなかった産地の指定打ち切り等を行わないこと。
五、自給飼料対策 湿害等により潰滅したトウモロコシその他自給飼料対策として、転印の認定はもちろん、種子代等の助成を行うこと。
六、転作大豆・麦等の対策 転作大豆の紫班病等の病害に対し、万全の対策を講じること。また、作付が心配される麦・秋野菜等に対し、応急排水対策等の指導など適切な対策を講じること。
七、養蚕対策 異常天候がつづく場合、発生か予想される硬化病など、病害対策について万全の対策を講じること。また、桑の需給についても対策を講じること。
八、税その他の負担軽減措置 被害農家の経営と生活を守るため、住民税等の減免を行うこと。また、土地改良事業実施田の被害が甚大であることから、負担金・借入金の返済猶予等の軽減措置を講じること。
九、市町村への財政援助 国に対し特別交付税を要求するとともに、自治振興補助金などを積極的に活用し、市町村への財政援助を強めること。また、府独自に災害交付金制度を設けること。

一九八〇年九月十一日
日本共産党・革新共同京都府議会議員団
団長 西山秀尚

京都府知事
林田悠紀夫殿

農作物の冷夏被害対策を申し入れ[PDFファイル 1ページ/355KB]