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私学助成条例案否決についての「京都府」ビラで抗議の申し入れ

1981/05/03 更新
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私学助成条例案否決についての「京都府」ビラで抗議の申し入れ


 「京都府」の名で五月三日付一般新聞全紙に私学助成条例案の否決について、府の一方的見解だけを宣伝する文書が折り込まれました。共産党・革新共同府議団は、六日、林田知事あてにこの文書の撤回などを求める申し入れをおこないました。申し入れの全文は次のとおりです。


 「私立学校の助成に関する条例について、府民の皆様へ」と題する「京都府」署名の文書が五月三日付各新聞の折込みで府内各家庭に配布された。
 この文書は通例の広報文書と異なり、京都府名で発行されている以上、林田知事が直接府民によびかけているものである。
 知事はこのなかで、直接請求の主旨、条例案について、種々反対の意見を述べているが、これには知事が条例案に付して議会に提出した「意見」には無かった内容が多く含まれており、「議会の意見」として述べられている内容も、審議過程全体を通じて個々の議員のだした反対意見だけか恣意的にとりあげられているものである。
 公正を旨とすべき行政を代表する知事の公的文書であるならば、その意見は当然議会に提出した「意見」に限定されるべきであり議会でだされた意見については公式記録のある本会議での発言に限るべきであることはもちろん、賛否両論とも正確に記述し、請求の趣旨は正しくとりあげられねばならない。
 この点で当該文書は、異例のものというだけでなく極めて異様なものである。
 さらに重大なことは、「知事の予算編成や議会の審議権を損なうのではないか」と憲法、地方自治法で明確に保障された住民の直接請求権そのものを否定する見解を宣伝していることである。
 また議会審議の内容を報告すると称しながら、報告内容について何ら議会の承認もないままに、一方的な見解を「議会の意見」として府民に公表していることである。
 このことは、住民の民主的権利を邪魔物視するばかりか、議会を行政の従属物視する林田知事の権力的体質を自ら暴露したものであり、断じて許すことのできないものである。この文書が、五月三日憲法記念日に配布されたことは偶然ではない。
 わが議員団は、以上の立場で林田知事に対し次のとおり強く求めるものである。

一、当該文書をすみやかに撤回し、取消しを府民に周知徹底させること。
二、府議会に対し、陳謝すること。
三、直接請求代表者、実行委員会に対し、陳謝すること。

私学助成条例案否決についての「京都府」ビラで抗議の申し入れ[PDFファイル 1ページ/242KB]