風しん対策、イネミズゾウムシ大量発生で申し入れ
風しん対策、イネミズソウムシ大発生で申し入れ
風しん
全国的大流行の兆しをみせている風しんは、本府においても北部を中心に増勢、流行の危険がある。
妊娠初期の母体が風しんに感染すると、先天性風しん症候群とよばれる心臓障害、難聴、白内障、知能障害等をもつ障害児を出産する危険が極めて高いといわれている。
年間三万人をこえる府下の新生児を風しん症侯群から守り、婦人が安心して妊娠、出産できるよう予防と安全対策を徹底して実施することは、緊急の課題であり、府民のいのちと暮らしを守るべき知事の責務である。
わが議員団は、知事がこのための万全の措置をとられるよう次の通り強く申し入れるものである。
記
一、府下における風しん発生状況を正確に把握すること。
二、妊婦および妊賑が予期される既婚婦人の抗体検査を、無料で大至急実施すること。
三、抗体検査、ワクチン接種を各保健所で実施すること。
四、風しんについての正しい知識と予防対策を普及するため、医師会、市町村等の協力をえて、府下全域、各地域、職場で健康教室を開催するとともに、抗体検査やワクチン接種の受け方、実施機関等につき、広報宣伝を徹底しておこなうこと。
五、風しんに感染した子どもたちとの接触が多い職場に働らく妊娠初期の婦人が予防休暇をとれるよう、関係機関を通じ適切な指導援助をおこなうこと。
以上
一九八一年六月十一日
日本共産党・革新共同府会議員団
団長西山秀尚
京都府知事
林田悠紀夫殿
害虫対策
水稲にとって新しい大害虫と云われる「イネミズソウムシ」の京都府下へのまん延の危険が叫ばれています。
既に、現在までの調査結果によっても、昨年一部山間部で発生が確認された亀岡市域、同京都市西京区、さらに今年新たに、京都市山科区、相楽郡南山城村、笠置町、加茂町で成虫が、長岡京市、大山崎町で食痕が確認され、府下全域への大発生の危険な様相をみせています。しかも、これは、田植後五~十日後でないと発見しにくいというこの虫の生態から推定すれば、恐るべき広範囲に被害を拡大させる惧れは歴然としています。
府下農民にとって、相つぐ減反政策の強行と昨年の冷夏被害に加えての今回のイネミソウムシの大発生は、計り知れない打撃を与えることは必至であり、一刻の猶予も許されない重大事態であります。
府当局にあっては、こうした緊急事態にかんがみ、府下農民の危機を全面的に救済し、被害を最少限にくい止める適確な措置、および、指導、援助を徹底される様申し入れます。
一、発生状況の適確な把握とともに関係諸機関、および耕作農民にその危険性について衆知徹底する宣伝啓蒙に努めること。
一、害虫防除に要する農薬代、資材等については、農家負担とならぬよう全額、国・府(市町村)負担とすること。
一、特定防除事業の範囲を拡大し、発生の危険が予想される全域で予防を含む完全防除を実施すること。
一、京都市とも連携し、府下いっせいに防除できる体制を確立すること。
一、防除薬による二次被害、魚毒等影響のない安全で効果的な防除方法の確立に向けての研究を急ぐこと。
以上
一九八一年六月四日
日本共産党・革新共同府会議員団
団長西山秀尚
京都府知事
林田悠紀夫殿
風しん対策、イネミズゾウムシ大量発生で申し入れ[PDFファイル 1ページ/185KB]