臨時講師配置に関する申し入れ
申し入れ
京都府教育委員会は、同和事業と称して九月一日から臨時に講師を大量に採用し、校区内に同和地域をもつ中学校に配置をすすめている。
この講師の配置をうけた中学校長は、府教育委員会の指示によるとして、これら講師の職務を同和地域出身の三年生で明春の高校入試で府立高校合否のボーダーライン上にあるとみられる生徒にたいする夜間の出張を含む個別学習指導と説明している。
府教育委員会が公立高校の受け入れ枠を抑制して高校進学率を低下させ、さらに高校教育制度の改悪を明春から強行実施するという状況のもとで高校進学を控える中学三年生とその父母の不安は、いよいよ増大している。この時期に同和地域の中学三年生、しかも府立高校合否のボーダーライン上の生徒だけを対象とする個別学習指導を公立中学校の手でおこなうことが、逆差別として多くの中学生と父母の反発をまねき、差別を助長することは明らかである。また同和地域内でもこの措置の対象とされた生徒と、はずされた生徒のあいだに対立がうまれ、友情と連帯がそこなわれることも充分予測される。中学校での教育的検討抜きの押しつけによるこの措置は、学校教育にも同和推進のとりくみにも新たな困難をもちこむものである。
さらに重大なことは、予算措置を必要とするこの新しい「事業」が府議会にはからないまま抜き討ち的に強行されていることである。このような議会無視が許されないことは言うまでもない。民主主義に反するこのやり方にも、この「事業」の本質があらわれているのである。
以上の立場からわが議員団は、京都府教育委員会がこの不当極まる「事業」を即刻取り止めるよう強く申し入れる。
一九八四年九月四日
日本共産党・革新共同京都府会議員団
団 長 西山秀尚
京都府教育委員会委員長
大槻 禰一郎 殿
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