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申し入れ

「部落解放基本法」制定要求京都府大会への知事への出席と実行委員会名誉会長就任取りやめを求める申し入れ

1985/08/09 更新
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「部落解放基本法」制定要求京都府大会への知事の出席と
実行委員会名誉会長就任取りやめを求める申し入れ

日本共産党・革新共同京都府議会議員団

一九八五年八月九日

京都府知事 林田悠紀夫殿


 「部落解放基本法」制定要求京都府実行委員会結成大会の開催が八月十一日に予定されている。この大会を主催する「部落解放基本法」制定要求国民運動京都府実行委員会の名誉会長に知事、副実行委員長に植田副知事の就任と、大会への知事の出席が予定されているが「部落解放基本法」の制定は、部落解放に逆行するものである。
 日本共産党・革新共同京都府議会議員団は、「部落解放基本法」の制定策動について反対してきた。その第一の理由は部落問題を半永久的な法形態である基本法として制定することは、部落差別の解消を遠い将来へ押しやることになるからである。同和対策事業特別措置法制定以来十六年間に二兆円余りの国費とこれを上回る自治体の同和予算により、部落内外の格差が縮少してきたことは厳然たる事実であって、今曰の部落問題を二十一世紀まで持ち越さないという展望をもちうる段階になっているからである。
 第二の理由は、基本法の主要な内容として差別の法規制があげられているが、これは差別行為に対する判定基準が明確化したばかりか乱用される恐れがある。そもそも部落に対する認識の遅れからくる差別意識は、民主主義の発展と、正しい部落解放運動や粘り強い啓蒙運動、教育活動によってこそ克服できるのである。刑罰で部落差別を規制することは、全国水平社がこれを拒否した歴史的経過などからみても、部落差別の解消に逆行するものである。十六年間の同和対策事業のなかで、部落解放同盟の不当な要求や糾弾行為によって、少なくない自治体で不公正、乱脈な同和行政や財政破綻、同和地区住民の自立意識の後退などの問題を生じできた。林田府政のもとで育成された全日本同和会幹部による脱税コンサルタントやニセ同和団体千原産業の不正事件が明るみに出されたのをはじめ、府南部の開発に便乗した解同、同和会、ニセ同和、暴力団による不法行為が続出している。
 部落解放同盟による暴力的糾弾と不公正な同和行政を永続化させるねらいをもつ「部落解放基本法」の制定の策動に中立、公正な行政に責任を持つべき知事が加担することを取りやめるよう強く申し入れる。

「部落解放基本法」制定要求京都府大会への知事への出席と実行委員会名誉会長就任取りやめを求める申し入れ[PDFファイル 1ページ/331KB]