「天皇在位六十年」祝賀行事に反対する申し入れ
「天皇在位六十年」祝賀行事に反対する申し入れ
中曽根内閣は四月二十九日の天皇誕生日に、天皇在位六十年祝賀武典を行うのをはじめとする一連の祝賀行事を実施することを決定し、準備をすすめている。
京都では、一月三十日に「天皇陛下御在位六十年京都奉祝委員会」(会長・奥田東元京大総長)なる組織が結成され、①京都府をはじめ地方自治体の主催する奉祝式典の開催を求める、②府内すべての自治体に奉祝委員会を結成し、記念事業・行事を行う、⑧十一月十日に京都市内で奉祝式典を、前日十一月九日に十万人奉祝パレードを行う、などを決めている。
わが議員団は「天皇在位六十年」祝賀行事については次の理由によって反対である。
一、かつて現天皇を最高責任者として遂行された侵略戦争や、主権在君の暗黒政治を肯定するものである。
二、侵略戦争と暗黒政治の反省にたって主権在民を確立した今日の憲法の、民主的平和条項への真っ向からの挑戦である。
三、参議院選挙を自民党に有利にはこぶための党利党略の天皇利用であるとともに、中曽根首相がすすめる「戦後政治の総決算」路線の総仕上げとしての憲法改悪、天皇の元首化を推進するための政治的キャンペーンである。
四、とくに京都では、全国に率先して盛大に奉祝することによって、大嘗祭(だいじょうさい)、御大典を京都で行う機運を高め、天皇を利用して京都を反動の拠点にすることを狙うものである。
わが議員団は、知事と京都府が天皇在位六十年祝賀に関する行事やキャンペーンに、参画や支援を一切行わないよう強く求め、申し入れるものである。
一九八六年四月十七日
日本共産党・革新共同京都府議会議員団
団長 西山秀尚
京都府知事 荒巻禎一殿
「天皇在位六十年」祝賀行事に反対する申し入れ[PDFファイル 1ページ/162KB]