資料ライブラリー

申し入れ

府南部地域の豪雨被害に関する申し入れ

1986/07/26 更新
この記事は 3 分で読めます。

府南部地域の豪雨被害に関する申し入れ

一九八六年七月二十六日

日本共産党・革新共同府議会議員団

京都府知事 荒巻禎一殿


 京都府南部地域を襲った集中豪雨は、笠置町、和束町で昭和二十八年以来の大水害をもたらし、宇治市、城陽市、八幡市、乙訓地域等でも大規模な浸水被害をもたらした。
 わが議員団は七月二十二日、西山秀尚団長、福山敏夫建設常任委員長、高橋進農林商工常任委員長、本野哲郎治水利水対策特別委員長が、地元国会議員団、各町村会議員団とともに、特に被害の大きかった笠置町、和束町、南山城村、加茂町を現地調査し、被災住民の皆さんをお見舞いし、激励した。
 わが議員団は、従来から土石流危険個所、土砂くずれ危険地域の総点検と災害防止対策の厳格な実施を要望してきた。しかし、土石流の被害に見舞われた笠置町奥田地区、和束町木屋地区では、従来から災害の危険が指摘され、治水対策の強化が強く要望されていたにもかかわらず、本府が必要な防災措置を講じなかったことが明らかになった。
 今回の大水害は、局地的な集中豪雨に見舞われたことが主要な原因とはいえ、本府の治水対策の不十分さが被害を一層大きくしたといわざるをえない。また都市部の水害についても、防災を後回しに開発をすすめてきた結果発生したものである。
 したがってわが議員団は、本府として今回の大水害の全容把握、原因の解明をおこない、早急な災害復旧と被災住民の救済に万全を期すよう左記のとおり申し入れるとともに、防災、治山治水対策を優先させた行政への転換を強く要求するものである。

1、激甚災の地域指定を国に要求するとともに、府独自の災害復旧予算を緊急に計上し、家屋、道路、河川、橋梁、田畑等の早急な災害復旧と二次災害の防止に全力をあげること。
2、笠置町等の住民の飲料水、生活用水の確保に万全を期すとともに、応急水源を確保し、緊急に簡易水道を復旧すること。
3、通勤・通学の足を確保するため、国鉄関西線の全面復旧までの間、国鉄として代替バスを運行するよう国鉄、政府に要求すること。
4、被災住民の日常生活の回復を援助するため、生活必需品や学用品、見舞金の支給をはじめ、くらしの資金の貸付の適用や住宅資金の低利の貸付など、必要な特別措置を講じること。
5、ガケくずれ危険地域、土石流危険個所、集落の上に位置する頭首工、人工林の総点検を早急に行い、災害防止に万全を期すこと。
6、災害時の行政無線の体制に万全を期するとともに、防災行政無線の整備を早期に行うこと。
7、内水排除対策に万全を期し、諸施設の完備をはかること。
8、木津川、桂川河川敷運動公園の速やかな復旧をはかること。

府南部地域の豪雨被害に関する申し入れ[PDFファイル 1ページ/122KB]