舞鶴港の輸入木材の積降しに際して発生する木皮の処理と、丹後国営農地開発の推肥の供給についての申し入れ
舞鶴港の輸入木材の積降しに際して発生する木皮の処理と、丹後国営農地開発の推肥の供給についての申し入れ
京都府知事 荒巻禎一殿
一九八六年十月三十日
日本共産党・革新共同京都府会議員団
舞鶴港に輸入される木材から発生する木皮は、陸揚げ木材分で年間約一万七千立方㍍、海上扱いで約四千五百立方㍍(六十一年度発生予測値)とされており、木材輸入企業と港湾荷役会社等で、社団法人・舞鶴港環境保全協会をつくり、本府からも委託金を支出して、約六千立方㍍の木皮が焼却処分されている(六十年度実績)ものの、その処理量は約三〇%に満たないばかりか、焼却による公害発生に関係者は苦慮しているのが実態であります。
一方、丹後国営農地開発事業は、昨年度島津第四団地を皮きりに今年度いよいよ関係各町において本格的に造成がすすみ、作付開始が行われたところです。二万一千㌶に及ぶ本事業は、曰本最大規模のものであり、その成否は関係農家はもちろん、丹後地域経済を左右し、ひいては、本府農政の上からも絶対に失敗は許されない一大事業であります。
わが議員団は、かねてより、本事業が真に農家の期待に応え、地域農業の確立に役立つものとするために、数々の指摘とともに積極的提案を行ってきたところであります。
その中で本事業推進に当たっては、人づくり、土づくりが何にもまして根幹的課題でありますが、今回は〝土づくり〟をすすめる上で欠かすことの出来ない堆肥供給の問題について議員団の調査、折衝を通じて、明らかとなった輸入木材から大量に発生する木皮を堆肥として活用することについて提案し、その実現を図られるよう申し入れるものです。
一、木皮活用により、良質堆肥生産が可能であることは、既に実証されているところでありますが、これを丹後国営農地で活用するならば、同協会において焼却処分に加えて一立方㍍当たり八百円―千円を補助して民間業者や他県に搬送しても、なお、処理し切れない現状の打開ととちに、極めて近距離で、しかも、大量の堆肥を必要とする同事業の堆肥供給の上でも一石二鳥の効果を上げることを可能にするものであります。
さらに、この際海上扱いを出来るだけ陸揚げに変更することによって、木皮による海の汚染をなくすことを図るべきであります。
二、わが議員団は、過日、同協会を訪問し右提案したところ、願っでもない方策として歓迎され、一方、峰山地方振興局及び丹後国営開発推進協議会では、土づくりの要としての堆肥センターの建設問題とともに、安価な原料の確保に苦慮しているところです。
したがって、本府におかれては、同事業の成功的な推進策の一環としで、この木皮活用の方策について、関係部局間調整を行い、実現されるよう強く申し入れる次第であります。
舞鶴港の輸入木材の積降しに際して発生する木皮の処理と、丹後国営農地開発の推肥の供給についての申し入れ[PDFファイル 1ページ/175KB]