社会福祉施設の防災対策の強化についての申し入れ
社会福祉施設の防災対策の強化についての申し入れ
一九八七年六月八日
日本共産党・革新共同京都府議会議員団
京都府知事 荒巻禎一殿
六月六日深夜、東京東村山の特別養護老人ホーム「松寿園」で出火、入所中の老人十七名が焼死、二十五名が負傷などするといういたましい惨事が発生しました。死亡者中、十四名は二階の居住者といわれています。
新聞報道によれば、「松寿園」は「防災対策に問題はない」といわれた〝優良施設〟とされていました。しかし、消防法上、設置義務がないとして、スプリンクラーの設備がされていなかったこと、夜間の職員体制の不備などが、被害をいっそう大きくしたことは明らかであり、自治省、消防庁もスプリンクラー設置義務基準の見直しを検討するなどとしています。
わが議員団は去る昭和五十七年九月定例会において「体の不自由な人を多数収容している医療施設や社会福祉施設では特に万全の防護、救護体制がとられなければならない」として、消防法施行令別表第一の六項に定められている防災基準適合表示を表示要綱に基づき総点検し、指導を強化するよう強く指摘しました。
特に府立洛南寮にスプリンクラーの設備がないことについて、「なるほど消防法上は六、〇〇〇平方メートル以下は義務づけられていないものの、五、八七八平方メートルと設置基準すれすれである以上、当然設置すべきである」と警告したところです。
当時、本府理事者は「田辺町消防本部の見解は『あるに越したことはない』という程度だから、特に必要とは考えない」「ニ階建ての低層建築物であり危険はない」などと無視したものです。
わが議員団は今回の事件の経過に鑑み、法令の改正をまつまでもなく、直ちにスプリンクラーの設置を行うことをはじめ、職員の配置、構造問題など必要な改善をおこなうこと。すべての社会福祉施設について表示要綱に基づく総点検、指導の強化をおこなうよう改めてつよく求めるものであります。
以 上
社会福祉施設の防災対策の強化についての申し入れ[PDFファイル 1ページ/216KB]