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関西電力・福井県原子力発電所の重大な危険をはらむ「出力調整試験」に関する緊急申し入れ、「新・府婦人行動計画」策定にあたっての申し入れ

1988/01/02 更新
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 日本共産党京都府委員会、日本共産党・革新共同府会議団は、男女平等、女性の地位向上を実現する立場から、平等、発展、平和という女子差別撤廃条約の理念にそって、広く婦人の意見を結集し、「現行動計画」の厳しい総括の上にたって、「新・京都府婦人行動計画」を策定されるよう強く要求すると同時に、重点課題として別紙のとおり提案、申し入れるものです。

「新・府婦人行動計画」策定にあたっての申し入れ
「女子差別撤廃条約」の理念を生かし
平等、発展、平和めざして―

一九八八年二月八日

日本共産党京都府委員会
日本共産党・革新共同京都府議会議員団

京都府知事 荒巻禎一殿


 京都府は一九八一年十二月に「京都婦人行動計画」を策定し、一九八二年より五年間で推進するとしてきました。そして本年度中に二十一世紀に向けての「新京都府婦人行動計画」を策定するとしています。
 日本共産党京都府委員会は、一九七六年「国際婦人年行動計画」についての提言を発表し蜷川京都府知事に、十三項目の重点要求を申し入れるなどその実現のため、府内の広範な婦入団体とともに手をたずさえて努力してまいりました。
 当初、蜷川京都府知事から依頼を受けた各界婦人の代表三十四名によって構成された京都府婦人間題協議会は、一九七七年「教育と訓練」「労働と条件整備」「健康と福祉」の部会を設置し、一九七九年四月協議会としての提言を発表、その際「婦人の幸せは平和なくしてあり得ないこと」「行動計画を策定するにあたって広く府民の意見を聞くこと」を付言し提言されました。日本共産党府会議団はこの提言を支持し、その実行を知事に対し追求してきました。
 林田京都府知事は京都府婦人問題協議会とこの提言を無視して、府下の広範な婦人団体の積極的参加を阻み、一九八一年に婦人行動計画を発表しました。
 しかしこの行動計画は、新たな事業は十八項目ですが、期間中の五年間に実行されたものは四項目のみであり他の一六五項目は、以前から行政として実施している施策であります。林田知事は、こうして計画に盛り込んだ施策すら、充実発展させるどころか、多くの施策廃止、後退を進め、婦人の切実な願いに適切に応えてきませんでした。男女平等、婦人の地位向上の世論と運動の高まりとはうらはらに、母親大会、働く婦人の集会への補助金を打ち切り、婦人の自覚的な活動を敵視してきました。
 急増する働く婦人の母性保護を切り捨てる労基法の改悪に反対の態度を明確にせず、婦人センターを貸事務所化して自民党支部に使用させ、労働セツルメントの廃止、母子寮、老人福祉施設をはじめとする全ての福祉施設を民間委託して府の責任を放棄し、母子家庭の福祉の後退や老人医療を有料化してきました。
 教育の分野で見れば、「日の丸」「君が代」の押しつけ、家庭科男女共修制の後退や、高校教育制度の改悪によって中途退学者をこの三年間増加させつづけています。
 軍拡と福祉、教育切り捨ての自民党政府に直結した京都府政のこれらの方策は、女性の地位向上にとって一層の困難をもたらし「国連婦人の十年」の精神に逆行するものです。

「新・府婦人行動計画」の重点課題案

一、「婦人行動計画」の実り多い実行・促進にあたっては、各市町村の協力はもちろん、何よりも婦人自らの積極的自主的参加を促進すること。
▽「婦人行動計画」の庁内推進体制を存続・強化し、婦人問題担当課を強化し、府の機構をあげて婦人施策の前進を図ること。
▽「計画」の推進にあたっては、団体の規模や活動内容にかかわらず、すべての婦人団体に公平に参加と協力をよびかけ、推進状況を毎年公表し対策を強めること。
▽府下市町村が、独自の「婦人行動計画」を策定し実行するよう府としての積極的役割を果たすこと。
▽婦人むけ広報・婦人施策徹底のための対策をつよめること。京都府各種審議会・委員会に婦人の登用を積極的にかつ民主的におこなうこと。

一、京都府職員の採用、昇任、昇格にあたっては、男女平等の立場で一層努力すること。

一、婦人の多様な要求に応え、自主的活動を促進するために、多目的使用の可能な婦人会館(仮称)を、地域の要求にこたえて増設すること。また、運営にあたっては、費用、時間帯、保育体制などふくめて、婦人の声を反映し活用しやすいものにすること。

一、母性保護を前提に、雇用の平等を保障し、人間らしく働ける条件づくりめざして、国、事業主、関係機関に働きかけ、府としても施策の充実をはかること。
▽「男女雇用機会均等法」・「労基改悪」後の婦人労働者の実態把握をおこない公表すること。とくに、急増する長時間過密労働・深夜労働の実態、「パート」・「派遣」労働者の雇用状況・母性保護・健康管理・家庭の両立などの実態について把握し、婦人労働者の切実な声を施策として反映させること。当面、「賃金をはじめ雇用の男女差別を是正すること」、「課税最低額を百二十万円に引き上げること」、「平等を口実とした長時間深夜・過密労働をやめ、母性保護を拡充すること。男性もふくめた労働時間の短縮をめざすこと」、「パート労働の生活と権利を守り、福祉事業の推進、退職金条例の実現、労働条件の向上につとめること」。
▽「育児休業法」を全職種適用し、その際、選択制、現職復帰、給与保障をあわせて実現すること。男女いずれも行使できる看護休暇の制度化を国に働きかけ、府においても、率先して実現すること。

一、業者婦人・農漁村婦人の地位向上を図ること。生活改良普及員制度の拡充と増員を図ること。

一、男女の社会参加を真に保障するよう、国の保育予算の削減に反対し、保育所・学童保育所を拡充すること。
▽保育料の値上げは、婦人の社会参加を大きく阻害する要因になっている。各市町村に対し、保育料値下げの指導をおこない、値下げに必要な府からの補助をおこなうこと。
▽「定員割れ」をロ実とした保育所の統廃合をやめ、産休明け保育、長時間保育、夜間保育、病児保育、障害保育など多様な府民の保育要求にこたえるとともに、公私間格差を是正すること。
▽自主開設している保育所、学童保育所に助成をおこなうこと。
▽学童保育所の国の制度化を要求し、当面、自治体において学童保育所に働く労働者の身分保障に真剣にとりくむこと。

一、婦人の生命と健康を守るために積極策をとること。
▽保健所の統廃合に反対し、保健婦の増員など、地域の予防医療体制を充実すること。
▽子宮ガン、乳ガン検診の受診率を高めるために努力し、検診車をふやすなど、受診機会の増加を図ること。
▽農村婦人、業者婦人の健康を守るために定期的な健康診断にとりくむこと。
▽「国民健康保険」の改悪に反対し、市町村への補助を増額し、加入者負担を少なくすること。また、保険証未交付はやめさせ家族ぐるみ安心して医療を受けられるようにすること。

一、急増する母子家庭対策を強めること。
▽母子家庭の子どもの医療費無料制度の拡充と母の医療無料化の実現をすること。
▽公営住宅を増設し、母子家庭急増にみあうように母子家庭の優先入居枠を拡大すること。また母子寮の増、改築を急ぐこと。

一、老後対策をきめ紬かくおこなうこと。
▽老人医療費の無料化を復活すること。
▽地域に根ざした老人対策すすめ、社会活動、文化、スポーツ活動の機会を保障し、特別養護老人ホームをはじめ、各種の老人ホーム、デイケア施設の増設を促進すること。
▽訪問看護の制度化、ホームヘルパーの増員など、老人介護の社会的援助の必要性と緊急性に応えること。

一、教育における男女平等を促進し、生涯にわたって学習する権利を保障すること。
▽高校家庭科の男女共修を復活させること。また、中学校において「男女の役割分担」を固定化するような家庭科カリキュラムの是正を図ること。
▽性の退廃に反対し、生命を生みだすことの尊厳、母性保護についても徹底すること。
▽教育の国家統制に反対し、公教育への「日の丸」「君が代」の強要、管理教育による教師への反動統制をやめて、民主教育をすすめること。

一、「平和なくして婦人の地位向上はありえない」という立場にたって平和の課題を盛り込み、府は直ちに「非核京都府宣言」をおこない、国に対しても核兵器廃絶のために積極的にはたらきかけること。また「国家機密法の再提出」をやめるように要請すること。軍国主義復活に利用する「日の丸」の常時掲揚をやめること。

一、くらしを破壊する新大型間接税の導入に反対し強く要請すること。

 この「新・府婦人行動計画の重点課題」案は、共産党府委員会と府議団が二月八日、知事に「新・府婦人行動計画」策定にあたっての申し入れをおこなった際に発表したものです。

関西電力・福井県原子力発電所の重大な危険をはらむ「出力調整試験」に関する緊急申し入れ、「新・府婦人行動計画」策定にあたっての申し入れ[PDFファイル 1ページ/1.19MB]