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宮福鉄道の開業にあたっての申し入れ

1988/06/16 更新
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宮福鉄道の開業にあたっての申し入れ

日本共産党・革新共同京都府議会議員団

 宮福鉄道の開業に先立って六月十六日、地元住民に役立つものにするよう、知事に申し入れをおこないました。


 宮福鉄道が七月十六日から開通することになった。明洽二十五年の「宮津商港鉄道期成同盟会」の結成以来、宮津―福知山間の鉄道は北部住民の悲願ともなってきたものであり、わが議員団は、今回の開通を地元の皆さんとともに喜ぶものである。
 同時に、その経営主体が宮福鉄道株式会社という第三セクターであることは宮福鉄道の今後に大きな問題を残している。この宮福線は、当初国の事業として始められたにもかかわらず、「国民の足」を切り捨てる「国鉄再建法」によって工事がストップし、事業完成のためには第三セクターしかないとして宮福鉄道株式会社が設立されたという経過からも明らかなように、「採算性」を理由に切り捨て、本来国で行なうべきものを地元自治体等に押しつけてきたものである。
 わが議員団は六年前、第三セクター設立のための府の出資の予算が提案されたとき、運賃が国鉄(当時)より高くなること、赤字が増えれば利用者や自治体の負担が一層増えること、少人数による運営で乗客の安全性に問題かあることなどを指摘してきた。これらの問題は開業を目前に控えた今曰、いよいよ重要なものになってきている。加えて、宮津線の廃止と第三セクター化ともからみ、宮福鉄道株式会社が宮津線の経営を引き受けるという方向が突然浮上し、関係自治体の中から疑問の声も出され、新しい問題も生まれている。
 開業に当ってわが議員団は、宮津鉄道が地元住民の利便、生活向上に役立ち、乗客の安全性が確保されるようにするために、また、宮福鉄道が住民や自治体に過大な負担をもたらさないようにするために、次の事項について、宮福鉄道株式会社の社長でもある知事に対処するよう申し入れるものである。

一、宮津線引き受け問題について

 ①宮津線の引き受けが、六月二十二日の株主総会で決定されようとしているか、住民がその当否を判断する材料もなく、自治体の中でも議論がある段階で性急に結論を下すことは避けること。
 ②住民、自治体が十分判断できるよう、宮津線を引き受けて宮福鉄道と一体で運営した場合の収支見通しについての資料を公表すること、

二、開業以前に整理すべき
問題について

 ①宮福鉄道の収支計画を早急に公表宮今こと。
 ②駅舎などの縦産が譲渡になれ快年間三千二百万円と言われる固定資産税を払わねばならず、「貸与」となるよう閔係機関に強く要請すること。
 ③今後JR西曰本との相互乗り入れで貸借関係が生ずるが、負担が少なくなるようJR西曰本に要請すること。

三、「公共性」を貫き、府民利用
者の便利な足とするために

 ①「公共性」を最優先した運営に徹すべきであり、その保障のため、経理の公開はもちろんのこと、府民・利用者の意見や要望が十分とりいれられる民主的運営体制を確立すること。
 ②府民・利用者第一を貫き、利便性と安全性の確保と向上を経営方針の柱とすること。「採算性」や「合理化」を口実に安全性の切り捨て、運賃値上げ、サービス低下や職員への労働強化を行なわないこと。
 ③運輸・観光・旅行など開通によってメリットを受ける企業に対し協力と拠出を求め、「経営安定基金」を設けること。
 ④JR西曰本に対し、列車の相互乗り入れをはじめ車両、施設設備の保全等での協力を求めること。合わせて山陰線の全区間電化と綾部までの複線化の早期完成を強く働きかけること。
 ⑤政府に対し、国鉄再建法に基づく五年間の助成措置の延長、基礎的施設の補修、大規模災害復旧、豪雪時の除雪費、CTC化や電化など安全性、利便性向上のための改修事業への助成を求めること。
以上

宮福鉄道の開業にあたっての申し入れ[PDFファイル 1ページ/411KB]