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申し入れ

北近畿タンゴ鉄道の「宮津線」営業申請にあたっての申し入れ

1989/09/13 更新
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議員団は九月十三日、知事に対し次の申し入れをおこないました。
申し入れは岩田議員、鉄道網対策特別委員の本野、松尾両議員がおこないました。

北近畿タンゴ鉄道の「宮津線」営業申請にあたっての申し入れ

―安全、快適な公共交通機関としての使命を果たすために―

日本共産党・革新共同京都府議会議員団

京都府知事 荒巻禎一殿


 知事が社長を努める北近畿タンゴ鉄道は、九月五日、宮津線の経営をJR西日本から引き継ぐための鉄道事業免許を運輸省に申請しました。
 わが議員団は、「宮津線」はその重要性から、公共性を貫くためには、JR西日本が経営すべきであると一貫して主張しできました。昨年春、わが党が明らかにしたようにJR西日本は、四十億円の赤字があると虚構の宣伝で世論を惑わし、第三セクターやむなしの結論を誘導しました。府民を斯いた責任は重く、経営状態の正確な状況を府民に明らかにしなければ信頼を回復することはできないことを銘記すべきです。
 わが議員団は、昨年「宮津線」の経営形態として第三セクターしかないとの結論が出された際にも同意しませんでした。事業免許申請の機会に改めて、北近畿タンゴ鉄道が、利用者・自冶体の負担の増加や少人数による無理な運営で乗客の安全性を犠牲にすることなく、安全・快適な公共交通機関としての使命を果たすことを求め、次の事項について、北近畿タンゴ鉄道株式会社の社長である知事に申し入れます。

一、運営に当たっては収支見通し、資産状況、予算・決算など「宮津線」「宮福線」の経営状況を常に府民に公表し、府民合意を貫いて経営に当たること。駅舎の建てかえや施設の大規模改修など、これまでの経過のなかで、本来国およびJR西日本の責任で行うべきものを安易に地元自治体が負担することのないように最大の努力をすること。
二、巨額の赤字はないものの採算性に困難があることからJR西日本が手放し、第三セクターとして地元が経営することになった経過にたって、国に対し、経営安定のための補助制度の確立を、全国の第三セクターを抱える自治体と共同して、国に働きかけること。
三、「宮津線」の運営では「第三セクターとしての制約の中でも、公共性、利便性、経営の安定をはかるため、つぎの点に努力すること。
①「公共性」を最優先した運営を貫き、府民・利用者に便利な足とするために、利用者の意見や要望が十分とりいれられる民主的運営体制を確立すること。
②利便性と安全性の確保と向上を経営方針の柱とすること。「採算性」や「合理性」をロ実に安全性の切り捨て、運賃値上げ、サービス低下や職員への労働強化を行わないこと。
③JR西日本を始め、運輸・観光・旅行など開通によってメリットを受ける企業に対し、協力と拠出を求め、「経営安定基金」を設けること。
④JR西日本に対し、列車の相互乗り入れと車両、施設設備の保全等での協力を求めること。合わせて山陰線の全区間電化と綾部までの複線化の早期完成を強く働きかけること。
⑤政府に対し、国鉄再建法に基づく五年間の助成措置の延長と、基礎的施設の補修、大規模災害復旧、豪雪時の除雪費、電化や車両新造など安定性、利便性向上のための改修事業への助成を求めること。

以上

北近畿タンゴ鉄道の「宮津線」営業申請にあたっての申し入れ[PDFファイル 1ページ/275KB]