資料ライブラリー

申し入れ

中小業者に打撃を与える大型店出店規制緩和通達についての申し入れ

1990/05/31 更新
この記事は 3 分で読めます。

中小業者に打撃を与える大型店出店規制緩和通達についての申し入れ

五月三十一日


 通産省は、五月二十四日、都道府県知事あてに大型店の出店規制緩和について通達を出し、三十日からの実施を求めた。日米構造協議でアメリカの強い圧力をうけての今回の緩和通達は、出店調整を一年半以内に済ませることや手続きの簡略化で出店の促進をはかるものとしているが、事実上抑制地域を廃止し、商調協が「計画内容の合意を目的とするものではない」として地元小売業者を無視して大型店の出店を野放しにするものと言わざるを得ない。このような大店法廃止を先取りした「規制緩和」措置は到底容認できるものではない。
 わが議員団はこれまで何回となく、大型店がその大きな集客力で販売シェアを高め、中小小売店の営業を圧迫していること、またその結果、特に小規模の小売店が転廃業を余儀なくされている実態を明らかにしてきた。また、地域経済の活性化に不可欠である中小小売業者の振興のため、全国の数多くの地方自治体で大型店出店の独自規制が行われていることも指摘し、府としての条例・要綱の策定や行政指導の強化を要求してきた。しかし、府当局は「大型店の床面積は全国的にみると低い」として、これを拒んできた。
 現在、本府の亀岡市で協議されている四店の出店計画は全市の既存店舗面積に及ぶ大規模なものであり、既存業者への影響は避けられない。また伏見区・宇冶市にまたがる六地蔵地域には増床を加えると一〇万平方メートルという前例のない大型店出店計画が進んでいる。同通達による規制緩和が京都の中小小売業者に甚大な影響を与えることは明らかである。また、政府は「消費者の利益」を口実にしてきたが、スーパーの価格は必ずしも小売店より安くないという東京都の調査や、身近に小売店がなくなる不便さなどから見て、これは偽まんでしかない。
 今回の通産省の緩和通達にたいし、次の措置を講じるよう申し入れる。

一、今回の「緩和」通達は大店法の本旨に反するものであり、通産省に対し、通達の撤回を強く要求すること。
二、大型店はもちろん、大資本系列のチェーン店などの無秩序な進出を規制する府独自の対策を講じるとともに、府内自治体に対しても適切な指導を行うこと。
三、商調協の運用にあたっては、大店法本来の目的に沿って、地元関係者の意向を尊重し慎重に対処すること。
以上

中小業者に打撃を与える大型店出店規制緩和通達についての申し入れ[PDFファイル 1ページ/136KB]