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申し入れ

「即位の礼」等に対して国民主権の立場での対応を求める申し入れ

1990/10/22 更新
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「即位の礼」等に対して国民主権の立場での対応を求める申し入れ

一九九〇年十月二十二日


 政府は十一月十二日の「即位の礼」とこれに関連する一連の行事を決めた。今回の「即位の礼」の儀式は、戦前の天皇主権下で行われた「登極令」をほとんど踏襲したものであり、宗教行事、である「賢所の儀」や天皇が「高御座」から首相の「臣従」を誓う「寿詞」や祝賀を受けるなど、国民主権、政教分離という憲法の原則に反するものである。
 また、十一月二十二日・二十三日に行われる「大嘗祭」も、支配下の各地から新米を「供納」させ、みずからも神の資格を得るという天皇家の宗教行事であり、これを公的行事として扱うことは憲法の国民主権、政教分離の原則を否定するものである。さらに、京都では、十二月三日に京都御所で「お茶会」が予定されている。
 これらの儀式・行事が違反するものであるにもかかわらず、すでに全国知事会は即位を祝する献上物についての通知を各都道府県知事に送っており、また政府は、「即位の礼」当日、官公庁での「日の丸」掲揚を義務づけ、文部省からも、学校現場に「日の丸」を掲揚して祝意を表すよう、都道府県教育委員会へ要請しようとしている。
 わが議員団は、このような事態が進行しているなかで、本府が、憲法の根本原則である国民主権、政教分離の原則を擁護・尊重し、地方自治と教育基本法を守る立場にたって対応されるよう、次の点について申し入れるものである。

一 「即位の礼」「大嘗祭」などに関するいっさいの奉祝行事・事業や献上物などの押しつけに反対し、これを拒否すること。
二 公的立場からの「祝意の表明」「天皇賛美」は行わず、府の施設・学校等での記帳所設置など国民主権に反する特別の対応を行わないこと。
三 府民、府職員、学校職員、児童・生徒に、奉祝行事への参加、「祝意」の強制を行わないこと。
四 「お茶会」の警備に関しては、行き過ぎた取締りなどで府民生活に影響を与えることのないよう慎重な対処をおこなうこと。