舞鶴石炭火電の建設申請に「異議なし」と国に答えた「知事意見」は、改めて荒巻知事の反府民性を示したもの(談話)
1994年11月1日
1、荒巻京都府知事は11月1日、国から照会のあった出力180万キロワットの関西電力舞鶴石炭火力発電所建設申請に対する「知事意見」として「異議ありません」と」たうえで、「ただし発電所の安金性が確保されること、環境に影響をおよぼさないこと、地域振興に資するものであること」の三条件が満たされるよう国に求める内容を回答した。
2、この「異議ありません」との建設に同意した「知事意見」によって、舞鶴石炭火力発電所建設に向けてのすべての事務手続が完了し、今後、電源開発調整審議会の審査を経て、いよいよ着工・建設の段階に進むことになる。文字通り、建設開始の引き金を知事が引いたのである。
3、知事が「異議なし」とした関西電力の180万キロワットの巨大石炭火力発電所の稼働によって生ずる様々な影響の事前調査、いわゆる「環境アセスメント」報告は、原因者である関電が行なったもので、その調査項目、内容と評価については、なんら客観性を有しない、自分の都合に合わせたものであり、地元舞鶴市民をはじめ、自然と健康への影響を心配する府民の不安に答えるものでない。
わが議員団が繰り返し指摘しているとおり、稼働中の新宮津火力発電所とともに、その排ガスによる汚染で府民の健康や自然環境に重大な影響を及ぼすことは明らかであり、由良川の年間流量の6倍もの温排水による漁業への影響も否定できない。また、地球規模での炭酸ガス排出規制を求める世論に逆行するものである。府民に背を向け、京阪神の工業地域への電力供給のため、財界の要求する「北近畿エネルギー基地」化に進んで道を開くもので、重ねて大資杢奉仕の姿勢を自ら証明したものである。しかも今回、府民に責任を負うべき知事でありながら、自らは何一つ関電に対して注文をつけないで、発電所の安全性、環境への影響と地域振興への保障を国に転嫁する無責任さをも示したものである。
4、わが議員団は、舞鶴石炭火力発電所の建設による重大な環境と健康への影嚮について、一層広く府民に知らせるとともに、府民の生命と暮らし、かけがえのない自然と環境を守るため、広範な府民の皆さんとともに引き続き奮闘するものである。