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政策と見解

荒巻知事の繰り返される反共攻撃に断固抗議する

1996/02/05 更新
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一九九六年二月五日

日本共産党府会議員団
団長 西山 秀尚

一、マスコミ報道によれば、荒巻知事は一月三十一日の定例記者会見で、今度の京都市長選挙にあたって「共産党のやり方をみていると、府市民のためよりも党勢拡張のために行政を利用するという性質が強い。府市協調のためにも共産党に担がれていない人がいい」と発言したと伝えられている。これは「連合京都」の旗びらきでの「共産党市政を許してはならず、先頭にたって阻止にがんばる」と述べたこととあわせて、知事としての道理も見識もない不当な発言である。

一、そもそも市長選挙は政党を選ぶのではなく、住民の福祉と暮らしを守るという地方自治体の本来の仕事をすすめる候補者は誰かを政策、人物で堂々と争うものである。ところが知事は、「住民多数の利益を守るためにはどうするのか」はまったく語らずに、「反共」だけを声高に叫ぶという、まったく民主主義も、地方自治の「いろは」もわきまえず、住民多数の利益を守る知事としての見識も資格もないということを、みずからあらためて露呈させたものである。
 こうした知事の態度は、すでに昨年九月に日本共産党京都府委員会が「荒巻京都府知事の度重なる反共妄言は許されない」と厳しく批判したところであり、あらためてその不見識を厳しく批判するものである。

一、今回知事は、日本共産党を「党勢拡大のために行政を利用する」勢力かのように描こうとしているが、これはまったく事実に反する攻撃である。日本共産党は、与党の立場にあろうが、野党の立場であろうが、地方自治体が憲法と地方自治法にもとづき、住民 の安全と福祉、暮らしを守る役割をはたすよう、住民の願いにこたえ、私心なく活動している唯一の政党である。だからこそ、住民の多くの支持をえて、全国で4000名に近い地方議員を擁し、第一党となっているのである。そして荒巻知事のもとでも、この京都で地方議員は170名と過去最高となり、府下地方議員総数のほぼ二割を占め、他党派の議員の合計数に匹敵する議席を擁しているのである。
 いま、京都市民が「行政を利用する」勢力としてきびしく批判しているのは、地下鉄工事費の大膨張にみられるように市民の税金を大手ゼネコンが食い物にしていることであり、「差別」を口実に同和事業で利権あさりをしている「部落解放同盟」の一部幹部であり、大銀行と癒着し、「住専」のつけを国民に押しつけようとする勢力に対してである。荒巻知事がこうしたことには一言も批判できないのは、こうした勢力に担がれているからだといわなければならない。

一、さらに知事は「府市協調のためにも、共産党に担がれていない人がよい」といっているが、これまで「府市協調」ですすめられてきたのは、京都駅の建て替えや京都御苑内への和風迎賓館の建設、京都市内への高速道路の乗り入れ計画など、京都壊しの「府市協調」である。
 そして、すでに30の都府県が実施している入院給食費への公費助成や、全国で引き上げられている無担保無保証人融資の750万円への引き上げが京都で実施されないのは、「府市協調」で府市民の願いに背を向けているからである。
 まさに、荒巻知事のいう「府市協調」は、京都の府・市民にとっては悪政推進の「府市協調」でしかない。

一、今回の京都市長選挙は、回収で与党と野党に分かれている政党が、大手ゼネコン・「解同」いいなりの田辺市政を継承しようとする。まったくの大義も道理もなく、「反共」で野合しているだけである。だからこそ、これまで以上に、異常な反共攻撃に狂奔するのであり、荒巻知事はその意をくんでその「忠実さ」をしめしているものである。
 こうした事実にも道理にも反する反共攻撃は、いつまでも通用するものではない。わが議員団は市政の改革・刷新を願う広範な市民のみなさんと力をあわせて、井上吉郎市長実現へ全力をつくすものである。