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政策と見解

入院給食費への公費助成に背を向ける荒巻知事の態度は許されない。

1996/02/28 更新
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一九九六年二月二十八日

日本共産党府会議員団団長
西山 秀尚

一 知事は二月府議会で、入院給食費に対する府独自の「助成は行わない」ことを明らかにし、その「代替」措置として、乳幼児と障害者の医療制度を改善する方針を示した。その内容について新聞報道によれば、乳幼児の年齢制限や障害者の所得制限などの緩和を検討しているとされている。
 しかし、この改善挌置は入院給食費の公費助成に代わりうるものではなく、まったく別問題である。

一 乳幼児の医療助成については、京都府は対象年齢を二歳未満児としているが、全国的には所得制限なしで中卒までを対象としている神奈川県(通院は一歳未満)や、入院・通院とも六歳未満を対象としている鹿児島県をはじめ、二十九都道府県で本府よりも高い対象年齢で無料化が実施されている。京都府はもっとも遅れて制度をつくったにもかかわらず、先進県からは大きく立ち遅れているのが実態であり、この改善は多くの父母や関係者、わが党議員団がくりかえし強く求めてきたものである。
 障害者医療についても、全国一きびしい所得制限をつけているのが本府であり、多くの障害者団体からもその緩和が要求されていたものである。
 今回の改善措置は、こうした切実な願いに、遅ればせながらこたえようとするものであり、当然の措置であるが、このことをもって入院給食費の公費助成に代わるものとするのは、まったくのすりかえである。

一 そもそも入院給食費は治療の一環であり、保険から外すこと自体が問題である。だからこそ全国三十の都府県で独自の助成措置がすすめられているのである。こうした全国の流れから「孤立」する態度をとりつづけ、それをごまかしの「代替」措置で言い逃れしようとする態度は許されない。
 日本共産党議員団は、知事がこうした態度をあらため、府民の強い願いである入院給食費の公費助成に誠実にこたえるよう強く要求するとともに、今後ともその実現のために奮闘するものである。


入院給食費助成の状況

重度心身障害者 乳幼児医療 母子家庭 父子家庭 備考
北海道 × × × ×
青 森 ◎ ◎ ◎ ◎
秋 田 × × × ×
岩手 X × × ×
宮城 ◎ ◎ ◎ ◎
山 形 ◎ ◎ ◎ ◎ 特定疾患。所得制限有
福島 ◎ ◎ ◎ -
東 京 ◎ ◎ ◎ ◎ 都指定難病、公客など
埼 玉 ◎ ◎ ◎ ◎
茨城 ◎ ◎ ◎ -
栃木 ◎ ◎ ◎ -
群馬 ◎ ◎ ◎ ◎ 結核、精神
神奈川 ◎ X ◎ ◎
千 葉 ◎ ◎ ◎ ◎
山 梨 ◎ ◎ ◎ ×
長 野 ◎ ◎ ◎ ◎ ウイルス性肝炎、血友病など
新潟 ◎ ◎ ◎ ◎ 水俣病
石川 ◎ ◎ × - 入院義援金として限定
富山 × × X ×
福 井 ◎ ◎ ◎ ◎
静 岡 ◎ ◎ ◎ ◎
愛 知 ◎ ◎ ◎ ◎ 68歳以上、戦傷病者
岐 阜 ◎ ◎ ◎ ◎
三重 ◎ ◎ ◎ ◎
大阪 × ◎ × -
兵庫 ◎ ◎ ◎ ◎
京 都 × × × -
滋 賀 × X × -
奈良 × × X ×
和歌山 X × × ×
岡 山 × X × ×
広 島 ◎ ◎ ◎ × 入院義援金として限定
山 口 △ △ △ △ 96年4月から実現の見込
鳥 取 ◎ ◎ ◎ -
島 根 × × × -
香川 ◎ ◎ ◎ ◎
愛媛 X × × ×
徳島 ◎ ◎ ◎ × 乳幼児医療は乳児のみ
高 知 ◎ ◎ ◎ - 乳幼児医療は乳児のみ
福岡 × × × ×
佐 賀 ◎ ◎ ◎ ◎
長 崎 × × × ×
熊本 × × × ×
大分 ◎ ◎ ◎ ◎
宮 崎 × × × ×
鹿児島 × × × ×
沖縄 ◎ ◎ ◎ ◎
全国計 29 29 28 20

◎は助成決定、×は助成しない、-は制度なし、(△は集計から除外)(全国生活と健康を守る会連合会・1995年9月作成)