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政策と見解

府融資制度の一部改善について

1996/02/28 更新
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一九九六年二月二十八日

日本共産党府会議員団
団長 西山 秀尚


一 知事は二月府議会で不況対策として、「緊急無担保資金の貸付け限度額・現行600万円を七五〇万円に引き上げ、無保証人とし、対象企業規模を現行十人以下を二十人以下と改善する」「和装関連業者の制度融資の利用者について3%金利への借替制度を実施する」と答弁した。
 これまで業者団体やわが党議員団は、マル小の最低750万円への限度額の引き上げや借替制度の復活を要求してきた。今回の措置は(こうした粘り強い運動におされ、遅ればせながら一部改善をしたものである。

一 しかし知事は、緊急無担保資金は改善しながら、蜷川民主府政が全国の中小企業施策をリードした小企業特別融資制度(マル小)を「陳腐なマル小」と言い、金利も限度額もそのままに据え置いて、業者の願いに誠実にこたえようとしていない。これは、これまでマル小融資が経営困難な業者にも「借りやすい制度」として活用されてきたことを否定するものである。
 知事は今回の制度改善を、「平成の京都の新しいマル小」と自慢したが、昨年秋、政府が世論におされて発表した、融資制度改善の引き写しであり、他の都府県がすでに実施しているものを後追いで実施しようとするものである。
 知事は、松尾議員の質問に対し、マル小融資よりも「有利な制度」として説明したが、従来の緊急無担保資金制度の運用のままであれば、審査が厳しく、本当に困っている零細な業者にはほとんど利用できないことになりかねない。これでは知事がいう「平成の京都の新しいマル小」とは言いがたいものである。

一 今回、中小企業融資制度の金利引き下げや限度額の引き上げの必要性を、知事が認めた以上、マル小についても金利引き下げ、限度額の引き上げを行ってこそ、中小零細業者の経営を守る制度となる。また、借替制度についても、和装関連業者だけでなく、すべての業種、前回も今回も除かれているマル小などすべての制度を対象とするよう、わが党議員団はあらためてその改善を求めるものである。

無担保無保証人=マル小融資の主要府県比較表

時期 京都府 大阪府 兵庫県 愛知県
限度額 利率 保証料 限度額 利率 保証料 限度額 利率 保証料 限度額 利率 保証料
94.10月(平6) 450万円 3,8% 200~500万 0.9% 500万円 3.5% 300~500万 0.8% 500万円 3.3% 300~500万 0.9% (5人以下)500万円 3.0% 200~500万 0.7%
96.1月(平8) 450万円 3.0% 200~500万 0.855% 750万円 2.4% 500万以下 0.76% 750万以下 0.855% 750万円 2.6% 300~500万 0,855% (20人以下)750万円 2.3% 200~500万 0.6% 500万超 0.7%
96.4月(無担) (20人以下)750万円 2.3% 200~500万 0.855% 500万超 0.95% - - -

(注)1、京都府、大阪府、兵庫県は以前から20人以下の業者を対象としている。
2、京都府は無担保無保証人融資であるマル小融資はそのままにして、従来、従業員5人以下の企業に適用していた「緊急無担保資金」を20人以下、無保証人として、限度額を600万円から750万円に引き上げたもの。