府政報告 1463 重油流出災害対策についての申し入れ
府政報告
No.1463
日本共産党京都府議会議員団
97.1.28
◎ 日本共産党京都府議会議員団は、重油流出災害対策について、1月28日、府知事宛て、先の1月10日付け第一次申入れに続き、第二次の申入れを行ない、合わせて、西山団長の談話を発表しました。
重油流出災害対策についての申し入れ
1997年1月28日
日本共産党京都府議会議員団団長 西山 秀尚
京都府知事 荒巻 禎一 殿
今回の油流出事故について、わが議員団は現地調査にもとづき去る1月10日、本府の対策について知事に申し入れを行なったところであります。
その後、事態は府北部沿岸一帯に深刻な被害を拡大、しかも長期化が想定されています。
わが議員団はこの事態を把握するため、25日、あらためて現地を調査、関係者から事情を聴取しました。その結果にもとづき、ここに以下の諸点について対策を抜本的に強化されるよう強く求めるものであります。
一、基本姿勢について
今次災害発生以来の政府および本府の対応は自然災害ではなく、基本的には民民間の問題として対処したきた。本府の対応の遅れがこの点によっていることはあきらかである。もちろん船主側とロシア政府の責任と誠意ある対応を求めることは当然である。しかしながら被害の拡大が政府及び本府の防災対策の不備にある以上、その責任において対処すべきであり、災害対策基本法の適用を政府に要求するとともに、本府としてもこの基本的立場を明確にされることをなによりも強く求めるものである。
二、油回収について
沖合での油回収に全力をあげると共にすでに漂着している岩場、砂浜での回収、回収油の搬送、処理が現在緊急の課題である。しかしながら、今日までは関係住民の努力とボランティアの善意に委ねられた結果、関係住民の疲労はその極に達し、また岩場など回収困難の場所を多く残している。この点では7年前の事故の際、自衛隊、機動隊が出動したことにくらべてもきわめて不十分といわねばならない。したがって本府の責任において、政府機関、自治体をはじめ、建設業界などの協力を得て、人員、資機材の総動員をはかるべきである。
三、回収、補償などへの財政措置を
関係自治体や漁協、関係住民への被害補償、所要経費の補填、回収作業などの従事者への手当、休業補償、当面の生活資金の低利融資(漁業者だけでなく観光業などすべての業種を含む)を行うこと。
四、今後の抜本的対策強化
大型油回収船の舞鶴港配備の実現、無公害の油回収技術の開発などを政府につよく要望することをはじめとする防除対策の充実。
以上の諸点について、政府にその対応をつよく要望するとともに、それまちにならず本府で速やかに実施にうつされたい。
重油流出災害対策について(談話)
1997年1月28日
日本共産党京都府議会議員団
団長 西山 秀尚
今回の油流出災害について、わが議員団は独自の調査にもとづき、知事に対して別紙のとおり第二次の申し入れを行なった。
本府のこれまでの対応は、7年前の伊根海岸での油流出時とくらべてもきわめて消極的なもので、後手に廻っていると言わなければならない。
たとえば、前回は自衛隊員260名の出動を要請し、防除作業を依頼したが、今回、知事は要請の意志なしとしている。
知事はこれまで、府下自衛隊幹部との会談について、災害時の応援依頼の意志疎通のため必要と強弁してきたが、政府が今回の対策に当たって自衛隊の活用について指示し、各県が出動要請を行なっている時、なぜ要請しないのか、府民に明らかにする必要がある。
知事はまた、「蜷川元知事が自衛隊の派遣を拒否してきた」と事実に反した発言を繰り返してきたが、蜷川知事の下で作成された「京都府地域防災計画」が自衛隊の出動要請を明記していたことは周知の事実であり、油流出事故についても、水島流出事故の教訓に学んで、22年前、全国にさきがけて策定した「石油類流出事故応急対策細部計画」でも自衛隊への出動要請を想定しており、荒巻知事の発言が単なる妄言にすぎないことを、この機会にあらためて指摘しておくものである。
以上
府政報告 1463 重油流出災害対策についての申し入れ[PDFファイル 1ページ/95.3KB]