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政策と見解

丹後機業・廃業織機買い上げ

1999/02/24 更新
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1999年2月24日

日本共産党京都府会議員団

同丹後地区副委員長
荒田やすつぐ

同与謝地区府政政策委員長
中川あきかず

 いま、丹後機業は深刻な不況の嵐にみまわれ、転廃業、事業の縮小等が相次いでいます。
 日本共産党は、どれまで関係者のみなさんと力をあわせて、不況の打開と業者のみなさんの営業と暮らしを守るため、消費税の引下げを求める運動をけじめ、京都府や関係市町に対し、融資制度の改善・充実、暮らしを守るための諸施策の実施を求め奮闘してまいりました。
 その結果、住民のみなさんの世論と運動、関係町の努力で、町独自の緊急融資制度や利子補給、府の制度融資も「3年に1回でも黒字であれば融資する」との改善、北部技術支援室の若干の体制強化など、その実現をみてきました。
 また、昨年12月には、和装産業や地場産業の振興をはかるための府の責務を明確にした「和装産業をはじめ伝統・地場産業振興条例大綱」を提案し、関係者のみなさんの意見を伺い、その実現のため努力しているところです。
こうしたなかで、いま業者のみなさんから「廃棄織機の処分にあたって、なんらかの助成制度が実現できないか」の強い要望がだされています。
 すでに、1995年には、弥栄町が「織物業環境整備補助事業」として「廃棄費用ならびに永年にわたる地場産業振興功労金」として、織機1台あたり5万円の補助を行ない、大宮町でも同様の措置がとられてきました。しかし、今日では、こうした一部の町だけではなく、「丹後全域でのとりくみにしてほしい」との声もあがっており、丹後織物工業組合や関係市町、議会の間でも検討がされてきましたが、いまだその具体化がはかられていません。
 現在、すでに織機の製造がまったく行なわれていない状況にあるもとで、休機・廃棄となっている織機をたんなる「くず鉄」にしてしまうのではなく、これらを再利用できるようにすることが、丹後機業を守っていくうえでも必要となっています。
 また、休機・廃棄織機をそのままにしておけば、これらの織機が中国や韓国に流出し、海外生産をさらに促進する事態すら危惧されており、この防止にも役立つものです。
 京都府冬関係市町は、業者の切実な要望にこたえた制度をいそいで具体化し、実施をすることがいま求められています。
 いま丹後機業関係者の切実な願いとなっている織機の買い上げと再利用の制度を具体化するため、ここに日本共産党としての「試案」を明らかにし、関係者のみなさんの検討と実施に向けての努力をよびかけるものです。

〈試案〉
○ 丹後織物工業組合が事業主体となり、「永年にわたる地場産業振興功労金」として織機1台あたり2万円を支払
○ 織機の解体・とりはずしは、丹後織物工業組合が業者に委託し、その費用は丹後織物工業組合が負担する。
○ 丹後織物工業組合は、買い取った織機のうち、再利用可能な織機や部品を保管し、必要とする業者に、適正な価格で払い下げる。
○ 対象業者は、現在の丹後織物工業組合の組合員とあわせ、すでに組合を退会したものも加える橙置をとる。
○ 丹後織物工業組合のおこなうこの事業に必要な費用については、1/2を京都府が、1/2を関係市町が按分負担し、丹後織物工業組合は事務作業と保管業務をうけもち、売り払いによる収入は、この事業の経費にあてる。
○ 費用の総額は、廃棄織機2千台として、2万円の買い取り費用と撤去費用1台3万円として、1億円である。京都府の負担は、5千万円、工市10町で5千万円となる。
 丹後機業が苦況にあり、業者の暮らしがたいへんな事態になっているとき、丹後織物工業組合や行政が、迅速な手立てを打つことが求められています。
 本来なら、京都府がもっと早くイニシアティブを発揮し、丹後織物工業組合や関係市町の意見を取りまとめ、具体化をはかるべきであり、いつまでも放置することは許されません。
 この試案をもとに関係者の間で検討を加え、いそぎ具体化されるようつよく要望するとともに、その実現のため全力をあげるものです。