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議会を終えて(談話)

府政報告 1573 99年2月定例議会を終えて(談話)

1999/03/16 更新
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99年2月定例議会を終えて(談話)
1999年3月16日
日本共産党京都府会議員団
団長 西山 秀尚

1、99年度予算案などを審議する2月定例府議会が、3月12日閉会した。
 99年度予算は、長引く不況のもとにある府民の暮らしと営業を守り、中小企業をはじめ、伝統地場産業、農林水産業などの振興をはかるとともに、「厳しい財政状況」のもとで、京都府財政の立て直しをはかることが求められていた。
 ところが、知事が提案した予算案は、すでに発表した「99年度京都府予算案について(談話)」で指摘したとおり、こうした課題にこたえるどころか、まったく逆さまの予算案であった。
 わが党議員団は、本会議や予算委員会の審議を通じて、この「逆立ち」ぶりを厳しく批判し、丹後リゾート公園や巨大スタジアム建設などをいったんストップし、高校授業料値上げ凍結など「府民の暮らし、営業第一」の予算とするよう強く要求して奮闘した。
  同時に、わが党議員団は、12月に発表した「和装をはじめ伝統・地場産業の振興をはかるための条例大綱」の提案につづき、今議会中にも「廃棄織機の買い上げ・再利用制度」創設の提案、「ダイオキシン排出削減への5つの緊急提言」「介護保健スタートまでに、改善すべき5つの緊急提言」「京都の林業と森林を守るための緊急対策と政策」を発表するなど、問題点の指摘にとどまらず、建設的な提案を行い、積極的な論戦を展開した。

2、こうした結果、老朽校舎等の改修問題では、「今後とも修繕費など必要な経費はつける」と答弁させ。「亀岡に総合病院を」求める願いにこたえ「市民の要望にこたえた保健医療計画の見直しを」要求、理事者も「病床の不足を生じた場合、医療審議会において改善方法について検討する」と答弁させ、総合病院建設への道を開いた。
 さらに、これまで追求してきた特別養護老人ホームの建設について、大宮町につづいて園部町で「高齢者保健福祉計画」以外に建設する予算の計上、中小企業への官公需発注率について、1994年に遡っての資料の提出、生活保護申請のためのしおりの作成、申請書を関係窓口のすべてに置く、植物園の入園に際し、車椅子利用者は障害者手帳を持っていなくとも。介添人含め無料とすること、高等技術専門学校で受講者にパソコンを私費で購入していたのをやめさせ、必要な機器を設置させるなどの前進を勝ち取った。

3、知事は、わが党の追及の前に「商工費も、民生費、衛生費も前年度より大幅にのばしている」と自己弁護を行なった。
 しかし、商工費100億円の伸びは、昨年拡大した融資枠を確保するための預託金であり、不況に苦しむ業者に対し、和装伝統産業振興予算や商店街振興予算を大幅に削ったことについては、なんら回答できなかった。
 また、民生費や衛生費ののびも、介護保健スタートを1年後に控え、特別養護老人ホームや療養型病床群の建設・整備の予算が増えたものである。今日、失業者が増大しているもとで、生活保護費を大幅に削減するなど、暮らしにおいうちをかけるものであった。知事は、「法にもとづき適正に運用した結果、生活保罐費が減少している。」と答弁したが、厳しい締め付けで、生活保護を必要とする府民を排除している具体的事例をあげた追及には答えられないものであった。

4、与党会派は、代表質問でも、予算委員会総括質疑でも、さらには、議案に対する討論でも、府民の暮らしに追い打ちをかけ、府財政をいっそう困難にする予算案を。繰り返し「高く評価する」「府民の願いに答えたもの」と相変わらずの知事礼賛に終始した。
 これは、マスコミも批判するとおり。議会の行政に対するチェック機能を喪失した態度であり、府民の厳しい批判を受けざるを得ないものである。
 さらに、与党会派は、そろって、大型公共事業を温存・拡大し、府民に犠牲を押しつける「第2次行革」(リストラ計画)ネL賛の大合唱を行い、その徹底した実行を求めた。これは、オール与党会派が不況に苦しむ府民の暮らしや営業を守る立場にないことを証明するものである。

5、同時に、知事と与党会派は、ともに「共産党の言うとおりため込んでいなかったら、大変なことになっていた」と攻撃を行なったが、これは本会議質問でも批判したとおり。
 「不況に備えてため込む」という囗実は不況に陥ってから作ったものであり、「税収を低く見積り、福祉や教育を押えたり削減してため込んだもの」で、しかも今日、不況に苦しむ府民のために使うのではなく、税収が落ち込むもとでも、大型開発、大型公共事業をすすめる財源となっているのである。
 さらに知事は、日本共産党が公共事業すべてを否定しているかのように描こうとしたが、これは不要不急の大型公共事業見直しを求める府民世論をそらそうとするものである。現に、わが議員団は、府議会において生活関連道路の建設の促進や府営住宅の建設、老朽校舎の改築など生活基盤の充実につながる公共事業の推進を要求してきた。こうした事実を覆い隠し、府民が求める巨大スタジアムや和田埠頭の建設などの見直しに背を向ける態度をごまかそうとするものである。

6、知事は、この間の中間選挙で相変わらずの反共攻撃を各地で行なってきた。本会議質問において、そのひとつひとつについて事実を示し、具体的な反論を行なった。これに対する答弁で知事は、近代政党としてあたり前の「民主集中制」を持出し「恐い政党だ」と攻撃し、「社会主義、共産主義国家をめざしている」と「共産主義=悪」論にたつ自らの立場を表明した。
 しかし、これは、これまで繰り返されてきた時代遅れの反共攻撃であり、日本共産党と国民との間の「誤解や偏見の壁」が大きく崩れているもとでの、悪あがきでしかない。今回のいっせい地方選挙でも、日本共産党と保守を含む広範な府民との共同が大きく拡がり、このような偏狭な反共の立場にたつ荒巻知事が、「時代遅れの政治家」であることを示すことは間違いない。

7、今議会にも、府民、団体から86件の請願が提出されたが、わが党紹介の81件は、与党会派によってことごとく不採択とされた。しか秘請願人からの趣旨説明や傍聴を求める声も拒否された。
 しかし、「30人学級の実現を求める請願」「ダイオキシン対策の強化を求める請願」「米の関税化をやめ食料自給率引き上げを基本とする農業政策を求める請願」などを与党会派は不採択としながらも世論に押され、不十分ながらも「ダイオキシン対策」、「学級編成の弾力化」、食料自給率目標の設定を含む「食料、農業、農村政策に関する意見書」を全会一致で採択せざるを得なかった。

8、今期の4年間は、今定例議会で最期となったが、府民の府政への関心が大きく高まるとともに、府民の暮らし第1の府政を求める運動が大きく広がった4年間であった。これは、「国言いなり、大手ゼネコン奉仕」を続ける府政と「暮らしと営業、京の良さを守ってほしい」と願う府民との矛盾がますます広がった結果でもある。
 しかも、こうした矛盾が広がるもとで、わが党以外の与党会派が、「知事の提案は、何でも賛成」という態度をとりつづけたことは、「議会や議員の役割はなにか」を府民に問うものであり、「逆立ち府政」に加担してきた与党会派も府民の厳しい審判を受けざるをえない。
 いよいよ、いっせい地方選挙が1か月足らずに迫った。わが党は、こうした「逆立ち府政」を転換し。府民の期待にこたえた「住民が主人公」の府政を実現するため、自民党を追い抜いて第1党へ全力をつくすものである。
 府民のみなさんの大きなご支援を訴える。

府政報告 1573 99年2月定例議会を終えて(談話)[PDFファイル 136KB]