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議会を終えて(談話)

府政報告 1702 12月定例府議会を終えて(談話)

2001/12/02 更新
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12月定例府議会を終えて(談話)
2001年12月21日
日本共産党京都府会議員団
団長 西山 秀尚

 12月定例府議会が18日、閉会した。今回の議会は、荒巻知事が次期知事選不出馬表明後の議会であり、4期16年の荒巻府政、24年の自民党府政が問われる議会となった。同時に、ますます深刻になる「小泉大不況」のもとで、府民の暮らしと営業をどう守るのかが問われる議会であった。
 わが党議員団は、代表質問と一般質問で、荒巻府政16年が京都と府民になにをもたらしたかを明らかにし、必要な是正と転換をおこなうことを求め、決算委員会審議や常任・特別委員会審議で府民の切実な要求の実現めざして奮闘した。

1、答弁不能で、言いわけと責任逃れに終始
 荒巻知事は、わが党の質問に事実上答弁不能となり、言いわけや責任逃れ、すり替えの答弁に終始した。
 「丹後リゾート開発」では、その破綻を指摘され「長い目で見てほしい。いずれは役に立つ」と言いわけし、「丹後の活性化に役立った」と答弁したが「丹後地域が京都で最悪の事態ではないか」との指摘に、まともに答えられない事態に陥った。
 また、高速道路優先のゆがんだ道路行政についても、全国順位が後退していることには、こたえられず、事業を進め掴ま前進するのが当たりまえの改良率、舗装率の数字でごまかそうとすり替えの答弁をおこなった。
 さらに、乳幼児医療の拡充や介護保険の減免制度の実現など府民の切実な要求について、「多くの地方自治体で実施してこそ、国の制度とすることができる。これこそ歴史の流れ」との批判に反論もできず「国に要望している」と責任逃れの答弁を繰り返した。
 また、住宅改修助成制度についても、年間わずか15件しか活用されていない「在宅改良融資で」とこたえたり、「草ぼうぼう」となっている「地球デザインスクール」を「全国から高く評価されている」と答弁するなど、都合の悪い事実には目をそらすものであった。また、市町付合併問題でも、かつての「住民自治重視」の自らの発言と政府に屈服した市町村合併の押し付けの矛盾を指摘され、まともな答弁ができない事態となっている。与党会派は、本会議ではこぞって、「財政健全化」「鉄道や道路の基盤整備の推進」「新府総」など荒巻府政をもちあげたが、決算審議では「不況で中小企業は深刻。融資の返済猶予を」「生活道路や河川整備の予算の増額を」と荒巻府政のもとで府民との矛盾が激しくなっていることに触れざるを得ない事態に陥っている。

2、府民の運動と議会の論戦で、要求実現で前進
 9月商議会で、広がる府民の運動の中で北部に養護学校の建設を表明せざるを得なくな ったが、12月議会では南部にも設置することを表明した。また、中小業者の「返決の凍結・猶予を」の声に押され、「全業種を対象に借り換え制度の創設」を約束した。
 また、今議会に提案された「緊急雇用剔出事業」にっいても。この間の運動と議会での追求の結果、人件費割合を8割以上とすること、少なくとも1ヶ月以上の雇用とすること、4分の3以上の失業者の新規雇用とすることなど、改善の方向を示した。
 さらに、産業廃棄動の不決投棄を規則する条例について「研究会」を設け、検討中とこたえた。これらは、広範な府民の運動が、府政を動かす力であることを改めて示すものであった。
 わが党議員団は、「緊急雇用剔出事業」を中心とした補正予算案をはじめ、今議会提案の13件すべてに賛成したが、企業誘致を促進するための「企業立地促進」の条例の運用にあたっては、府税の減免措置を受ける企業が、雇用と地域経済への社会的責任を果たす指導を強めることを求めた。

3、暮らし守る予算削って、ムダな大型開発推進の決算は承認できない
 平成12年度決算承認案件については、決算特別委員会での書面審査、総括質疑を通じて、「丹後リゾート」や「錦鶴・和田埠頭」など大型開発・大型公共事業擾先で、介護激励金の廃止、私学動成の削減など、福祉や医療、教育に冷たい府政運営、「則政健全化指針」にもとづく財政運営が、ムダな事業を温存しながら、府民の暮らしを守る施策を切り捨てていることなどを厳しく批判し、「一般会計・特別会計」と「府営水道企業会計」は不認定との態度をとった。

4、拡がる暮らし守れの運動にこたえて奮闘
 今議会には、「12・4府庁包囲総行動」をはじめ、府民の切実な願いと要求が府議会に寄せられ、わが党紹介の請願も28件にのぼった。与党会派は、道理ある切実な要求にもまったく耳を貸さず、すべての請願を不採択とした。
 わが党議員団は、これらの請願にこたえた「医療保険制度の改悪に反対する意見書」をはじめ「セーフガードの本発動を要求する意見書」「乳幼児医療費助成の拡充を求める決議」「少人数学級実施を可能とする予算措置を求める意見書」など8件を提案した。
 与党会派もわが党の積極的な提案に押され、不十分ながら「乳幼児医療費動成制度の確立」「医療保険制度改革」「BSE(狂牛病)対策」「農業経営安定対策」などの意見書案を提出し、これらはわが党も含め、全会一致で採択された。わが党議員団は、与党会派が提出した「市町村に企業立地のための優遇措置をとることを求めた決議」については、本来、市町村が自主的判断をおこなうものを府議会決議で強要することは不適切とこれには反対した。
 京都府医師会の「誰もが安心してよい医療を受けられることに関する請願」は、与党会派が紹介議員となって提出され、全会一致で採択された。請願には「患者にとって大幅負担増にならないよう、患者の立場にたった見直しがおこなわれるよう、府議会の働きかけを強く要望する」となっていたにかかわらず、与党会派は、厚生労働常任委員会として意見書を提出することには反対した。ところが、本会議には与党会派が同趣旨の意見書案を提案するという道理のない態度をとった。しかも、委員会運営において、請願の採択前に
 「意見書を出さないことを確認する」採決を行なうなど委員会運営においても、不適切な運営をおこなった。こうした党利炮烙の委貝会還営は厳しく批判されなければならない。

5、決算委員会書面審査の傍聴実現
 今回の決算特別委員会の書面審査で、はじめて傍聴が認められた。傍聴席は10席、開会15分前までの受付となっているなど、まだまだ改善が必要であるが、直接傍聴を実現したことは、開かれた議会とするうえでも、議員、理事者とも緊張感を持った審議を進めるうえでも大きな前進である。わが党議員団は、引き続き常任、特別委員会の公開、傍聴実現へ奮闘するものである。

6、汚点を残す「日の丸」掲揚強行
 今議会から議場に「日の丸」が掲揚された。これは、9月議会中に坪内議長から「国旗が法制化され、すでに多くの都道府県議会議場に掲揚されているので、京都でも実施したい」と提案されたものであるが、わが党議員団は、「法制化されたとはいえ、『日の丸』については、歴史的経過から意見が分かれている。これを言論の府である議場に掲揚を強行することは、認められない」と2回の議会運営委員会などで反対したが、与党会派の「議長一任」のもとで、12月から強行されたものである。これは、今後の府議会に汚点を残すものである。

7、与党会派・またも副議長ポストをたらい回し
 池本(公明)副議長が「一身上の都合により辞任」し、後任に細井議員(新政会)が、副議長に選出された。これは、与党会派による議会ポストのたらい回しでおこなわれたものである。前期までは、2年ごとの改選となっていたものを、副議長だけを少数3会派で交代することを与党会派で申し合わせしたものである。わが党議員団は、議会運営にかかわる役員は、議会を構成するすべての会派が、議員数に応じて民主的に選出されるべきとして、こうした議会運営を批判した。

8、自民党府政の継続ではなく、府民の期待にこたえた転換・改革を
 いよいよ、知事選挙まで3ヶ月とせまった。今度の知事選挙ま、24年間続いた自民党政治の継続か、それとも転換・改革かが問われる選挙である。わが党は、なんでも国の制度の枠内、国言いなりではなく、京都のもてる大きな力を全国に発信できる府政、公開・参加で「住民が主役」の府政、そしてなによりも府民が安心して暮らせる京都への改革を実現するため、森川明さんを先頭に、全力をつくすものである。

府政報告 1702 12月定例府議会を終えて(談話)[PDFファイル 161KB]