自民党と新政会の府議会議員定数削減の暴挙に断固抗議する
1、京都府議会6月定例会は、1日会期を延長し本日閉会した。
自民党と新政会は、本日、府議会議員定数を北区、上京区、宮津・与謝郡区の定数を1名づつ削減し、総定数を現行の65名から62名に減員する条例改正を強行した。
これは、本来地方自治法に定められた人口に応じた議員定数の上限69名を7名も減らすもので、府民の意思を府政に反映させ、行政に対する監視・チェックするという議会の役割を大幅に弱めるものである。
自民党などは、定数削減の理由に「経費の削減、議会も身を切って」ともっぱら府の「財政危機」を口実にしているが、ムダな大型公共事業などにメスをいれなければならない。同時に、議会としても議員歳費の削減こそ言うべきである。
しかも、3選挙区の定数を各1名づつ削減しても、一票の格差は竹野郡区と京田辺・綴喜郡区や西京区の間では2.6倍以上にもなるものであり、さらに人口の少ない選挙区が人口の多い選挙区よりも議員定数があるという「逆転区」が13通りも残されるもので、とても「定数是正」と言えるものではない。
2、この自民党と新政会の提案に対し、わが党議員団は総定数を69名とし、人口にもとづく配分をおこなう8増4減案と1人区と格差をさらに縮小するため中・熊野郡区と竹野郡区の合区案を各会派に示した。これで1票の格差は最大1.7倍となり、逆転区もすべて解消できるものであった。
同時に、民主・府民連合と公明党は、総定数を65名の現状とし、上京区と宮津・与謝郡区をそれぞれ1名減員し、西京区と京田辺・綴喜郡区をそれぞれ1名増とする案を示した。
この民主・府民連合と公明党・府民会議提案は、少なくとも現行議員定数を減らさず、1票の格差を2倍以内とし、21ある「逆転区」も7に減少させるものであり、わが党は議員団は、党議員団の案を条例案としては提案せず、民主・府民連合、公明党・府民会議案に賛成する態度をとった。
その結果、本会議における採決は、自民党などの案に賛成32名、民主・府民連合などの案に賛成32名と、まったく同数になったにかかわらず、議長採決で自民党などの案を強行可決した。
本来、議会制民主主義の土台でもある議員定数の改正は、すべての会派が一致することが求められているものであり、今回のように「可否同数」という事態のもとで、議長がこれを採決することは許されないものであり、議長のこうした議会運営は許されるものではない。
わが党議員団は、内容のうえからも、こうした議会運営からも、今回の自民党、新政会の暴挙を断固糾弾するものである。
3、今議会では、府議会の定数是正を検討すること、できるだけ早い時期に是正をおこなうことは、各会派の合意になっていた。ところが、実際の協議が始まったのは11日の会期末前日からはじまり、しかも、具体的内容は、わが党議員団を排除し、与党会派のみで協議をするという運営がおこなわれた。
しかも、この与党会派の協議が難航し、閉会日の深夜にも及び、さらに会期を1日延長して、本日未明になって、わが党議員団に示されるという事態になった。
今回、与党会派の密室での協議が難航し、与党会派が分裂したのは、それぞれの会派が、地方自治法や公職選挙法にもとづき民主的に議員定数を是正するのではなく、党派的利益を優先しあった結果である。
4、わが党議員団は、今回の自民党と新政会の不当な議員定数の削減強行に抗議する。
同時に8ヵ月後に迫った府会議員選挙で、定数削減のもとでも現有15名を絶対確保するとともに、2名区はもちろん1名区も含め、郡部地域での新たな議席獲得に全力を上げる。いっせい地方選挙での躍進こそ、こうした暴挙を絶対許さず、住民の期待に応えた府議会をつくる最大の力である。
今後とも、府民の期待に応えた京都府議会とするため、全力をあげて奮闘するものである。