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政策と見解

用地測量一括委託で 荒巻前知事らに対して損害返還を命令した判決について

2003/03/28 更新
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1、昨日、京都地裁は不当な公金支出をおこなったとして、荒巻前府知事に対して約1億1,500万円、桝本京都市長に対して約100万円の支払いを命ずる判決を出した。これは、京都府や京都市が公共用地を収得する際、測量などの業務で競争入札をおこなわず、京都公共用地測量協会(用測協)など業界団体に一括委託をおこなったことにより、府や市に損害をあたえたとして「市民ウォッチャー・京都」が返還を求めた裁判に対する判決である。

 わが党議員団は、この用地測量の一括委託問題について、97年に問題が発覚して以来、その背景にある政官業の癒着も含めて府の責任を厳しく追及し、その一掃を求めてきた。今回出された判決はきわめて当然なものであり、わが党議員団の指摘、追及の正しさを証明するものである。この問題の違法性は当初から明確であり、京都府は判決の重みを厳しく受けとめ、控訴しないよう要求する。

 2、経過を振り返ってみると、政官業癒着の府政を進めた荒巻前知事とそれを支えてきたオール与党の責任は極めて明瞭である。

 問題が明らかになった直後の97年5月6日、わが党議員団は荒巻知事に「府政の信頼をそこなう重大問題」であり「一括委託は地方自治法違反。経緯を明らかにせよ」「発注が府政OBの天下り測量会社に集中し重大な疑惑」と申入れをおこない、文書での回答を求めたが、何らの回答もおこなわれなかった。

 3、議会ではどうだったのか。97年6月定例会で三木一弘議員、9月定例会で西山秀尚議員が以下の5点を指摘し、荒巻知事を厳しく追及した。

 第1に、このような「丸投げ」は明確に法違反であること、建設省や自治省、公正取引委員会などの国の関係機関がいずれも違法であるとの認識を持っていること。

 第2に、競争入札をやめ、全国にないこのような仕組みをつくったのは、用測協の顧問に野中広務代議士が就任し、「天の声」によるものとの指摘もあるなど、政治家との癒着がある疑いがあること。

 第3に、議会で審議される前に府の事業の内容を詳細に用測協が知っており、その配分を事前に議論しているなど、特定の業界団体や業者に利便をあたえる不公正、不法な行政運営となっていること。

 第4に、このような問題点を指摘され、府は一定の改善として、250万円以上の測量業務は競争入札にしたが、地方自治法施行令や府の会計規則では、随意契約は100万円以下であり、いぜんとして「違法状態の温存」であり、ただちに改善すること。

 第5に、業者から用測協などの団体が受注額の3.5%を分担金としてピンはねしており、府民の税金の不当支出でただちに返還を求めること。

 ところが、知事はこうした指摘にまともに答えず、「私のイメージダウンをねらったもの」と居直った姿勢に終始した。

 オール与党も官製談合、政官業癒着の構造を温存することに手を貸してきた。97年6月議会で、自民党府議は「本制度の内容が十分に理解されていない。意味のあるシステム」と荒巻知事擁護の質問をおこない、疑惑にふたをしようとした。民主、公明など知事与党の各会派もこの問題を一切不問に付し、疑惑にふたをしてきた責任が厳しく問われるものである。

 4、わが党議員団は、その後も一貫して談合問題や大型プロジェクトなど府政にかかわる疑惑を追及してきたが、あらためて、このような疑惑にきっぱりとメスを入れ、まともな府政づくりに全力をあげることを表明するものである。

 また、来たるべき選挙において、清潔・革新のわが党議員団の前進のため、府民のみなさんのご支持とご支援を心からお願いするものである。