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政策と見解

同和担当経営指導員に対する補助金返還裁判が荒巻前知事らの2250万円支払いで和解したことについて

2003/04/11 更新
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1、昨日、勤務実体のない同和担当経営指導員の給与名目で、京都府が商工会議所などに補助金を支出したのは違法だとして、「市民ウォッチャー・京都」が荒巻前知事や商工会議所などに3億8千万円を返還するように求めていた裁判が、荒巻前知事らが2,250万円(訴訟費用を含んで2,500万円)を支払うことで和解した。

 同和経営指導員とは、同和地域区のためだけの経営指導員として、京都商工会議所と商工会連合会が設置し、府が給与を補助金として支給していたものだが、実際は経営指導業務に携わらず「解同」府連の専従職員として勤務しており、違法な補助金支給、「解同」に対するヤミ補助金であることは明白だった。

 2、今回の和解条項を見ると、「被告及び参加人は、同和担当経営指導員が勤務時間中に部落解放同盟京都府連合会の業務に専従しているのではないかとの疑念を抱かれてもやむをえない状況にあったことについて遺憾の意を表明する」としており、前知事などの被告側も勤務実態がなかったことを認めざるを得なくなり、訴訟経費を含む2,500万円の支払いに同意したものであり、京都府の同和経営指導員への不法な補助を全面的に認めたものである。

 3、この問題は、委員会や本会議で、党議員団がくり返し追及してきたものであり、2000年の住民監査請求でも不正常な実態が明らかになった。

 府の監査委員会の調査では

 (1)経営指導員が解放センターを勤務場所とし、「解同」書記次長が2人おり運動団体の活動比重が高く、その他にも事務局を担当している指導員がいる。

 (2)経営カルテや日計表が一部しか作成されていない

 (3)相談や指導も民生的な内容に偏っている

 ことなどが明らかになり、知事に対して期間をきって是正を求めた。

 これらを受け、同年6月、全解連京都府連が知事に対して、補助金の返還や違法な事態の是正を求める申し入れを行い、「市民ウォッチャー・京都」が補助金3億8,600万円の返還を求める裁判を起こした。

 4、党議員団は、同年7月の高橋昭三議員の代表質問、同年12月の決算特別委員会新井進議員の総括質疑など、さらにこの問題を取り上げ、荒巻知事の責任を追及するとともに、不法な状態の改善、補助金の返還を強く求めてきた。ところが荒巻知事は、府の監査委員会結果の結論だけを引用し「補助金の支出については、返還を求めるに足る事由は認められなかった」と強弁し、一方で指導員の勤務場所の明確化などの手直しをはかってきた。この過程で、経営指導員だった「解同」幹部の数人も辞職し、不正にふたをして幕引きしようとしてきた。

 5、今回の「和解」は、同和経営指導員問題の不正が動かしがたい事実であったことを証明したものであり、このことを京都府だけでなく部落解放同盟は重く受けとめ、不法や腐敗につながるような行政の推進や関与を行っては絶対にならないことを厳しく指摘するものである。

 また、このような不正を支えてきた自民・公明などのオール与党の責任は重大であり、府民への裏切りに手を貸すものである。府民の厳しい審判を受けざるを得ないであろう。

 6、先日出された「用地測量丸投げ」判決で、荒巻前知事は1億2千万円の支払命令を受けた。さらに今回の裁判の和解で、自らの責任を認めた。短期間にこのような知事の責任を問う司法の判断が出されるのはきわめて異例であり、いかにその行政が特定の政治家や企業、「解同」などと癒着していたかが証明されたものである。わが党議員団は、このような腐敗、不公正をただし、府民の命とくらしを守る府政を築くためにいっそう奮闘するものである。