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討論

意見書案について前窪 義由紀府議の討論

2003/07/11 更新
[ 討論 ]
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 日本共産党の前窪義由紀です。ただいま議題となっている意見書案5件について賛成の立場で討論を行います。

 まず、わが党提案の「イラク復興支援特別措置法案の撤回を求める意見書案」についてであります。

 イラクでは、アメリカ軍が連日攻撃を受け、戦闘が激しくなっています。ブッシュ大統領は米軍駐留が長期になると宣言しました。アメリカ軍の増派も検討中とマスコミは報じています。アメリカ・イギリスの軍事占領下で、水や電気の供給も不足し住民の困難が増えるなか、圧倒的なイラク国民が占領軍の速やかな撤退を求め、イラク人による政権を求めています。

 アメリカやイギリスが攻撃の口実としたイラクの大量破壊兵器保有の根拠も、誇張や改ざんしていたことが明らかになり、戦争の大義のなさがいっそう明白になっています。戦争に大義がなく、軍事占領にも正当性がないのに戦争支持をいち早く決め、自衛隊の派遣を強行しょうとするのは、小泉首相がアメリカの「ショウ・ザ・フラッグ」の押し付けから「ブーツ・オン・ザ・グランド」とますますエスカレートした要求に追随するものでまったく正当性がありません。アメリカのイラク戦争に対しては、中東・アラブ諸国をはじめ世界の圧倒的な国々が反対しました。イラクに自衛隊を派遣することは世界の国々の反発を強め、日本への信頼を損なうだけです。イラクの人々が求めているのは国連による人道・復興支援であって、軍事占領の支援ではありません。

 防衛庁教育訓練局長を経験された小池清彦新潟県加茂市長は、イラクへの自衛隊派遣は「明確な海外派兵であり、明らかに憲法9条に違反する行為」と批判し、イラク特措法の廃案を求める要望書をすべての国会議員、閣僚に送付しました。

 イラク軍事占領の泥沼化とともに、イラク特措法案の矛盾もますます深まり、衆院で採決を強行した政府・与党の責任は重大です。

 毎日新聞が7月5日、6日実施した全国世論調査では、自衛隊派遣賛成は19%にとどまり、イラク戦争が正当でなかったとの回答も60%に上っています。日本の軍事占領加担は、内外で空前の規模で広がったイラク戦争反対の平和の世論に真っ向から逆らうものです。小泉内閣はイラクへの自衛隊派遣の企てをやめるべきであります。そのことを求める本意見書案への賛同を求めるものです。

 なお、民主党は衆議院に自衛隊による支援活動の全面削除を内容とした修正案を提出し、イラク特措法案に反対しました。また、本府議会総務常任委員会の請願審査に際して、民主党・府民連合の委員から「イラク特措法には反対」との発言もあり、当然、本意見書案に賛成していただけるものと考えます。

 次に、わが党提案の教育に関する意見書案2件についてです。

 まず、「学校施設整備の予算拡充を求める意見書案」についてです。

 いよいよ、夏本番を迎えます。夏季の教室の温度が連日37度を越す学校もあります。クーラーの設置などの学習環境の整備が急がれます。この間、加茂町では、3ヵ年計画で整備する方針をきめましたが、多くの自治体でまだ手がついていません。ネックは財政問題です。京都府では府立学校において順次整備を進めているとおり、その必要性については議員のみなさんもご理解いただいていることと思います。この問題は、文部科学省が予算の概算要求をした経過もあり、その実現に自治体を始め多くの関係者が強く期待していたものです。本意見書案は、国への制度確立と予算拡充を求めるものであり、子どもの幸せを願ってぜひ、賛同を願います。

 次に、「義務教育国庫負担制度の堅持を求める意見書案」についてです。

 1952年に成立した「義務教育国庫負担法」は、国が必要な経費を負担することにより、教育の機会均等とその水準の維持向上を図ることを目的としています。この制度を後退させることは憲法の定める国の責任を放棄することになります。しかしながら、国においては、1985年以降、教材費、恩給費、旅費等の国庫負担金を廃止し、さらに、2006年度末までに、義務教育費の国庫負担の全額を一般財源化しようとしています。

 現在、財政危機に陥っている地方自治体が多いなか、この制度を廃止することは、自治体の財政力格差がそのまま義務教育費に反映することとなり、地域の教育水準の格差を招きかねません。地方財政を圧迫し、義務教育の円滑な推進に重大な影響を及ぼす本制度の廃止・縮減をやめ、堅持するよう求めるものです。すでに、義務教育国庫負担制度の堅持を求める意見書は、全国541自治体、都道府県では、45議会で上がっており、愛媛、京都を残すのみとなっているものです。京都府議会が最後にならないことを願って、賛同をお願いするものです。

 次に、4会派提案の「ヤミ金融対策の強化を求める意見書案」についてです。ヤミ金融は犯罪行為であり、行政も警察も徹底した監督と取締りが必要です。わが党は従来からヤミ金融の規制を強化し、被害を根絶する抜本的な対策を本府議会でも強く求め、国会では、法改正の要求を行い、その実現に努力してきました。今国会でヤミ金融の規制強化の法案を成立させる与野党合意ができており、本意見書案に賛成するものです。

 次に、4会派提案の「医薬品の一般小売店における販売」に関する意見書案についてです。

 今回の小泉内閣の「骨太方針」で規制緩和の名の下に、医薬品の販売規制をはずすことが強行されようとしています。国民の健康・安全を守るためにも、医薬品の販売に適正な規制を行うことは当然です。

 今府議会に「医薬品の一般小売店における販売」について慎重な審議を求めることに関する請願が、社団法人京都府薬剤師会・社団法人京都府薬種商協会・京都府医薬品小売商業組合から提出され、全会一致で採択されました。この請願の主旨に沿うものであり、本意見書案に賛成するものです。

 以上で討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。