資料ライブラリー

申し入れ

京田辺市に不法投棄された硫酸ピッチの即時撤去、行政代執行の発動と問題の経過を全面的に明らかにされることを求める申し入れ

2003/09/29 更新
この記事は 3 分で読めます。

_日本共産党京都府会議員団 団長 松尾 孝
日本共産党京田辺市会議員団 団長 塩貝建夫
日本共産党京都府委員会衆院6区政策委員長 矢口雅章

 9月23日、京田辺市大住内山に有害物質である「硫酸ピッチ」を不法投棄したとして元産廃処理業者などが京都府警に逮捕された。「硫酸ピッチ」は軽油密造の際に精製される強酸性の物質であり、雨水などと反応して亜硫酸ガスを発生させる猛毒物質である。報道によれば現場には「硫酸ピッチ」の入ったドラム缶200本が放置されているとのことであり、住民の健康が直接に脅かされる事態になっており、住民の不安は大きく広がっている。

 当該の現場は、わが党議員団がその危険性と不法性を繰り返し指摘し、厳しく府の対応を求めてきた箇所である。昨年1月には、「黒煙があがっている」との京田辺党議員団の指摘に対し、府と京田辺市が現場に入り、「油を精製している」と確認しながら、対応を怠ってきたものである。

 今回明らかになったように、現場では府税である「軽油引取税」の脱税につながる不法な軽油密造が行われ、さらに「硫酸ピッチ」と他の産廃が不法投棄されたものである。このような事態を放置してきた府の責任はきわめて重大である。

 さらに、京田辺市水取地域においても、内山で生成された「硫酸ピッチ」の一部が移されたり、他の硫酸ピッチと思われるドラム缶が放置され、その一部が漏れ出しているとも言われている。

 以上のように、今回の「硫酸ピッチ」の不法投棄問題への対応は行政が府民の要望に真剣にこたえ信頼回復できるかが問われているものであり、一刻も早い全容解明と「硫酸ピッチ」の撤去が緊急の課題である。日本共産党は京都府に対して、次の事項を緊急に実行されるとともに、経過について明らかにされるよう強く申し入れるものである。

一、「硫酸ピッチ」不法投棄問題について、大住内山地域だけでなく水取地域も含めた全容を一刻も早く明らかにし、住民に対する説明を行うこと。

一、「硫酸ピッチ」について 緊急に被害の広がりを防ぐ手立てを打つとともに、不法行為者の特定を急ぐとともに、行為者による撤去を待ってからでなく、ただちに「行政代執行」を行ない、住民の不安を取り除くこと。

一、以下の件について事実関係を明らかにすること (1)内山地域での軽油密造について、府は「無届け」の精製と認識していたのではないか。また何故取り締らなかったのか。 (2)水取地域で放置されているものは「硫酸ピッチ」入りのドラム缶なのか。また数量はいくらあるのか。 (3)府の産廃不法投棄規制条例によれば、産廃の一時保管については、その保管場所と内容、期間について届出がされるべきであるが、水取では届出がされているのか。 (4)硫酸ピッチについては、毒物劇薬取締法や特別管理産業廃棄物の対象となり厳重な保管が求められると思われるが、水取のドラム缶が硫酸ピッチであれば、保管方法に重大な問題があるのではないか。どのような見解を持っているのか。